今回は丹沢で未踏だった加入道山へ行きます。最初は西丹沢ビジターセンターからピストンで行く予定でした。理由としては帰りのバスは17:05発に乗りたいからです。次のバスは最終で2時間後になります。
歩いた事のない場所へ行く事に重きを置いており、今の時期はオオバイケイソウは咲き終わり、トリカブトはまだ咲いていない認識です。(実際はトリカブトは一部咲いていました。)
新松田駅からバスで西丹沢ビジターセンターへ行きます。夏のこの時期、登山者は北アルプスなどの高所へ出かけるせいか、満員にはなりませんでした。
西丹沢ビジターセンターではコロナの緊急事態宣言解除後の遭難事故の多さから、タルチョ(ヒマラヤの安全登山祈願旗)を掲げていましたが、3週間無事故だったようで、タルチョが撤去されてました。
キャンプ場を通過して用木沢出合へ向かいます。夏休み期間だけあって、キャンプ場は満員御礼で数百人程のキャンプ客を下山時に見かける事となります。
対して、山で出会った登山者は合計10人くらいです。今の時期に加入道山や大室山へあえて行く理由って何だろう。
沢は変わらず綺麗で、青く澄んでいます。今回の加入道山へのルートは渡渉を繰り返します。ほとんどの木橋が流されて移動しており、機能してません。
用木沢出合です。ここから右へ行けば大室山、左へ行けば加入道山です。
ゲートの右脇を通過します。ここら辺の西丹沢はヤマビルはいないと思いますが、生息域が広がっていたり、加入道山の北側(道志村)には生息していたような気がするので、スキンベープを靴に吹きかけ、落ち葉の中をなるべく歩かないようにします。結果としては、ヤマビルは見かけず、出血もありませんでした。
ここが登山地図に記載されている林道終点ですかね。右へ向かいます。
キノコが沢山生えてました。白石峠までは、木橋が流されているためか、道が分かりにくい箇所がありました。
不法投棄されたバイクでしょうか。ナンバープレートがないものもあります。ここに捨てに来るメリットは分からないので、謎は迷宮入りです。
1つ目の木橋は持ちこたえてくれています。おかげで、簡単に渡れます。
2つ目の木橋は自分で渡渉できる場所を探しました。晴れており、今日から梅雨明けですが、水量は増えてました。
3つ目の木橋は大丈夫です。トランポリンみたいに木橋がバウンドします。川底まで高さや水深があるので、落ちたくはないですね。
4つ目の木橋は役に立ちません。流れが強かったり、岩が滑ったりするので、手こずります。用木沢出合から大室山へ行くより難易度は高いです。
タニタデ
登山道を進んでいくと道に置かれたリュックが4つ。沢登りでもしているのでしょうか。見かける事はありませんでした。
5つ目の木橋も役に立ちません。ここが最後の大きな渡渉です。渡渉したら標高を上げていきます。山道で菓子パンの朝食を立ったまま摂りました。ベンチが全く見つかりません。地面に座りたいけれど、地べたにヤマビルがもしいたら、怖い。
白石滝(大理石の滝)に到着しました。このあたりで大理石が取れていた事が名前の由来であり、白石峠では多くの大理石が土の中に埋まっており地表に顔を出していました。
生い茂った葉のせいで、白石滝(大理石の滝)の姿は少ししか見えません。
西丹沢ビジターセンターから今までベンチがありませんでした。ここは初めてのベンチです。
今回唯一の水場です。平成29年の水質検査では用木沢出合で大腸菌が検出されているので、飲んで大丈夫か心配です。
ロープ場がありますが、急勾配の巻き道があるので、ロープを使わず通過できます。
白石峠への最後の登りはひたすら階段です。尾根に出たと思ったら、木道が折り返しており、尾根には出ません。そんな事の繰り返しをしながら標高を上げていきます。
腐生植物のツチアケビが花を咲かせていました。
綺麗な野生のツチアケビを見るのは初めてです。そういえば5月に犬越路から大室山に登った際、土から顔を出したばかりのツチアケビを見つけたのですが、どうなったのでしょうか。ピストン登山ではなく、大室山まで周回しようか迷います。
昼食を食べた後で大室山へ周回する事に決めたのですが、5月に大室山の方で見かけたツチアケビは、跡形もありませんでした。
今年は丹沢の大倉尾根の方では、ツチアケビが例年より多く咲いているそうです。
白石峠にやっと、やっと到着しました。長かったです。
