登山をする上で何度もお世話になるのが山小屋であり、コンビニもスーパーも何もない山という不便な場所で提供される山小屋飯はとてもありがたいものです。

高級ホテルのような食事とはいかなくても、山小屋によっては食事に力をいれた場所もあります。

独断と偏見で実際に食べた事ある山小屋だけで美味しかった山小屋の夕食についてランキングします。朝食は朝早くからの提供で凝った料理を出す事が出来ない山小屋が多いためランキングの対象外です。

双六小屋

小屋, 北アルプス
夕食
山小屋に共通して多いのが、お米がなぜか不味い事です。標高が高いため、圧力と火力が足りないのか、それとも米が古く安いのか。双六小屋はその心配はありませんでした。また「てんぷら」が出されるだけでも凄いのに、ボリュームがあり、お味も絶品でした。そうめんは普段食べるものと変わりないですが、山でそうめんをちょこっと用意する苦労を考えると、そうめんも食べれるのは嬉しいと思います。
この食事のために、双六岳のルートをまた通る時は、ここに宿泊したいと思える食事でした。連泊する人は違うメニューが出ます。マイナスな意見は何もありません。

水晶小屋

小屋, 北アルプス
夕食
山小屋の定番メニューと言ったら、カレーとハンバーグが思い浮かぶと思います。しかし水晶小屋のカレーは他の山小屋とは違います。一目見ただけで分かる具材の大きさです。お肉は食べ応えあり、野菜は柔らかくて素材の味が分かります。そしてお米も不味くありません。
カレーはお代わり自由です。山小屋のカレーの中で1位の美味しさでした。マイナスな意見は何もありません。

村営白馬岳頂上宿舎

小屋, 北アルプス
夕食
3種類のケーキ
バイキング形式の夕食です。どの料理も美味しいですが、特に美味しいのは塩カルビ、生ハムチーズコロッケ、そして3種類のプチケーキでした。デザートが夕飯にある山小屋は珍しく、更に食べ放題なのは嬉しいです。塩カルビは柔らかく、脂身もあり、疲れた時に食べたい一品です。和食と洋食両方の料理があります。
マイナスな意見は何もありません。お米も不味くありません。今回のランキングとは無関係の朝食ですが、こちらもバイキングになっています。朝は白米のご飯の他に、紫米を使ったお稲荷さんが食べられます。

赤岳天望荘

小屋, 北アルプス
バイキング夕食
コロナ禍の夕食
バイキング形式の夕食です。ご飯は白米でなく炊き込みご飯なのはポイント高いです。そして全て食べ放題の中で、豚と大根の角煮が絶品でした。
マイナスな意見は何もありません。ランキング対象外の朝食ですが、赤岳天望荘の朝食はバイキングです。夕食と異なりウィンナーなど冷凍食品も登場しますが、冷凍食品のミートボールが山ではとっても美味しく感じられました。小屋はお風呂付です。
コロナ禍ではバイキング形式は中止になりました。それでも美味しさは健在、もしくはパワーアップしており、タラの芽の天ぷらはサクサクしていました。山小屋定番の味噌汁ではなく、お替り自由のミネストローネは酸味と豚肉が食欲をそそります。

尾瀬小屋

小屋, 尾瀬
夕食
夕食はてんぷらがメインで、サクサクが残りとっても美味しいです。お米も不味くありません。それ以外の和食も家庭の味と変わりません。山の中では野菜は高級食材になりますが、野菜がメインの食事でした。
マイナスな意見は特にありません。ランキングに関係ありませんが、尾瀬に幾つもある山小屋の中で、食物アレルギー対応が可能かもしれません(要確認)。小屋はお風呂付です。

涸沢小屋

小屋, 北アルプス
夕食
涸沢ヒュッテの側にあるので、そちらと比較してしまいますが、涸沢小屋のおかずは温かいです。豚ロースステーキが出るだけでも嬉しいのに味付けも程よく美味しいです。
マイナスな意見としては、お肉に脂身が少なく硬めだった所です。おろし玉ねぎソースで上手くカバーしてますが、冷めてしまったらもっと硬くなってしまうと思います。日替わりメニューになっているので、連泊しても大丈夫です。

