コバイケイソウ
コバイケイソウとは、花が梅に、葉がケイラン(蕙蘭)に似ていることが名前の由来になっている日本固有種の植物です。主に標高の高い地域に生息し、群落を形成しています。全草にアルカロイド系の毒成分を持っており、食害は少ないです。
穂先に白い花を無数に咲かせ、開花してから日が浅い花は純白な色をしています。数年に一度しか咲かないため、当たり年と外れ年があります。数えられない程密集した花は白い絨毯のようになり、初夏を感じさせます。
北アルプスにある双六岳はコバイケイソウを理由に、花の百名山に選ばれており、周辺は群生地として有名な場所になっています。
近縁種にバイケイソウがあり、こちらも白い花を咲かせる有毒植物です。

基本情報

和名:漢字
小梅蕙草
学名
Veratrum stamineum Maxim.
分類:目
ユリ目 Liliales
分類:科
シュロソウ科 Melanthiaceae
分類:属
シュロソウ属 Veratrum
分類:種
コバイケイソウ V. stamineum
花期
高山帯:7~8月
その他:6月
分布
北海道、中部地方の高山
分布地
双六岳、乗鞍岳、白馬岳、空木岳、木曽駒ヶ岳、霧ヶ峰、尾瀬
その他

詳細情報

鷲羽岳
三俣蓮華岳(巻道コース)
花序の中心1本の花序枝に両性花がつきます。それ以外の下部の枝は全て雄花がつきます。
コバイケイソウの群生地です。温暖化によって鹿の生息域の標高が上がっても、有毒植物なので食べられることはあまりありません。鹿によっては毒耐性を徐々に獲得し、食べることができる個体もいるようです。
双六岳
背丈は1mほどになります。
若芽はギョウジャニンニクと間違えやすく、誤食する事例があります。嘔吐、下痢、痙攣などの症状が現れ、最悪は死に至ります。
コバイケイソウの蕾
開花する前の蕾
8月3日
遠くに見える山は槍ヶ岳

バイケイソウ

近縁種のコバイケイソウとの違いは、より低山帯に自生しており、花の形やシルエットが大きく異なります。名前の由来はコバイケイソウと同じで、花が梅に、葉がケイラン(蕙蘭)に似ているからです。
見た目は似ていません。
さく果(種子を散布する果実)
他の近縁種として、コシジバイケイソウやミカワバイケイソウなどがあります。