オウレン(キクバオウレン)の変種であり、太平洋側や西日本に広く分布する日本固有種です。複葉を構成している1つ1つの小葉がセリの葉っぱに似ていることが、名前の由来になっています。
2月頃開花する直径1cmほどの花には、両性花、雄花、雌花があります。咢片と雄しべは白く、雌しべは紫褐色もしくは緑色であり、多様性がある白花です。
根茎を乾燥したものは生薬「黄連」として漢方薬の材料になります。ベルベリン(アルカロイド)という成分が含まれおり、消炎、止血、精神不安などの効能があります。
基本情報
学名
Coptis japonica var. dissecta
分布地
平塚市中吉沢, 厚木市荻野運動公園, 太白山, 小峰公園, 四王寺山
植物

平塚市(2月21日)

雄花
神奈川県内にある自然の中では、平塚市のスギ林でしか見ることが出来ません。小さな範囲に密集しているのみです。以前から自生している訳ではなく、栽培されていた個体だと推測されています。
葉っぱがないと、どのオウレンの変種か区別がつきにくいです。葉は2回3出複葉(葉っぱが2回3つ又に分かれた先につく)となっています。異なる変種のコセリバオウレンは3回3出複葉であり、葉っぱで見分けが出来ます。日本海側に多く分布するキクバオウレンは、1回3出複葉です。写真は雄花のみです。

開花する前の個体

常緑多年草です。

緑色の部分が雌しべの両性花
外側の一番細長い花のパーツが咢片で、その内側にある短めのパーツが花弁です。雄花の数が多く、両性花も見かけます。雌花は滅多にないと言われています。