ミーソン遺跡
ミーソン遺跡とは、ベトナムの中部・南部に王国を築いたチャンパの聖地です。4世紀後半にチャンパ王がシヴァ神を祀った木造の祠堂を創建したことから始まり、7世紀にはレンガを使用し火災により焼失した祠堂を再建されています。
長年の自然崩壊とベトナム戦争によるアメリカ軍の空爆を受け大半の遺跡が破壊されています。現在は8世紀から13世紀にかけて歴代各王により造営された宗教遺跡が残っています。
複数あるチャンパ王国遺跡の中でもミーソン遺跡群はチャンパ王国の聖地として歴代王からの寄進が続けられました。そのためチャンパ王国の文化・建築様式を伝える最大の遺跡群です。
1999年、ユネスコの世界遺産に登録されました。

基本情報

住所
My Son, Duy Phú, Duy Xuyên, Quang Nam, Vietnam
アクセス
ホイアンまたはダナンから現地ツアーに参加。
ダナンから南へ約70km、ホイアンから南西へ約40kmあるため、ホイアンから参加が多い。
The Sinh Touristだとホイアン発入場料別で99000VNDで催行。
営業時間
6:00~18:00
料金
入場料:15万VND(電動カート代込み)
観光
オールシーズン
観光時間
2時間
その他
他のチャンパ王国遺跡:ポー・ハイ遺跡

詳細情報

入口
電動カート
ミーソン博物館
入口を進むと右手にミーソン博物館があります。更にそこから歩くと電動カート乗り場があります。電動カートで行けるのは、遺跡の約1km手前までで、そこからは歩いて観光します。
地図
演舞場では1回15分間のチャム族伝統舞踊ショーが9:30、10:30、14:30に開催されます。
日本の国際協力機構の協力によって建てられたミーソン博物館には遺跡から発掘収集された一部の遺物が展示されています。
ミーソン遺跡にはA〜Hまでアルファベットでグループ分けされており、メインはグループB、C、Dの祠堂が密集している遺跡群になっています。
レンガの隙間から侵食する植物が印象的

グループB、C、D

頭のないシヴァ神
レリーフ
破壊の神であるシヴァは女性器の象徴であるヨニの上に乗っています。頭がないのはベトナム戦争による破壊だけでなく、盗難も多くあったためです。
建造物にはセメントや漆喰などの接着剤を使わずに、レンガをずらして積み上げられた作りになっています。
レンガ壁面に彫られたレリーフだけでなく、砂岩彫刻や焼き物(テラコッタ)によるレリーフが当時の貴重な文化資料になっており、美術的にも重要な価値があります。
シヴァ神
古代ビンドウー教のチャム族たちは歴代王朝が代わる度に祠堂を建てています。
祠堂の内部は展示室になっており、ここで発掘された遺物を見ることができます。
ベトナム戦争時の不発弾
欠けてしまっているものが多いです。
船をイメージした宝物庫と石碑。石碑に刻まれた文字はまだ解明されていません。
男性器を象徴するリンガ
リンガとヨニ(女性器)が合体しています。
ヒンドゥー教においてリンガとヨニの合体は繁栄や豊かさ、平和、不死などを意味しています。
2匹の象
レリーフ
グループB、C、Dの全体
一番左の山はマハーパルヴァタ山

グループA、E

丘の上に位置するグループAの遺跡群は、かつてミーソン聖域で一番高く美しい主祠堂があり、ヨニを祀る主祠堂を中心に、11の祠堂が建ってました。
ベトナム戦争の爆撃によって、見るも無残に破壊されてしまいました。現在は主祠堂内に置かれていたヨニだけが形を留めて残っています。
グループAのヨニ
グループEの宝物庫
グループEの宝物庫は見た通り、修復されたばかりで、ほとんどが新しいレンガです。

グループG

13世紀に建設された祠堂
体はライオン、頭はドラゴンの像。
マハーカーラ
祠堂の周りには、シヴァの別名とされる「マハーカーラ」の動物神が飾られています。

その他

空爆の跡とグループFの主祠堂(修復中)