セイタカスズムシソウ

セイタカスズムシソウとは、昆虫のスズムシの姿に似た花を咲かせる多年草で、スズムシソウと比べて草丈が高いことが名前の由来になっています。草丈は10~40cmほどあり、スズムシソウより花数が多く、花は小さく、開花時期が遅いです。四国や九州でセイタカスズムシソウと混同されてきたアキタスズムシソウは花が緑色が一般的なのに対し、セイタカスズムシソウの花は帯紫色であることが多いです。

茎の基部に広楕円形の葉が2枚あり、縁が波打つ葉の長さは6~12cm、幅3~5cmです。花は多くて30個程付け、唇弁は長さ1cm程の倒卵形でスズムシの羽に似ています。側花弁は触覚を連想させる糸状で、萼片は昆虫の足のような線状披針形です。偽球茎は楕円状球形です。

地上部は毎年枯れます。明るくて湿った林床に自生しており、フガクスズムシソウのように樹上や岩の上などに着生することもあります。

基本情報

和名:漢字
背高鈴虫草
学名
Liparis makinoana Schltr.
分類:目
キジカクシ目 Asparagales
分類:科
ラン科 Orchidaceae
分類:属
クモキリソウ属 Liparis
分類:種
セイタカスズムシソウ L. makinoana
花期
6~7月
赤リスト
環境省カテゴリ:指定なし
神奈川県:絶滅危惧IA類(CR)
山梨県:絶滅危惧IA類(CR)
分布
北海道~本州
分布地
白山
その他
Liparis japonica (Miq.) Maxim.は旧学名になります。

詳細情報

セイタカスズムシソウの葉
葉は基部で楔形になります。
セイタカスズムシソウの花
唇弁は透けています。
セイタカスズムシソウ
総状花序の花は下から上へ順番に開花していきます。ここの自生地では、草丈が高い植物に囲まれながら隠れるようにいました。
セイタカスズムシソウ
セイタカスズムシソウ
花柄子房は180°ねじれます。
セイタカスズムシソウ
セイタカスズムシソウ
セイタカスズムシソウ
開花後の結実
類似植物としてフガクスズムシソウ、オオフガクスズムシ(2008年に新種として記載)、キイオオフガクスズムシ(2021年に新種として記載)、アキタスズムシソウ(2019年に新種として記載)、ヒメスズムシソウがあります。2000年以降、新種として分類されてきた植物が多くあります。