バイカオウレン

バイカオウレンとは、梅に似た花を咲かせることが名前の由来になっており、葉がウコギ(五加木)に似ているためゴカヨウオウレンとも呼ばれる多年草です。花は5枚の白い萼片からなっており、花弁は黄緑色の蜜線に変化しています。草丈は4~15cm程あり、日本固有種です。

明るい半日陰と苔が生い茂るような湿った場所を好み、針葉樹林の樹林内や林縁に生育します。黄色い根茎は細長く、横に這いながら匍匐枝を出して繁殖していきます。花の中央部には雌しべが数個あり、その周りに無数の白い雄しべが存在します。果実は舟状の袋果です。

類似植物としてミツバノバイカオウレン(コシジオウレン)やシコクバイカオウレン、ヤエノバイカオウレン、ヒュウガオウレンがあります。

基本情報

和名:漢字
梅花黄蓮, 五加葉黄蓮
学名
バイカオウレン:Coptis quinquefolia Miq.
分類:目
キンポウゲ目 Ranunculales
分類:科
キンポウゲ科 Ranunculaceae
分類:属
オウレン属 Coptis
分類:種
バイカオウレン C. quinquefolia
花期
1~4月
分布
東北南部~四国
分布地
飛龍山, 熊野古道, 高知県立牧野植物園, 清宝山
その他

詳細情報

バイカオウレンの蕾
バイカオウレンの花
バイカオウレンの葉

小葉は通常5枚ですが、時に3枚の場合があります。1枚の小葉は3浅裂した倒卵状くさび形で、縁には鋭い鋸歯があります。根生葉は光沢と厚みのある鳥足状複葉です。葉脈は顕著に浮き出ます。蜜線の舷部は浅い杯状になっています。

バイカオウレン
4月23日
バイカオウレンの茎

花茎は紫色を帯びた褐色をしています。茎の頂部に上向きの花を1つ咲かせます。白い花(萼片)の先端は僅かに切れ込みが入り、尖りません。

バイカオウレンの群生地

常緑の植物であり、冬にも葉は枯れずに残ります。

バイカオウレン
花は直径1.5cm程です。
3枚葉のバイカオウレン
3枚葉のバイカオウレン

小葉が3枚あるバイカオウレンはミツバノバイカオウレンとは別物になります。

ウスギオウレンとバイカオウレン
ウスギオウレンとバイカオウレン
ヒメイチゲとバイカオウレン
ヒメイチゲとバイカオウレン
バイカオウレンの群生地

分布は局所的ですが、群生をなすことが多いです。