タマノカンアオイ

タマノカンアオイとは、主な自生地である多摩丘陵で発見されたのが名前の由来になっている多年草のアオイです。日本固有種になっており、分布域は関東地方の西南部になっています。カンアオイ属の植物は、地域によって多くの種や変種に分かれています。

直径3~4cmほどある紫色の花は地面すれすれに咲きますが、葉で隠れていることが多いです。花弁が退化し、筒型になった花の端に卵状三角形の萼裂片があります。筒の入口周辺には無数の白い突起物が環状に並んでいます。筒の中には6個の花柱と12個の雄しべが存在します。

葉は楕円形に近いハート形をしており、長さは5~10cmです。厚みのある葉の表面は光沢があり、葉脈の部分が凹んでいます。

基本情報

和名:漢字
多摩の寒葵
学名
Asarum tamaense
分類:目
ウマノスズクサ目 Aristolochiales
分類:科
ウマノスズクサ科 Aristolochiaceae
分類:属
カンアオイ属 Asarum
分類:種
タマノカンアオイ A. tamaense
花期
4~5月
赤リスト
環境省カテゴリ:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
東京都:絶滅危惧IA類(CR)
神奈川県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
分布
関東地方南西部
分布地
高尾山, 多摩丘陵
その他

詳細情報

タマノカンアオイの花
花弁状になった萼裂片を持つ筒状の花は、つばが広い帽子のような見た目です。
タマノカンアオイが自生する分布域には、カントウカンアオイとランヨウアオイ、フタバアオイを見かけることがあります。それらカンアオイ属は互いに見た目が異なるため、同定するのは難しくありません。花が似ているアマギカンアオイは分布域が異なります。

同じ分布域に自生するカンアオイ属の植物

カントウカンアオイ
カントウカンアオイ
ランヨウアオイ
ランヨウアオイ
フタバアオイ
フタバアオイ