登山するなら晴天の中、景色も遠くまで見れて気持ち良く山を楽しみたいものです。
けれど現実は、雨だったり、雷だったり、台風だったり、そんな荒天での登山を経験してしまう事もあります。天気予報で事前に分かる事もあれば、天気予報に裏切られる事もありました。
街中では雨でも山の中ではとんでもない事になって、命の危険を感じる事もあったので、体験談を紹介していきます。

天気における登山の危機管理

登山者の方々は、どんな天気だったら登山しますか?曇り・雨・豪雨・雷・台風、色々あります。
私は近場の山だったらいつでもいけるので、雨の時点で行きません。展望が目的だったら曇りでも行く気がなくなります。
しかし遠くの山になるとどうでしょうか?前泊必須のためにホテルを予約してたり、夜行バスや飛行機の手配なんか必要な場所もあります。そういうのってキャンセル料金が発生しますし、天気も直前に変わってしまう事もあります。
登山を始めた頃の私はキャンセル料を惜しんで、台風だろうと登山しに行ってました。その結果、散々な目に遭い、なぜか雲一つない絶景にも遭い、最終的には雨だったら無念のキャンセルを選ぶようになりました。登山から街中観光に振り替えられるなら、その方向も考えます。
前泊のビジネスホテル
夜行バス
飛行機
登山ツアーだとよほどのことがない限り催行するので、天気が最悪だと辛いですよね。バスと山小屋がセットになった個人プランセットとかありますが、バスと山小屋を別々でお金払うより値段がお安い分、キャンセルする場合は山小屋の代金にもキャンセル料発生で怖いです。山小屋って当日でもキャンセル料発生しないし、予約が不要な所が多い。

雨の沢沿いルートの恐怖

普段は安全で、山の緑と沢の音で癒してくれる沢沿いの登山道ですが、雨が降れば自然の恐怖がむき出しになります。「下界が雨なら、山では大雨」と言う言葉を何回も聞いた事がりますが、本当にその通りです。登山道は川になり、どれが道でどれが川か分からなくなります。渡渉(川を渡る事)も普段より危険度が高くなり、本来は靴を濡らさずに渡れた沢も、足首より上まで浸かってしまい、水の流れも強いので流されそうな恐怖です。
私はいつもストックを使いませんが、いつも持ち歩いてます。ケガや疲労で歩けない場合、ストックがあるだけで歩けますし、増水した沢に遭遇した時、ストックがあるだけでより安全に渡渉できます。(そんな時は渡渉しないのが一番ですけれども。)
昨夜のただの雨でも山は変貌します。
一人で渡渉するには怖い場所です。
笠ヶ岳のクリヤ谷ルートなど渡渉するルートによっては、雨による増水で渡渉が完全に不可能になる場所もあります。

豪雨・雷の恐怖

晴れの天気予報だったのに雨と雷になったり、晴れの天気予報が直前になって雨に変わってしまい、キャンセル料もったいなさで強行したら豪雨と雷になったとかあります。後日、近くの山で登山者が雷に打たれたり、近くのルートで川に流されたりしてお亡くなりになるのを知ったりします。
私は登山する日が1日早くて助かったのですが、「翌日は豪雨だからトレッキングツアーは中止だね。」ってガイド達が話しているのをバスで耳にしてたら、翌日50年ぶりの豪雨で登山に行ったツアー客が数百人孤立して自衛隊派遣される出来事になりました。その山は花崗岩でできており、雨が降ったら、降った分だけ土に吸収されず川が増水する場所でした。
雷が鳴る中、登山道は川になっています。
翌日鉄砲水のような滝に変貌しました。

台風の恐怖

台風の恐怖は直撃する時だけではないですね。その前後も結構怖かったりしました。一番怖いのが林道が封鎖されて帰れなくなる事でした。
実際に帰れなくなった事はないのですが、台風接近で林道閉鎖が決定され、翌日の午前11時までに下山してくださいって山小屋で言われた事があります。普段より早起きして下山し、無事に帰宅できました。
他に台風じゃなくても「雨で前日林道が閉鎖されて上高地に入れないし出られなかったよ。」って聞いた事あります。簡単に帰宅困難になってしまうんですね。
台風通過した後の強風
台風接近で強制下山
台風接近で強風