ムカゴネコノメソウとは、湿った樹林下に淡黄緑色の花(萼片)を咲かせる日本固有種の多年草です。花弁はありません。根元から地中に水平に走るストロン(走出枝)を伸ばし、先端にムカゴ(珠芽)をつけるのが特徴です。それが名前の由来になっています。
分布域は狭く宮城県から東海地方のみです。準絶滅危惧種に指定されていますが、分布地では群生していることが多く、個体数があります。
葉は通常対生しますが、一部互生します。葉の縁には円い鋸歯があり、葉柄は1cm前後です。花茎の背丈は最大で約15cmまで伸びます。ムカゴは紡錘形で、長さ約1cmあります。
和名:漢字
零余子猫の目草
学名
Chrysosplenium maximowiczii
分類:目
ユキノシタ目 Saxifragales
分類:科
ユキノシタ科 Saxifragaceae
分類:属
ネコノメソウ属 Chrysosplenium
分類:種
ムカゴネコノメソウ C. maximowiczii
花期
3~4月
赤リスト
環境省カテゴリ:準絶滅危惧種(NT)
分布
東北南部, 関東, 東海
その他
蕾の萼片は葉と同じ緑色です。
葉は対生です(2枚の葉が向かい合う)。
全世界に60種ほどあるネコノメソウ属の中で、日本では19種類発見されており、11種は日本固有種です。見た目はタチネコノメソウ似ていますが、葉が互生であり、対生であるムカゴネコノメソウとは異なります。また関西以西に分布があるのはタチネコノメソウです。
雄しべは通常8個
西丹沢(3月16日)
谷沿いで見かけます。
個体差はありますが、葉の表面に葉脈の模様が見えます。
黄色い葯が残っている個体
萼片の先端に赤い斑点が多い個体
結実した姿(3月27日)