前日はハノイから夜行バスに乗って、朝を迎えました。ベトナム最後の王朝である古都フエに到着しました。今日は、自転車を借りて世界遺産のグエン朝王宮やティエンムー寺、カイディン帝廟、トゥドゥック帝廟、トゥイスアン村(線香村)を観光します。またバインチュン(Bánh chưng)やフエ名物を食べる予定です。

バスを下車すると、バイクタクシーの勧誘が始まりますが、無視してホテルへ向かいます。冷えるハノイと違ってフエはかなり暑いです。

今日宿泊するホテル、Thanh An 3 Guest Houseに到着しました。外観を見た瞬間に既視感を感じました。実は以前フエを観光した時、このホテルに宿泊していました。今回ホテルを予約した時は、そのことに気が付きませんでした。そして、このホテルはコップが汚い、歯ブラシなどが置いてある場所が濡れている、便器に座ってシャワーをする必要があるなど、お勧めしません。自転車レンタルは1台7万ドンとお高めです。ホテル代金そのものは安いため、無意識的にこのホテルを再度選んでしまいました。

ドンバ市場

自転車を借りて、まずはドンバ市場を観光します。同行者は5千ドンの砂糖を買いたそうでしたが、バックパッカーとして重たい荷物はまだ買う時じゃないと却下しました。ちなみに日本に帰国する前日に、ハノイのスーパーマーケットでお土産を買う時間を設けています。また今日訪れるティエンムー寺で砂糖の代わりに、お土産のバッグを買うことになります。

ベトナムにはヌクマム、ヌクチャム、マトマムなどの調味料があり、どれが魚醤で、どれがエビの塩辛か毎回分からなくなります。

市場を観光したら朝食を食べに行きます。Bà Đỏと言うフエ名物が食べられるお店が朝も営業しているとネットに記載があり、向かうと営業していませんでした。夜に来ようと思います。第2候補のお店を考えていなかったため、急いで地図で良さそうな朝食探しです。今回の旅では、ブンボーフエを食べる予定はなかったため、それを食べることにしました。

ブンボーフエ

1杯3万ドン(180円)で、同行者は生野菜が食べられないため、もやしと香草は茹でてもらいました。ブンボーフエは、日本人の口に合います。大きい牛肉の塊もあり、食べ応えありました。露店で地元のクチコミが少ししかありませんでしたが、評価が高く、私も高評価です。

Bánh Chưng Nhật Lệ

次はバインチュンを買いに行きます。ベトナムの伝統的なちまきで、お店(Bánh Chưng Nhật Lệ)で購入しました。今日のスケジュールは詰め込みすぎて、予定した観光地を全部回れないはずなので、お昼ご飯として食べようと思いました。

バインチュン

店の奥でバインチュンを作っていたため、見学させてもらいました。旧正月のテトの時に、先祖への感謝をしながら食べる料理です。旧正月でなくても販売しています。

グエン朝王宮

自転車でやって来たのはグエン朝王宮(阮朝王宮)です。王宮内にある閲是堂では午前10時と午後3時に宮廷宮廷雅楽のニャーニャックと宮廷舞踊のショーを見ることができます。海外旅行のガイドブック「世界の歩き方」にはそのように記載されており、それを信じたためにショーを鑑賞することができませんでした。実は午前10時のショーは団体予約枠のため、鑑賞できません。ガイドブックを片手に観光するような個人旅行者が鑑賞できるのは午後3時のみでした。

そこまで網羅してこそ、本物のガイドブックだと思いました。ちなみにショーの練習風景を見学させてもらいました。歌声がめっちゃ綺麗だっただけに、本番を見たかったです。

阮朝王宮

ニャーニャックと宮廷舞踊は諦めて、王宮内を観光します。全て見るには時間が足りないため、7割程を見て終了する予定です。中心部にあるメインどころは修復されており、端にある門などは未修復でした。個人的には未修復の方が悠久の時を感じます。

途中でJTBの旅物語の集団を見かけました。調べてみると、団体ツアー「5つの世界遺産を巡るベトナム大縦断7日間」が2人で38万円でした。今回の個人旅行はベトナム横断9日間、2人で21万円だったので、お値段をかなり安く抑えました。

旅の計画当初は、カットバ国立公園からハロン湾クルーズをしたり、クックフォン国立公園でトレッキングツアーに参加しようとしていました。ただ、花の時期ではないこと等の理由で計画を再度練り直して今回の旅になりました。

約2時間程の滞在をしたら、外に出ます。

ものすごい暑さで喉が渇きました。目の前にあったカフェ(Coffee and Tea)で休憩することにしました。私が注文したのは、クリームコーヒーです。サービスで氷が入ったお水が提供されて感激でした。お水が無料の文化は、当たり前のようでそうじゃないかも。値段が書いてなかった1.5Lのペットボトルに入った水を買うと、2万5千ドンでした。若干冷えているけれど、スーパーマーケットで買えば1万ドンなので、割高でした。

ティエンムー寺

次はティエンムー寺に行きました。シンボルになっている7層8角形のトゥニャン(慈仁)塔は第3代皇帝ティエウチー帝が1845年に建てました。ここに来る道中でラン科植物の道端販売があり、喉から手が出る程、欲しかったです。

ティエンムー寺そのものは1601年に建立された、フエで最も古い寺院です。

フォーン川

ティエンムー寺の目の前にあるフォーン川にベンチがあったので、昼食休憩にしました。

バインチュン

今朝購入したバインチュン(Bánh chưng)は、脂身と柔らかいお肉が特徴の豚肉が美味でした。胡椒の実がアクセントになり、お米自体に豚肉の味が染み込んでいます。

