シャクジョウソウ

シャクジョウソウとは、ギンリョウソウに似ている腐生植物です。全身がベージュのような淡黄褐色で、目玉に見える雌しべの柱頭は黄色です。総状花序で果実は成熟すると乾いて避けた部分から種子を散布する蒴果です。最初はうつむいたように下を向いて咲いていますが、次第に上を向き始め、果実ができる頃には真上を向いています。

姿が錫杖に似ていることが名前の由来になっている多年草です。背丈は高くて15cmほどあり、鱗片葉は光合成をしなくなって退化した葉であり、他の腐生植物よりも鱗片葉が大きく、龍や鳥の鱗や羽に見えます。花は1つの茎に1個から多くて8個つけます。

山地や、緑地、公園などの林中のやや暗い場所に生えますが、ギンリョウソウほど良く見られる植物ではありません。

基本情報

和名:漢字
錫杖草
学名
Monotropa hypopitys
分類:目
ツツジ目 Ericales
分類:科
ツツジ科 Ericaceae
分類:属
シャクジョウソウ属 Monotropa
分類:種
シャクジョウソウ M. hypopitys
花期
6~7月
赤リスト
環境省カテゴリ:記載なし
神奈川県:絶滅危惧IA類(CR)
東京都:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
分布
北海道、本州、四国、九州
分布地
丹沢, 小宮公園, 片倉城跡公園, 蝶ヶ岳
その他

詳細情報

中国では「松下兰」(松下蘭)と呼ばれ、台湾では「錫杖花」と呼ばれています。ラン(蘭)ではありません。
6月13日(片倉城跡公園)
6月5日(小宮公園)
シャクジョウソウ
花冠裂片には毛が密集して生えています。近くで見ると、目玉ではなく唇に見える柱頭の縁は、リップクリームを塗ったようなみずみずしさがあります。
羽のような鱗片葉が目立ちます。
錫杖頭に似ている総状花序
9月25日(蝶ヶ岳)
結実し、果実(蒴果)を真上につけています。

昨年咲いて結実し、真っ黒くなった個体です。首を曲げて下を向いて花を咲かせていたのが、最終的には天を向いて真っすぐになります。丸い部分が蒴果です。上を向いて蒴果を高い位置にすることで、種子をより遠くまで飛ばす植物の戦略です。

シャクジョウソウには無毛の変種ハダカシャクジョウバナ(Monotropa hypopitys f. atricha)が存在しています。

似ている植物

シャクジョウソウと同様に光合成をしない菌従属栄養植物で、姿が似ている種類がいます。同じツツジ科のギンリョウソウやアキノギンリョウソウ(ギンリョウソウモドキ)、そしてラン科のタシロランです。姿を見比べると違いが良く分かるので、それぞれの存在を知っていれば混同することはありません。
知名度があるギンリョウソウを知っているくらいだと、シャクジョウソウをギンリョウソウと勘違するなど混同してしまいがちです。