槍ヶ岳山荘

小屋, 北アルプス
夕食
夕食(中華)
お米の種類にこだわりがある槍ヶ岳山荘です。お米は不味くありませんが、特別美味しいかと聞かれたらそうでもないと思います。かけ放題のワサビふりかけで、食べ放題のお米を何杯でもいけると思います。
ハンバーグも普通に美味しく、チョコ風味のもちもちした小さなデザートが添えられており、これがとっても美味しくポイントが高いです。
全体的に美味しいですが、飛びぬけた何かや特徴がある訳でもないので、ランキングとしてはこの位置です。
コロナ禍ではハンバーグ夕食ではなく、中華料理の夕食に変更になりました。エビチリや春巻き、シュウマイなど油ものが多いため、子供とお年寄りで賛否が分かれそうです。

竜宮小屋

小屋, 尾瀬
夕食
夕食はハンバーグ、魚、野菜とバランスが良いメニューになっており、味はどれも美味しいです。街中の定食屋と同じ美味しさを山でも食べれました。
尾瀬にある山小屋の中では立地が良いため、相部屋がありません。中田代(尾瀬ヶ原)がすぐ側にあり、尾瀬のパンフレットに載っている写真は、そこから撮影されたものです。小屋はお風呂付です。

涸沢ヒュッテ

小屋, 北アルプス
夕食
涸沢小屋の側にあるので、そちらと比較してしまいますが、ご飯と味噌汁以外は全て冷たいです。涸沢小屋と違って収容人数が大きいのでしょうがないと言えばしょうがないです。味は美味しいですが、塩分と糖分が強いです。登山で失った塩分と糖分を補うためかもしれませんが、ちょっと濃過ぎました。
ボリュームもあり美味しいので、味が薄めでおかずが温かかったら、もっとランキングは上です。
食事は時間制でなく食べ終わったら、食事の順番を待っている人に随時交代するためか回転は速いです。そのためスタッフが忙しいせいか愛想が悪いみたいな意見をネットで見かけ、実際もそんな感じでしたが、あまり気になりませんでした。食後ゆっくり出来ない分、食事を待つ時間も少ないので一長一短です。

鏡平山荘

小屋, 北アルプス
夕食
お弁当に入っていそうな揚げ物やシュウマイ、春巻きがメインの料理です。冷凍食品だと思いますが、山での冷凍食品は安定したハズレなしの美味しさだと思います。ただし、美味しい手料理を提供する山小屋には圧倒的に敵いません。そうめんが付いてくるのは嬉しいです。
マイナスな意見としては、夕食の中で一番の手料理感が出ているのが味噌汁だと思います。おかずにもうちょっと手を入れてくれたら嬉しいと思う、私のわがままです。冷凍食品は美味しいんですけれど、その小屋料理の個性がレンチンになってしまいます。

剣山荘

小屋, 北アルプス
夕食
メインのおかずがない代わりに様々なおかずがあり、どれも美味しい夕食です。メンチカツ、シュウマイ、魚の唐揚げ、鯖の塩焼き、マッシュポテト、スパゲティー等それぞれ量は少ないけれど品数は多かったです。きゅうりの漬物は汁が他の料理にくっ付かないように別の容器に入っています。お米は気にならないけれど、ちょっと劣った味でした。
朝ごはんをお弁当にすると、鮭やウィンナー、煮物等がごま塩ご飯と一緒にお弁当容器に入っており、ちゃんとしたお弁当を用意してもらえます。小屋はシャワー付です。

燕山荘

小屋, 北アルプス
夕食
チーズインハンバーグが美味しい夕飯です。ただのハンバーグではなく、チーズインはポイント高いです。それ以外はと聞かれると、特になしの普通と言うのが素直な感想です。
泊って良かった山小屋ランキングで2016年1位になった燕山荘です。余談ですが私が宿泊した時は、隣の夫婦そろって夜のいびき大合唱だったので、私の中では山小屋ランキング1位の思い出にはなりませんでした。
2016年に1位になったのは、ぶっちゃけ、宿泊者数が他の山小屋より多く投票数が入りやすい。かつ初めて山小屋に宿泊する初心者も多そうで、特別な思い出になりやすいからだと勝手に思っています。あと山小屋が素晴らしいと言うよりは、燕岳が絶景で票が入ってそう。

