ムカゴソウ

ムカゴソウとは、やや湿った明るい草地に生えるラン科の多年草です。他の植物に紛れていることが多く、花を含め全草が緑色で、細長いため存在に気が付きにくいです。北海道から沖縄まで幅広く自生していますが、自生地では群生しません。

草丈は40cm程まで伸び、広線形の葉を3~5枚互生します。淡緑色の花は総状花序になっており、1つ1つの花の横の長さは3mm程です。縦の長さ8mm程の唇弁は3裂した側裂片です。真ん中の裂片だけはとても短いため、2裂のように見えます。側花弁は萼片より僅かに短く線状披針形です。萼片は長楕円形です。

塊根が球状に肥厚するため、塊根をむかごに見立てたのが名前の由来です。

基本情報

和名:漢字
零余子草
学名
Herminium lanceum (Thunb. ex Sw.) Vuijk
Herminium angustifolium (Lindl.) Benth
分類:目
キジカクシ目 Asparagales
分類:科
ラン科 Orchidaceae
分類:属
ムカゴソウ属 Herminium
分類:種
ムカゴソウ H. lanceum, H. angustifolium
花期
3~8月(地域によって大きく異なる)
赤リスト
環境省カテゴリ:絶滅危惧IB類(EN)
東京都(本土):絶滅(EX)
神奈川県:絶滅危惧IA類(CR)
分布
北海道(南部), 本州, 四国, 九州, 沖縄
分布地
箱根仙石原, 富士山麓, 伊豆諸島
その他

詳細情報

多くの都道府県で絶滅危惧種に指定されていますが、目立たない植物であるため、自生する個体数は把握しきれていません。

7月3日(伊豆諸島)
ムカゴソウの花
花の唇弁は3裂しているのが分かる。

無数に付ける花は規則正しい列や段になって配置されていません。下から上に向かって順に開花していきます。

下部の葉ほど長く、10~15cmあります。