高尾山に自生する植物ムヨウラン

高尾山とその周辺にある小仏城山や景信山、陣馬山には、多くの植物が生息しており、1,500種類以上発見されています。世界で一番多くの人が登りに来る高尾山には、花の観察を目的として年に何度も訪問するプラントハンターが一定数います。

高尾山とその周辺で咲く植物の中で、人気があったり珍しい植物を一覧として紹介します。これらの植物は、高尾山にただ観光に来ているだけでは気が付けなかったり、出会えない植物ばかりです。

高尾山は花好きの人が勝手に植栽する事例もあり、元々自生していたのか、他所から持ち込まれたのか判別する必要があります。また貴重な植物ゆえに盗掘されたり、他の人が植物観察できないよう、自分の写真撮影後に植物を抜いたり折ってしまうこともあります。

ムヨウランはどの種類も光合成をしない腐生植物です。中でも変異株であるムラサキムヨウランはここだけにしか生息していません。ムヨウランは6月の初旬に見頃を迎えますが、トサノクロムヨウランは7月の終わりに見頃を迎えます。ムヨウランは時間を問わず開花するのに対し、トサノクロムヨウランは午前中だけ開花するなど、同じムヨウラン属でありながら、生態は異なります。
腐生植物はムヨウランだけではありません。高尾山口駅から全て舗装された1号路(表参道コース)を歩いて山頂を目指すだけでは、出会える植物はとても僅かです。寄り道したり、散策すればきっとギンリョウソウに出会えるかもしれません。けれどツチアケビはピンポイントにしか存在しません。
ヒトツボクロ
ヒトツボクロ
クモキリソウ
クモキリソウ
ヒトツボクロやスズムシソウなどのラン科植物は世界に15,000種はいると言われ、多様な進化や絶滅、交雑や品種改良が盛んです。山野草としての品種改良されていないランは、植物マニアに根強い人気があります。
セッコク
セッコク
カヤラン
カヤラン
他の植物の枝や幹などに根を張って暮らす着生植物を高尾山ではよく見かけます。セッコクはケーブルカーの駅構内が撮影ポイントになっています。カヤランやヨウラクランは、頭上高くに存在したり、花が咲いても小さいため肉眼ではなかなか気が付きにくいです。
サイハイラン
サイハイラン
ギンラン
ギンラン
サイハイランは高尾山を代表する植物です。珍しい植物でありながら、個体数が多く存在します。葉っぱで光合成をしますが、腐生植物と同様に地中にいる菌から栄養をもらっており、その依存度は高いです。そのような植物は部分的菌従属栄養植物と呼ばれており、キンランやギンラン、ウメガサソウも同様です。
エビネ
エビネ
ミドリエビネ
ミドリエビネ
キエビネ
キエビネ
エビネは個体によって萼片や唇弁の色に多様性があります。ヤブエビネのように色によって呼び方が変わるものもいます。黄色や薄いピンク色などがあります。
ツレサギソウ
ツレサギソウ
シュンラン
シュンラン
ベニバナヤマシャクヤク
ベニバナヤマシャクヤク
ベニバナヤマシャクヤクは絶滅危惧Ⅱ類ですが、東京都を含めて過半数以上の都道府県で絶滅危惧Ⅰ(絶滅寸前種, 絶滅危惧Ⅰ類, 絶滅危惧ⅠA類)に指定されています。
オオバウマノスズクサ
オオバウマノスズクサ
ホシザキイナモリソウ
ホシザキイナモリソウ
イナモリソウ
イナモリソウ
ホシザキイナモリソウは高尾山で発見されました。他にもタカオスミレなど高尾山で見つかった植物が幾つもあります。
フタバアオイ
フタバアオイ
カントウカンアオイ
カントウカンアオイ
ウマノスズクサ科カンアオイ属の花は地味で目立ちません。タマノカンアオイは高尾山を含めた関東地方限定の植物です。
ウメガサソウ
ウメガサソウ
ワニグチソウ
ワニグチソウ
サルナシ
サルナシ
エイザンスミレ
エイザンスミレ
ナガバノスミレサイシン
ナガバノスミレサイシン
ヒナスミレ
ヒナスミレ
高尾山はスミレの山と言われるほど、多様なスミレが数多く自生しています。
タカオスミレ
タカオスミレ
ヒカゲスミレ
ヒカゲスミレ
コミヤマスミレ
コミヤマスミレ