常念小屋

小屋, 北アルプス
夕食
美味しいけれど、特徴は特になかった夕食です。こんにゃくゼリーが印象的でした。お米も不味い印象なかったけれど、多くの山小屋の夕食の中では、存在が埋もれてしまうかもしれません。
ちなみに朝食はテント泊者よりも宿泊者優先で席につけます。並ぶ列が違うので、テント泊の人はどんなに早く並んでも一巡目に食べれない事もあるかもしれません。

剱御前小舎

小屋, 北アルプス
夕食
豚の生姜焼きではなく、豚焼きがメインの夕食です。甘じょっぱくて美味しいです。味噌汁は越中みそを使っており、麹の味がして美味しかったです。豆腐が出て来るのが印象的でした。お米は美味しい方になります。欲を言えば、豚肉の量をもう少し増やしてもらえれば、文句なしでした。
夕食と朝食の時間は小屋に早く着いた人から選べます。寝床も早い者勝ちです。水は雨水となり、沸騰推奨です。

蝶ヶ岳ヒュッテ

小屋, 北アルプス
夕食
アレルギー対応食
自家製の味噌を使用した味噌汁がとっても美味しい夕食です。味噌は発酵して酸味があります。1杯目よりも、2杯目の方が熱々でより美味しく感じました。シイタケや野菜が具材として入っています。お米は普通です。どのおかずも美味しいです。それ故に、おかずが少ないのが残念で、人によっては食べた気がしないかもしれません。
ランキングに関係ありませんが、食物アレルギー対応が可能です。他の山小屋よりも積極的に対応していただけます。

弥四郎小屋

小屋, 尾瀬
夕食
ハンバーグは合いびき肉の和風でした。杏仁豆腐や酸味の効いた茄子の揚げびたし、山クラゲ等どれも美味しかったです。トマトやキャベツといった生野菜も問題ありません。フライドポテトは普通でした。残念だったのはお米がどちらかと言うと不味かったのと、味噌汁の具材が薄くてなのに硬い大根数切れのみでした。
朝食を小屋で食べずにお弁当(おにぎり)にすると、手書きのメッセージカードが頂け、ホスピタリティを感じます。小屋はお風呂付です。

尾瀬沼ヒュッテ

小屋, 尾瀬
夕食
色んな料理が食べれて嬉しい夕食です。てんぷらがとっても美味しいです。ただハンバーグは不味くありませんが、美味しくもありません。手の込んでいない冷凍食品を思わせる薄いひき肉でした。薩摩揚げ、焼き魚もそこまで食が進むものではありません。お吸い物はセルフですが、ニンジンとダイコンが多めに入っており、野菜を多く摂取できるのはありがたいです。お米も不味くありません。バランスの良いメニューでした。
ランキングに無関係ですが、尾瀬に幾つもある山小屋の中で、食物アレルギー対応が可能です(要確認)。歯ブラシやタオルなどのアメニティーがお部屋についていたり、山小屋の中では、レベルが高いおもてなしだと思います。それだけに、薩摩揚げと小さな焼き魚がメインで、夕食はがっかりポイントが目立ってしまう気がします。小屋はお風呂付です。

五竜山荘

小屋, 北アルプス
夕食
スコッチエッグがとっても美味しく、お代わり出来たら何個も食べたくなります。またカレーもスパイシーで美味しいです。ただ残念なのが、どちらかと言うとお米が不味い方に分類されてしまう味でした。美味しいカレーにはお米が大切だと思うので、お米も美味しかったら文句なしです。また激しい運動をした後は、カレーに具があると嬉しいです。
朝ごはんのお米はどの山小屋も前日の夕飯の残りだと思います。そうなると朝のお米は前日の夕飯の時より美味しくなくなるのですが、五竜山荘の朝ごはんのお米は確実に美味しくありませんでした。今回は朝ごはんの感想はランキングに影響してません。

