カイディン帝陵
カイディン帝陵(カイディン帝廟)とは、啓定帝とも呼ばれる第12代皇帝カイディン帝(在位1916~1925)の陵墓です。
フランスによって擁立され皇帝になったカイディン帝はフランスを訪問した際に見た大型建造物の影響を受け、カイディン帝陵はバロック様式になっています。
しかしカイディン帝は無宗教であり派手好きだったため、様々な宗教建築が混在しています。
1920年に起工しています。1925年にカイディン帝は結核が原因で死去し、皇帝が息子のバオダイ帝に変わった後も造営を続け1931年に完成しました。
カイディン帝陵を含む7つある全ての帝陵はグエン朝王宮と共にフエの建造物群として1993年、ユネスコの世界遺産に登録されました。

基本情報

別称
Lăng Khải Định, Tomb of Khai Dinh
住所
Khai Đinh, Thuy Bang, Huong Thuy, Thua Thiên Hue, Vietnam
アクセス
フエの街中から自転車で50分かからないくらい。
現地ツアーの観光先です(ホテルでの予約可)。
営業時間
7:00~17:30
料金
入場料:10万VND
観光シーズン
オールシーズン
観光時間
1時間
その他

外観

カイディン帝陵はコンクリート製です。
マップ
石像(左側)
石像(右側)
オベリスク(左側)
碑亭
カイディン帝の功績が書かれた碑石が置かれている碑亭の両脇には象や役人の石像が立ち並び、帝陵を守っています。
またオベリスク(記念碑)がそびえ立っています。
カイディン帝はこの帝陵を建築する費用のために税金を20%アップしたため、国民の反感を買いました。
啓成殿の中に礼拝堂と墓所がありカイディン帝の遺体が安置されています。
内部の天井には九龍が描かれ、壁面はすべて華々しく彩られたモザイク装飾が施されています。
モザイク装飾には中国の陶器や日本のビール瓶が使われています。
啓成殿の外観

内観

礼拝堂
ヨーロッパで発達したバロック様式の建築物に混在するモザイク装飾によって東洋独特の雰囲気が漂います。
カイディン帝は無宗教であり派手好きだったのが良く分かる内装です。
外観のシンプルな色合いとは対照的です。
モザイク装飾
墓所内の装飾
天井に描かれた九龍
啓成殿の中に礼拝堂は豪華ですが、その奥にある墓所は更に豪華絢爛です。
カイディン帝の像
像の頭上
金箔を施した青銅のカイディン等身大像の下に遺体が安置されています。
先代の第11代皇帝ズイタン帝は宗主国フランスを排除しようとしたために廃位され、レユニオン島へ流刑となりました。先代の代わりに、フランスによって擁立され第12代皇帝となったカイディン帝は「フランスの保護下で贅沢な暮らしをしているあやつり皇帝」と見られています。
第13代皇帝バオダイ帝はカイディン帝の息子であり、ベトナム最後の王朝であるグエン朝(1802~1945)において最後の皇帝です。
展示室