コガネネコノメソウ

コガネネコノメソウとは、先端に黄金色の花を複数咲かせる多年草で、湿った場所を好みます。花弁のように見える4つの黄色い萼片の内側に8個の黄色い雄しべがあります。酷似しているトウノウネコノメは萼片から雄しべが飛び出す長さなのに対し、コガネネコノメソウの雄しべは短く飛び出ません。APG体系では同一種に分類されていて、毛が多いオオコガネネコノメソウが存在します。

花色は黄色だけでなく黄緑色など個体差があります。萼片は直立し、花粉は黄色で、全体が有毛です。葉は対生し、縁には5~10個の円い鋸歯があります。草丈は5~10㎝あります。根生葉は開花時には枯れ、開花後に走出枝が発達します。花柱は受粉すると萼片より長くなります。

基本情報

和名:漢字
黄金猫の目草
学名
Chrysosplenium Maxim. var. sphaerospermum (Maxim.) H.Hara
分類:目
ユキノシタ目 Saxifragales
分類:科
ユキノシタ科 Saxifragaceae
分類:属
ネコノメソウ属 Chrysosplenium
分類:種
コガネネコノメソウ C. pilosum
花期
3~5月
分布
関東以西~九州
分布地
丹沢, 金剛山, 岩湧山, 茶臼山, 茅ヶ岳, 藤原岳
その他

詳細情報

コガネネコノメソウの花
花は径2~4.5mm程で、1つの花茎に花を2~9個付けます。茎や葉の裏などに白色の軟毛が散見できます。山地の沢沿いに分布することが多く、海外では朝鮮半島や中国、ロシアにも分布しています。
コガネネコノメソウ
茎は暗紫色を帯びやすい。
コガネネコノメソウの走出枝
走出枝が左右下に伸びています。
葉は扇形ないしは円形で、長さは3~15mmあります。他のネコノメソウ属と比較すると、葯は早期に外れてしまいやすく、花粉が剝き出しになっている個体が多いです。
コガネネコノメソウ
神奈川県(4月1日)
神奈川県に自生するコガネネコノメソウ
神奈川県(4月9日)
コガネネコノメソウ
コガネネコノメソウと比べてオオコガネネコノメソウは毛が多く、葉の縁に9~17個の円い鋸歯があり、全体的に大きいとされています。
コガネネコノメソウ
受粉後の姿
コガネネコノメソウ
果実は蒴果で、熟すと長さ0.6mmある卵円形の種子を飛散させます。開花後の萼片は緑色になるとされていますが、もともと緑色の萼片も存在します。
コガネネコノメソウの群生
類似植物としてヤマシロネコノメが存在し、京都府に自生しています。