テガタチドリ

テガタチドリとは、淡紅紫色の花を無数に付ける多年草の高山植物で、チドリソウとも呼ばれます。根が手の形に肥厚し、花が千鳥が遊ぶ姿に似ていることが名前の由来になっています。草丈は30~60cmあり、広線形の葉を4~6枚が互生します。花は唇弁が先端で3裂し、それぞれの先端は丸みを帯びています。約2cmある距は下に反るか、まっすぐ伸びます。

高山地帯の明るい草原に自生しており、受粉するために甘い匂いで昆虫をおびき寄せます。秋になると葉が枯れ始め、冬は地上部がない状態で年越しします。

基本情報

和名:漢字
手形千鳥
学名
Gymnadenia conopsea (L.) R.Br.
分類:目
キジカクシ目 Asparagales
分類:科
ラン科 Orchidaceae
分類:属
テガタチドリ属 Gymnadenia
分類:種
テガタチドリ G. conopsea
花期
7~8月
分布
北海道, 中部地方以北
分布地
唐松岳, 白馬岳, 立山, 鉢伏山, 北岳, 鳳凰三山
その他

詳細情報

テガタチドリ
似た種類にハクサンチドリとノビネチドリがいます。ノビネチドリと間違えやすいですが、楕円形をした葉の縁が波打つのがノビネチドリ、細長い広線形をした葉の縁が波打たないのがテガタチドリです。3種類の中でハクサンチドリが分布域が広く、一番見かける機会が多いです。
テガタチドリの花
花の大きさは約1cmです。
テガタチドリ
側花弁が内側に曲がり先端が触れ合います。側萼片は線上の凹みがあり、唇弁の中裂片は凸になっています。
テガタチドリ
白馬岳(7月21日)
北岳(7月27日)
鳳凰三山(7月24日)
テガタチドリの花
テガタチドリの群生
立山に自生する群生
穂状花序の花は下から上に向かって順番に開花していきます。花や茎は無毛で、茎や苞は若干花色を帯びています。
開花後のテガタチドリ
結実したテガタチドリ
花柄子房は180°捻じれます。花柄子房と花茎の色は個体によって異なります。