避難小屋を使う上でいつも不安に思う事があります。それは避難小屋の宿泊者の数が定員人数を超えた後に、小屋に到着してしまった場合、どうすれば良いかと言う事です。譲り合いが基本ですが、それでも満員だった場合を考えてテントを持っていく山域もあれば、1つのグループが占領して使えないトラブルも存在します。
また避難小屋を使う上で宿泊が禁止されている場所もあれば、管理人がいる避難小屋、窓が1つもない本当の緊急避難用の極狭小屋、心霊スポットになっている避難小屋など小屋によって特色が様々です。その山域にある、その避難小屋の使われ方がネットに記載されているとは限りません。

避難小屋の利用タイプ

避難小屋には、次のようなタイプ分けができます。
①有人で普通の山小屋と変わらず宿泊が可能。(食事提供なしだったりする)
②無人で宿泊が可能。外でテント設営可能。
③無人で宿泊が可能。外でテント設営不可能。(実態はテント泊もいる)
④緊急避難の時のみ宿泊が可能。(実態は登山計画に避難小屋での宿泊が盛り込まれている)
⑤一時的な休憩のみ可能。(実態は宿泊している登山者がいる)
⑥宴会やパーティーで1つのグループに占拠されがちで利用を前提しない方が良い。(例:藤原山荘)
谷川岳:茂倉岳避難小屋
無人で宿泊可能(テント禁止)

定員人数より宿泊者が多かったらどうする?

日帰り登山が難しい山だったり、縦走登山をするために避難小屋の利用を避けて通れない事があります。そんな時は必ず計画段階で避難小屋をネットで調べます。
登山日が土日の紅葉シーズンやゴールデンウィークだったりすると、避難小屋が定員オーバーにならないか心配になりますが、なかなかネットにはそこら辺の情報が載っていません。多少の定員オーバーなら詰めてもらえますが、避難小屋への到着が遅くなる場合、泊まれるか不安になってしまいます。
避難小屋の外でのテント泊が禁止されている場合だったり、近くに営業小屋や他の避難小屋がなかったり、そこも満員だった場合、どうするのでしょうか。
谷川岳:一ノ倉岳避難小屋
緊急避難用(テント禁止)
営業小屋の場合は宿泊者が多ければ、全員泊まれるように詰めたり、そもそも予約者のみ宿泊可能だったりします。しかし避難小屋はスタッフはいないので予約できないし、詰め方も宿泊者によりけりです。
宮之浦岳:新高塚小屋(避難小屋)
無人で宿泊可能(テント可能)
テント可能の避難小屋の場合、避難小屋が一杯の場合はテント持参してる人が小屋泊からテント泊になる事もあります。主に団体ツアーのガイドがテント泊してツアー客が小屋泊になるケースです。
那須岳:峰ノ茶屋跡避難小屋
宿泊禁止(テント禁止)
大日小屋のように宿泊可能の避難小屋でも荒廃し過ぎて今では宿泊できるような環境でない小屋もあります。
金峰山:大日小屋(避難小屋)
宿泊可能(テント可能)

避難小屋占拠事例

12月の寒い日の日中、藤原山荘では1つのグループにより鍋パーティーが開催され、他の登山者が利用できないことがありました。この際、クリスマスの飾り付けの為に壁に穴を開けていたり、パイ投げで小屋を散らかしたり、小屋を利用できずに断念した登山者から色々な目撃情報が出ていました。