シマササバラン

シマササバランとは、伊豆諸島にのみ自生する日本固有種の多年草です。九州や沖縄に自生するユウコクランの島嶼変異種で、姿が酷似しています。赤紫色や紫褐色の花を無数に咲かせますが、花色は黄緑色や紫褐色とのツートンカラーなど多彩です。花茎の色も多様です。

姿が似ているコクランと同じ時期に同じ場所で開花しており、シマササバランの方が全体的に大きく育ち、花数が多く、側花弁や側萼片が長いのが特徴です。具体的には、シマササバランの側萼片は長さ7mm以上あり、唇弁の基部にある2つの角状突起は先端が平たくなっています。

島固有種でササバランに似ていることが名前の由来になっています。草丈は40cm程まで伸び、林床で数多く見かけます。

基本情報

和名:漢字
島笹葉蘭
学名
Liparis formosana Rchb.f. var. hachijoensis (Nakai) Ohwi
分類:目
キジカクシ目 Asparagales
分類:科
ラン科 Orchidaceae
分類:属
クモキリソウ属 Liparis
分類:種
シマササバラン L. formosana var. hachijoensis
花期
5~6月
赤リスト
環境省カテゴリ:絶滅危惧II類(VU)
東京都:絶滅危惧II類(VU)
分布
伊豆諸島
分布地
利島, 新島, 神津島, 八丈島
その他

詳細情報

シマササバランとユウコクランは同種であるという見解があります。シマササバランやユウコクラン、コクランは大昔に南からユウコクラン系列の植物として日本にやって来てきました。氷期に日本列島に隔離され、その際に伊豆諸島で取り残されたのが、シマササバランとして島独自の変化をしたとされています。

紫褐色の花
赤紫色と黄緑色のツートンの花
より黒っぽい紫褐色の花
黄緑色の花
シマササバランの葉
シマササバランの蕾
シマササバランの種子
種子

花は下から上に向かって順番に咲いていきます。広披針形をした葉の表面には光沢があり、厚みがあります。葉の縁は波打つ個体と、波打たない個体がいます。

花茎全体が赤紫色
花茎の下部が黄緑色で上部が赤紫色
7月2日(伊豆諸島)