マヤラン

マヤランとは、神戸市の摩耶山(まやさん)で初めて発見され、そこからマヤランと名付けられました。

光合成をしない腐生植物のため、葉はありません。花茎の高さは10~30cm程で、花は白地に紅紫色の模様があります。レッドリストに絶滅危惧II類として記載されています。

栄養分は光合成ではなく、地下茎の中にいる菌類から得ている完全菌従属栄養植物(腐生植物)です。マヤランと共生している菌類は担子菌、つまりキノコの仲間であるベニタケ科、イボタケ科、シロキクラゲ科などの菌であることが確認されています。

基本情報

和名:漢字
摩耶蘭
学名
Cymbidium macrorhizon Lindl.
分類:目
キジカクシ目 Asparagales
分類:科
ラン科 Orchidaceae
分類:属
シュンラン属 Cymbidium
分類:種
マヤラン C. macrorhizon
花期
6~10月
赤リスト
環境省カテゴリ:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
神奈川県:指定なし
分布
関東から九州
その他
共生菌はベニタケ科、イボタケ科、シロキクラゲ科のキノコの菌

詳細情報

中国語では、大根兰(大根蘭)と呼ばれています。字面を見ると、大根とラディッシュの千切りみたいな花に見えてきました。
ネパール、パキスタン、インド、ミャンマー、ベトナム、ラオス、タイなどにも海外の生息地は多いです。
マヤランの花
全体
腐生植物であるマヤラン
腐生植物であるマヤランは、根系に菌根を形成して、ベニタケ科などのキノコの菌糸と特異的に共生関係にあります。その菌糸は周囲にある特定の樹木の根から養分をもらって共生して生きています。腐生植物(菌従属栄養植物)は単体で生きる事は出来ず、このようにどこでも育つわけではないので、移植が極めて困難です。
舞岡公園のマヤラン
7月11日
腐生植物(菌従属栄養植物)であるため、光合成を一切しない植物であると考えられていましたが、結実期に緑色の果皮で光合成をしていることが最近の調査で分かり始めています。
神代植物公園のマヤラン
9月19日(神代植物公園の水生植物園)
マヤランは夏に咲いた後、秋に再び咲く事があります。夏に花を咲かせた花茎は黒くなって枯れますが、秋になると別の花茎が伸びてきて、花を咲かせます。必ず2度咲かせるわけではありません。
9月19日(神代植物公園の植物多様性センター)
丹沢のマヤラン
丹沢
7月24日