キンラン

キンランとは、金色のような黄色の花を咲かせるラン科であることが名前の由来になっている多年草です。

約1cm程の花にはラン科特有の唇弁を持ち、そこに赤褐色の隆起線があります。花は全開しません。全長は70cmくらいまで伸び、日本に分布するキンラン属の中では最大種です。

互生する葉から光合成をしますが、菌類に寄生して栄養を奪う半腐生植物(部分的菌従属栄養植物)です。樹木の根と共生する菌類である菌根菌に寄生し、菌根菌から多くの栄養を得ています。その依存度が高いため、移植などによって生育環境が変化すると数年で枯死してしまいます。

基本情報

和名:漢字
金蘭
学名
Cephalanthera falcata
分類:目
キジカクシ目 Asparagales
分類:科
ラン科 Orchidaceae
分類:属
キンラン属 Cephalanthera
分類:種
キンラン C. falcata
花期
4~6月
赤リスト
環境省カテゴリ:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
神奈川県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
分布
北海道を除く全国
その他
共生菌はイボタケ科、ベニタケ科

詳細情報

ほとんどの都道府県で絶滅危惧種に指定されています。県によっては、ごく近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種(絶滅危惧IA類)に指定しているところもあります。
4月24日(弘法山)
丹沢の里山
広披針形の葉は縦に粗い葉脈があります。葉のつけ根は茎を抱きます。
4月25日(神奈川県)
唇弁の中身
キンラン
蕾の状態, 5月8日(塔ノ岳)
日本に分布するキンラン属はキンラン、ギンラン、ササバギンラン、ユウシュンラン、クゲヌマランの5種類です。キンラン以外は全て白花です。

キンラン属

ギンラン
ササバギンラン
ユウシュンラン
クゲヌマラン
キンラン属は菌への依存度が高く、特にギンランやユウシュンランはキンランより強く菌に依存している半腐生植物(部分的菌従属栄養植物)です。