ベニシュスラン
ベニシュスランとは、高さが10cmも満たない小型のラン科植物で、淡紅色をした長い筒状の花を咲かせます。シュスラン属の中で花が一番大きい種で、花の長さは3cm程です。しかし山の中では目立たない植物のため見つけにくいです。
種小名の「biflora」 は「1対の花もつ」という意味で、1つの個体に花を2つ持ちますが、1個や3個の花を持つこともあります。
夏の僅かな時期にだけ咲かせる花には毛があり、先端部が反曲するように開きますが、大きく平開することはありません。

基本情報

和名:漢字
紅繻子蘭
学名
Goodyera biflora (Lindl.) Hook.f.
分類:目
キジカクシ目 Asparagales
分類:科
ラン科 Orchidaceae
分類:属
シュスラン属 Goodyera
分類:種
ベニシュスラン G. biflora
花期
7~8月
赤リスト
環境省カテゴリ:なし。35の都道府県で絶滅危惧種として認定。
神奈川県:絶滅危惧IB類(EN)
分布
東北~九州
分布地
丹沢
その他

詳細情報

ベニシュスランの模様が濃い葉
3月5日
ベニシュスランの葉
葉に模様なし(西丹沢)
ベニシュスランの葉
4月30日(東丹沢)
ベニシュスランは個体によって葉の模様が異なります。葉の縁が波打っている個体もいれば、波打っていない個体もいます。花が咲いていない時は、似たような葉を持つ別の植物が存在しているため、見分けるのが難しいです。そんな時は、花茎の色が赤茶色であればベニシュスランだと分かります。
丹沢に自生するベニシュスラン
7月24日(東丹沢)
ベニシュスラン
葉の形は卵形から長卵形です。
常緑樹林の下に生える事が多く、登山道の近くに自生していることがあります。普通の歩行スピードでは見逃してしまう程、目立ちません。乾燥せず、日光が強くない場所を好んで自生地にしています。
ベニシュスランの花
大きく反曲して開花しています。
ベニシュスランの花
白とピンクのグラデーションが可愛らしい花
ベニシュスランの結実
開花してから1か月後の結実した姿です。
ベニシュスランの種子を放出した蒴果
種子を放出した蒴果
ベニシュスランの花と葉
花と葉