蛭ヶ岳山荘

小屋, 丹沢
夕食
カレールー以外は食べ放題ですが、カレールー等はレトルトで、食べ放題のパインは缶詰めです。パインも食べ放題なのは嬉しいし、美味しいけれど、手作り感は皆無の料理なので山小屋まで来て食べたいかと言われたらちょっと疑問かもしれません。失敗のない夕飯でした。
ここのカレーは蛭カレーと呼ばれており、カレー目当てのリピーターは、自分でトッピングを持参する人が一定数います。

鳳凰小屋

小屋, 南アルプス
夕食
スパイスが強めのカレーは美味しく、ご飯も不味くありませんでした。カレーの隠し味にチョコレートが入っているそうです。残念な点は、スープがお替りできないことと、カレーの具材がほとんどジャガイモで、少しコーンが入っているだけでした。ニンジンは運が良ければ見つかります。貧しかった昭和の、肉がなくてジャガイモだらけのカレーを連想した人もいました。お肉などの食べ応えのあるタンパク質が欲しいと思ってしまいました。カレーを食べ終わった皿を洗うのに使った水はそのまま川に流れていく方式のためか、ラードを使用していないです。足りないコクはスパイスでカバーしています。ラードを使わないのは環境を配慮してのように思います。
ランキングに関係ない朝食では大豆肉が出されるので、それをカレーに入れるだけで満足度は大きく変わると思いました。五竜山荘は具なしカレーの代わりに、タンパク質の塊であるスコッチエッグがカレーに添えられています。

北岳山荘

小屋, 南アルプス
夕食
味噌煮のお魚が脂がのって美味しかったです。ただ、お魚を食べ終わってしまうとお皿が寂しく感じてしまうかもしれません。もうちょっとおかずが豪華になってくれたら嬉しいですが、魚はとっても美味しいです。

笠ヶ岳山荘

小屋, 北アルプス
夕食
不味くはないけれど、これといってとっても美味しかった記憶もなかったです。魚は脂がのってなかったし、唐揚げみたいのはジューシーというわけでもなかったです。

白馬山荘

小屋, 北アルプス
夕食
デミグラスソースがかかったハンバーグは、味は美味しいけれど、割り箸が折れそうなほど硬いです。フォークが欲しいほど硬いけれど、食べ応えがあります。硬さから、ハンバーグは手作りではないと推測します。ご飯も豚汁も美味しかったのに、評価はかなり低いです。その理由は明解です。
フライドポテトとニンジン、ブロッコリーが自然解凍しただけで、食べられたものではありませんでした。非常に冷たく、冷凍したものを焼いていないため、温めてもいないため、ニンジンとブロッコリーは「す」が入ったままです。冷蔵庫の奥で忘れられていたかのような、ふにゃふにゃした腐った食感でした。冷え冷えのボソボソして硬いフライドポテトは塩味も感じられず同様に死んでいました。サイドメニューを茹でる、焼く、またはレンチンしていれば、評価はもっと高かっただけに残念です。
また、食材切れにより品目が少なくなることがあり、本来はここに「玉ねぎリング揚げ」が追加であります。翌日の朝食は「納豆」が品切れでした。他の料理で代替することはありません。言い換えると、連泊する客がいないため、客に提供するメニューは毎日同じになるため、スタッフとは別メニューになります。そう考えると、手作りでもないので味見もなし、サイドメニューが不味いという認識がないまま出し続けている事実に納得です。

唐松岳頂上山荘

小屋, 北アルプス
夕食
不動のワースト1位を記録し続けそうな程、全てが美味しくなかった唐松岳頂上山荘の食事です。
カレーは薄めたお味で、お米は食べられない味、コーンスープは市販のインスタントに不味いお米のデンプンを追加したようなお味です。山という不便な環境の中で食事を頂けるのはとてもありがたい事ですが、ここだけ飛び抜けて不味かったです。
夕食とは別におやつの時間に注文したフローズンチーズケーキは、手作りではなく下界で作られているものだと思うのですが、なぜか美味しくありませんでした。不思議です。(高山病とかで味覚が変になっているわけではないです。)