ティエンムー寺からカイディン帝廟まで約11kmあります。自転車で向かうも、日中の炎天下に体がついていけません。日本にいた数日前はコタツ暮らしをしていたのに、今は汗が噴き出ます。たまらずカフェで休憩することにしました。ココナッツ関係のドリンクです。ベトナム語で書かれたメニューを画像翻訳で注文しました。

予定よりも大幅に遅れが出ており、このままでは熱中症の危険と、移動時間だけが無駄にかかり観光時間がなくなります。計画を変更し、カフェから2km程にあるトゥドゥック帝廟に向かい、そこでタクシーを使って観光することに決めました。

カイディン帝廟

トゥドゥック帝廟で自転車を停め、Grabタクシーを呼び、カイディン帝廟(帝陵)に来ました。タクシードライバーから他の観光地も案内すると提案があり、お願いすることにしました。値段はGrabでタクシーを呼ぶ時に表示される値段で、Grabアプリを通さないため、現金払いになります。ちなみにタクシー側のアプリだと値段が割高で表示されるので、こちら側のアプリで表示される値段です。ドライバーからしたらGrabによるピンハネがないため、美味しいと思います。

カイディン帝陵

今回のベトナム旅を計画する上で、同行者が特に行きたいと要望した場所が、ここカイディン帝廟です。装飾には、日本のサクラビールの瓶が使用されています。

ベトナム最後の王朝であるグエン王朝において、ラストエンペラーの1つ前、12代の皇帝であるカイディン(啓定)帝の墓です。歴代帝廟のほとんどが遺体が安置されていなかったと記憶しています。ここは金箔を施した青銅の像の下に遺体が安置されています。

次にタクシーで訪れたのはザーロン帝廟です。本当はティエウチ帝稜に行く予定だったのですが、ドライバーから工事中と言われ、ザーロン帝廟とミンマン帝廟はどうかと提案されました。ミンマン帝廟は以前訪れたことがあったのと、ザーロン帝廟は遠すぎて自転車で行くことが出来ない場所のため、ザーロン帝廟になりました。ここは駐車場が狭いとか何とかでツアーに組み込まれない場所だったと記憶しています。

ザーロン帝廟

入口で自転車を借りて敷地内を回ります。歩いて観光するには広すぎて、暑い気温の中で汗をかきます。これまでに汗で失った水分はかなりの量だと思います。そして塩分やミネラルを補給せず、水分や糖分しか補っていなかったためか、この後、熱中症の症状になってしまいます。

こちらはグエン王朝の初代皇帝ザーロン帝の墓が中にあります。残念ながら鍵がかかっており、中に入れませんでした。

ザーロン帝は当時の王朝であった西山朝の最後の皇帝をフランスの力を借りて滅ぼし、グエン王朝に突入します。しかしフランスの力を借りたことが、ベトナムがフランスの植民地になってしまうきっかけになります。

トゥドゥック帝廟

タクシーで自転車を置きっぱなしにしてあるトゥドゥック帝廟へ戻って来ました。熱中症になっているのか頭痛があったので、アクエリアスのような炭酸飲料を購入して飲みました。すると、あっという間に頭痛が治まりました。トゥドゥック帝廟を観光します。時間があれば近くにあるドンカイン帝陵など知名度のない遺跡の数々を訪れたかったです。

トゥドゥック帝は4代目の皇帝です。在位期間は35年間と、グエン王朝の歴代13人の皇帝の中で最長です。皇帝の墓とその妃の墓が離れて築かれています。

線香村と呼ばれるトゥイスアン村

観光を終えたら自転車に乗ってホテルへ戻ります。その前に少しだけトゥイスアン村(線香村)へ寄り道します。カラフルな線香と一緒に撮影するのが人気の映えスポットです。色が付いている場所は持ち手になります。タブ粉はまだ塗られていない状態のものでした。

ホテルへ戻り、チェックインをして休憩します。どうやら熱中症が再発したようです。夕食で塩分や水分などを摂取すれば良くなるかもしれません。ちなみに再度このようなことが起きないように、翌日はコンビニで岩塩を購入しました。そしてこの岩塩が涼しいハノイに戻って来た時に役に立つことになります。その話は後程です。

Bà Đỏ

Grabでタクシーを呼び、今朝訪れて営業していなかったお店(Bà Đỏ)に向かいました。

バインベオ

レモネードで喉を潤しながら注文したのはバインベオ(Bánh bèo)です。フエの名物であり、宮廷料理です。米粉とタピオカ粉で作った一口サイズのお餅をヌクチャムと共に食べます。全ての料理において、どのように食べるのか店員さんが教えてくれました。

ネムルイ

次はネムルイ(Nem lụi)です。豚肉が巻き付いているレモングラスを引き抜いて、野菜と共にライスペーパーで巻いて食べます。ベトナムにはライスペーパーが主に2種類あり、水を付けて柔らかくするものと、水がなくても元から柔らかいものがあります。今回提供されたのは、日本でなじみがない後者でした。

バイン・ボッ・ロック

バイン・ボッ・ロック(Bánh bột lọc)はバインベオに似たお餅ですが、存在感のあるエビが入っているのが特徴です。タピオカ餃子とも呼ばれるようです。

バイン・ラム・イット

まだ食べられそうだったので追加注文したバイン・ラム・イット(Banh Ram ít)です。味のないおかきにお餅を載せたフエ名物でした。

夕食を食べ終わる頃には、熱中症の症状は回復しました。帰りのタクシーを呼ぼうとGrabを使用するも、タクシーが全くつかまりませんでした。ホテルに向かいながら歩いていると流しのタクシーを見つけ、乗り込みました。メーターを直ぐに回さなかったので、回してもらいました。地図を見せて目的地を伝えましたが、上手く伝わらず、指差しで道を指示しながら無事にぼったくられることなくホテルに到着しました。明日はホイアンに向かいます。