ヤビツギンランとは、ギンランの品種です。隆起線がある唇弁が存在せず、代わりに花被片が存在します。これをペロリア化(整斉変態現象)と言います。白い花はほとんど平開せず、距が存在しません。花が膨らまず、細長いのが特徴です。
丹沢のヤビツ峠で発見されたのが名前の由来です。同様に唇弁が他の花被片と違いがなくなったキンランはツクバキンランと呼ばれ、それがクゲヌマランの場合はホシガタクゲヌマランと呼ばれています。
他の白いキンラン属との違いは以下の通りです。ギンランやササバギンラン、クゲヌマラン、ユウシュンランの唇弁には隆起線が存在し、他の花被片と明確な違いがあります。クゲヌマランは距がほぼないのに対し、ギンランやササバギンラン、ユウシュンランには明確な距があります。
和名:漢字
ヤビツ銀蘭
学名
Cephalanthera erecta f. pelorica
分類:目
キジカクシ目 Asparagales
分類:科
ラン科 Orchidaceae
分類:属
キンラン属 Cephalanthera
分類:種
ヤビツギンラン C. erecta f. pelorica
花期
4~6月
分布
不明
分布地
丹沢
その他
5月28日
距が存在しない花
草丈はギンランよりも高く、ササバギンランより低いことが多いです。背丈や葉の長さ、距の分かりずらさから、クゲヌマランと見間違えることがあるようですが、クゲヌマランは隆起線が観察できるくらい花が開き、また花に膨らみがあります。
僅かに開いていた花を人為的に開いてみると、唇弁に隆起線がないのが分かります。
自生する場所は、ギンランなど他にキンラン属と変わりません。一緒に自生していることもあります。
ギンラン
ササバギンラン
ユウシュンラン
クゲヌマラン