ヒメフタバラン

ヒメフタバランとは、樹林下で目立たない地味で小さな花を咲かせる多年草です。背丈は大きい個体で20cmほどです。1本の花茎に2~6個の花を咲かせます。緑紫色をした花の唇弁は、Y字に深く裂け、基部には唇のような突起があります。その下にはT字の模様があり、その上部は隆起しています。唇弁は1cmを満たない長さです。

対生する葉は2枚しかないラン科植物のため、名前がフタバランとなっています。卵状三角形の葉は1~2cmの長さです。

個体に変異があり、葉の中央に白色の条があるフイリヒメフタバランや葉が楕円形のナガバヒメフタバラン、花が緑色のミドリヒメフタバランが存在しています。

基本情報

和名:漢字
姫二葉蘭, 姫双葉蘭
学名
Neottia japonica
分類:目
キジカクシ目 Asparagales
分類:科
ラン科 Orchidaceae
分類:属
サカネラン属 Neottia
分類:種
ヒメフタバラン N. japonica
花期
3~5月
赤リスト
環境省カテゴリ:指定なし
東京都:絶滅危惧IA類(CR)
神奈川県:絶滅種(EX)
分布
本州(宮城県・山形県以南), 四国, 九州, 沖縄県
分布地
高尾山, 屋久島
その他

詳細情報

ヒメフタバランの花
全体像
4月2日(高尾山)
フタバランの名前が付くラン科サカネラン属の植物は多く存在し、ミヤマフタバラン、コフタバラン、アオフタバラン、タカネフタバランが挙げられます。いずれの種もヒメフタバランのように目立たない花を咲かせます。
フイリヒメフタバランの蕾
フイリヒメフタバランの蕾
ヒメフタバランの葉
高尾山では、レンジャーによって盗掘防止タグがヒメフタバランに設置された後、その個体は盗掘されました。(2022年4月)
中国語では、ヒメフタバランを「日本对叶兰」と呼んでいます。学名のjaponica(日本)と対生葉(对叶)であるラン(兰)であるためです。