ベンチがありますが、加入道山の山頂まではすぐなので、休憩はせず歩きます。
タマゴタケ
加入道山の山頂(標高1,418m)に到着しました。
小雨が降っていたので、加入道避難小屋の中で昼食です。
小屋の中は少しかび臭いです。登山地図を見直してみると、大室山へ周回して丹沢ビジターセンターへ下山しても最終バスには十分間に合いそうです。色々迷った挙句、大室山へ行き、ツチアケビを確認しに行く事にしました。
クマよけですが、叩く棒が折れて使えません。
後ろを振り返ると加入道山です。大室山への稜線歩きですが、まさかこの後藪漕ぎになるとは思ってもいませんでした。
木道が整備されており足が疲れやすいが歩きやすいです。
前大室(標高1,425m)を通過します。特に何もありません。
山梨県の道志村が見えています。バス停はあっても、バスの本数がなく登山地図から勝手に、民家がない林道のような印象を持っていました。
シモツケソウ(白)
シモツケソウ(ピンク)
バイケイソウの実
どれだけ木道を登っていくのでしょうか。今日は涼しい風が吹いていますが、梅雨も明け、本格的な夏場は耐えられない暑さと汗になると思います。
アザミのトゲトゲした葉っぱだらけで、藪漕ぎ状態なのです。葉っぱが足に当たる度に、長ズボンで肌をガードしていても痛いです。
マルバダケブキの蜜を探すアサギマダラ
ヤマトリカブト
まだ咲いていないと思っていたトリカブトが僅かに咲いていました。これから見頃の時期になると登山者が増えそうです。それ程の群落地です。
檜洞丸にあるような木道です。
手前が西丹沢ビジターセンター近くのキャンプ場で、一番奥が丹沢湖だと思います。下山が一苦労です。
西の肩に到着しました。ここから大室山までは徒歩数分です。ここで登山地図と時間を見直してみると、頑張れば17:05のバスに乗れそうです。急ぎながら下山して、終電より一本前のバスに乗れるように無理しない程度に頑張る計画にします。
とは言え、せっかく大室山の山頂手前まで来たので、大室山の山頂(標高1,587m)へ寄っていきます。
神奈川県と山梨県の境界線にあるため、山梨県の百名山になっています。
もし丹沢の北側からここまでヤマビルが分布域を広げたら、この藪笹では、なかなか防ぐのが難しそうです。「東のヒル、西のダニ」と言われる丹沢(北もヒル)で、大室山は西丹沢の領域ですが、ダニが沢山いる場所ではありません。もし世附周辺のようにダニだらけだったら、こんな場所はもう歩けない。
マツノハマンネングサ
丹沢って稜線にいても下界の救急車の音が良く聞ける場所が多いように思います。今まで意識していないけれど、時々聞こえます。今日も加入道山と大室山の間の稜線で聞こえてました。だけど下界まではすごく遠い。
犬越路避難小屋でトイレとおやつ休憩です。標準タイムより早く進めており、バスにはこのままのペースで下山すれば間に合いそうです。
犬越路から用木沢出合へ向かいます。加入道山から犬越路まで誰とも出会いません。
山の景色はこれが最後になり、ずっと森林の中の枯れた沢沿いをメインに歩いていきます。
北八ヶ岳のような苔の森... とまでは呼べませんが、苔もあります。食料に困ったら素揚げして食べてみてはどうでしょうか?海苔のようです。
崩落地はロープを使って通過します。
最後はいつも走る事が多い気がします。ずっとちんたら花を探しながら歩いてるため、余力は十分あります。
そういえば、今の時期は丹沢でイワタバコが咲いています。どこで咲いているかは知りませんでしたが、以前この登山道を通った時、イワタバコがいかにも咲きそうな環境がありました。イワタバコは見た事がないのですが、鎌倉の寺にある岩壁に咲くケイワタバコは見た事があります。多分同じような環境で咲く気がします。
水が凄く綺麗ですね。枯れた沢から、水量豊富な沢になったら用木沢出合まではもうすぐです。
イワタバコ
やっぱり、想像していた場所に咲いてました。個性的な花だとは思います。紫の濃淡が味わい深いです。
ここは大室山から最初で最後の木橋のない渡渉です。最近は膝まで水深があったようですが、今はなんとか靴が浸水せずに渡れます。しかし水量は普段よりも増えており、川幅が広くなってました。
用木沢出合から満員御礼のキャンプ場を通過して無事に丹沢ビジターセンターへ到着し、バスで帰りました。
日程表