ウチョウラン

ウチョウランとは、日本の北海道と沖縄を除くほぼ全国に生息するラン科植物です。山地の岩壁や稜線上の急斜面などに自生しており、昔の園芸ブームだった時に山野草として人気が高く、盗掘被害によって数が激減しました。現在ではほとんどの都府県で絶滅危惧種になっています。

紫色の花と長い距が特徴的で、唇弁の末端は白く、紫色のまだら模様があります。草丈は大きくて20cm程あり、真っすぐ伸びます。細長い葉っぱがあります。球根性の多年草で、冬は球根のみの姿で過ごします。

園芸的な品種改良と技術的に多量生産が可能になったことから、多くの園芸品種や変種が存在しています。また鹿児島県の薩摩に分布するサツマチドリや千葉県の安房に分布するアワチドリなど地域変異によるウチョウランの変種が幾つも存在します。

基本情報

和名:漢字
羽蝶蘭
学名
Ponerorchis graminifolia Rchb.f.
分類:目
キジカクシ目 Asparagales
分類:科
ラン科 Orchidaceae
分類:属
ウチョウラン属 Ponerorchis
分類:種
ウチョウラン P. graminifolia
花期
6~7月
赤リスト
環境省カテゴリ:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
東京都:絶滅危惧IA類(CR)
神奈川県:絶滅危惧IA類(CR)
分布
北海道, 本州, 四国, 九州
分布地
丹沢, 三ッ峠山, 御在所岳
その他

詳細情報

ウチョウランの花
神奈川県の丹沢山塊にはウチョウランの自生地があります。かつての盗掘を免れた野生個体ですが、稜線や岩場に数える程しか見かけず、月日が経過しても元の数には戻りません。
三ッ峠山では保護活動の対象です。
終盤の7月10日(丹沢)

栽培方法

夏の直射日光を避け、水はけの良い土を使うことで比較的栽培しやすい植物です。水やりは越冬の時期はほとんど不要で、芽が出る春先は、芽が出るまで1日1回、成長期は土が乾いたら水をあげます。
鉢植え栽培も可能で、かつてのブームの影響によりネットで手ごろな値段で鉢植えを購入することができます。