ソナレセンブリ

ソナレセンブリとは、伊豆半島と伊豆七島にしか分布していない1年草です。海岸の崖に自生しており、それが「磯馴れ」という名前の由来になっています。楕円形の葉は小さく厚みがあり、光沢があるため、海岸特有の潮風や紫外線など過酷な環境に適応しています。

花は5枚の白い花冠裂片に紫色の筋模様があり、基部には対になった黄色い蜜溝があります。花茎の先端に花が1つ付き、頭上を向きます。太陽の光を浴びないと開花しません。葉は対生し、中央の主脈が窪んでいます。草丈は10cm前後です。

基本情報

和名:漢字
磯馴千振
学名
Swertia noguchiana
分類:目
リンドウ目 Gentianales
分類:科
リンドウ科 Gentianaceae
分類:属
センブリ属 Swertia
分類:種
ソナレセンブリ S. noguchiana
花期
10~11月
赤リスト
環境省カテゴリ:絶滅危惧II類(VU)
東京都:絶滅危惧IB類(EN)
静岡県:絶滅危惧IA類(CR)
分布
伊豆半島, 伊豆七島
分布地
伊豆半島, 伊豆七島
その他

詳細情報

ソナレセンブリの花
黄色い蜜腺溝の縁には毛状突起があります。断崖にある多年草群落内に生育していますが、実際は台風などの影響で裸地になった場所を、1年草ならではの速い生長速度で住処にしています。
ソナレセンブリの蕾
ソナレセンブリ
陽が当たらないと花は開きません。
花冠裂片の外側に付いている短い萼裂片は厚みがあり、その先は丸みを帯びながらも僅かに尖り、そして反り返っています。
ソナレセンブリの群生
もともと自生地が限られている植物ですが、盗掘によって数を減らしています。希少さと、他のセンブリ属の植物とは大きく見た目や特徴が異なることから、人気が高い山野草です。
ソナレセンブリの花
蜜腺溝から分泌される甘い蜜を求めて虫が花の中に集まっています。