扇沢

今回登山する山は剱岳と立山です。剱岳は一般登山道として難所になるカニのタテバイとカニのヨコバイがある別山尾根を通ります。滑落したら死亡案件です。立山は別山から最高峰の大汝山を通り雄山まで稜線を歩きます。剣山荘に2連泊する予定で宿泊予約をしてありますが、途中で計画変更し、剣山荘と剱御前小舎を1泊ずつになります。

まずは夜行バスで扇沢に到着しました。ここからバスやロープウェイ、ケーブルカー等を乗り継いで室堂を目指します。帰りも扇沢から高速バスに乗るため、事前に扇沢から室堂までの往復チケットを購入してあります。

関電トンネル電気バス

まず最初に乗るのが関電トンネル電気バスです。始発が7時半であり、夜行バスで到着してから2時間程待ちました。ちなみに事前購入したチケットは7時半のバスを指定してあります。当日チケットを購入する人も多いですが、人数制限によって当日チケットは8時以降のバスになってしまうこともあります。

黒部ダム

黒部ダムに到着しました。黒部湖の奥には日本二百名山になっている赤牛岳がそびえ立っていました。剱岳と立山は共に日本百名山に選ばれています。

剱岳や立山に登頂するのも、訪れるのもこれが初めてです。4年前から毎年、剱岳に登りたいと思いながら、天気が悪いため断念し続けてきました。今回は気温が暑すぎるため、午前中は晴れだけど、午後は雨や雷の予報になっています。行くべきか迷いましたが、午前中は晴れのため、早朝に剱岳や立山を登り、お昼には下山できるような計画にしました。初日は山頂へ向かわず、山小屋を目指すだけなので例外とします。

黒部ケーブルカー

黒部ダムから黒部ケーブルカーに乗り、黒部平から立山ロープウェイに乗ります。目の前に見える山が富士ノ折立や大汝山、雄山とのことです。剱岳と立山を別々に訪れることも考えましたが、ここまで来るまでの旅費が高いため、セットで登れば総合的に安くなる判断です。

立山トンネルトロリーバス

立山トンネルトロリーバスに乗車します。今回はツアーは参加せず、全て個人で計画と手配しており、同行者1名います。山小屋でヘルメットを借りると1人1000円かかります。ヘルメットは家から持参しています。

室堂

憧れていた室堂に到着しました。雷鳥が多く生息し、オコジョもいると聞いたので、野生動物に対するアンテナの感度を高くしたまま歩きます。今日の目的地である剣山荘まで、雷鳥平を通って目指します。

剱岳が一番左の背後に見えていましたが、どれがどの山なのか把握しておらず、立山の最高峰はどこにあるのか分かりませんでした。地形を把握できていないのは、初回の山あるあるなのか、登山地図をちゃんと見ていないだけなのか、どっちでしょうか。

テガタチドリ

テガタチドリが咲いていました。植栽かと疑ってしまうくらい密集してました。

チングルマの果穂と一緒に立山を眺めます。実はタテヤマチングルマを探しに来たのですが、あるらしい場所を含め、多くの場所で花は咲き終わり、果穂に変わっていました。花弁がある状態じゃないと普通のチングルマなのかタテヤマチングルマなのか判別できません。タテヤマチングルマを見る目的は果たせませんでした。

ミクリガ池

ミクリガ池に立ち寄ります。逆さ立山が水面に映ると良いのですが、早朝の無風の時じゃないと厳しそうです。室堂周辺での宿泊が必要になります。

立山の雄山

どれがどの山頂なのか分からないので、取り合えず山頂っぽい場所を撮影してます。3日目に立山を登ってようやく、ここが雄山だと理解しました。立山連峰の立山本峰と称す三連峯の1つであるため、標高3,003mある雄山は日本百高山にカウントされていません。三連峯の最高峰である大汝山は標高3,015mで、日本百高山20位です。

真砂岳

真砂岳です。標高は2,861mあり、三連峯ではないため日本百高山にカウントされ、日本で43番目に高い山頂となっています。

ヤマハハコ

ヤマハハコが咲いていました。私は登山初心者であると共に、駆け出しの花屋でもあり、山の景色や登頂だけでなく、高山植物探しも目的です。

ミドリガ池

ミドリガ池に着きました。目的地とは別の方角で、完全に寄り道ですが、初めての立山観光なので、あれもこれも見たい欲が強いです。

地獄谷

地獄谷が見えてきました。火山性ガスが噴出しており、立山が活火山だと初めて知りました。どんな植物が存在するのかという下調べしかして来ませんでした。奥に見える山が日本二百名山の奥大日岳です。

池塘を見つけてしまい、池塘萌えしてしまいました。立山を登る時、右奥に見える浄土山まで歩きたかったのですが、時間や体力、景色がガスってしまう関係で断念することになります。

雷鳥沢キャンプ場

雷鳥沢キャンプ場が見えてきました。テントを持ってくる余裕はありませんでした。年々増えてしまう荷物の中には、三脚や二台目のカメラ、ガスバーナー等で今回もかなり重くなってしまいました。また、ここではなく更に遠くの剱沢キャンプ場でテント泊をしないと翌日、剱岳に登れません。午後は雷雨予報もあります。翌日以降の昼食用にアルファ米やドリアなど食料を持って来ていますが、食べずじまいになります。山だと疲労で少食になりがちです。

剱御前小舎

稜線上に剱御前小舎が見えます。そして、今日はあそこを超えて剣山荘まで行かないといけないと認識し、重たい気分です。しかも明日は剱御前小舎に宿泊することになるなんて思ってもいませんでした。

イワイチョウ

イワイチョウ

クルマユリ

クルマユリ

ミヤマダイモンジソウ

ミヤマダイモンジソウ

雷鳥平から雷鳥坂を登っていきます。標高差は500mあります。

ミヤマリンドウ

ミヤマリンドウは1つの花茎に花が1~複数個咲きます。また葉は茎から離れて平開します。

タテヤマリンドウ

タテヤマリンドウは1つの花茎に花が1個だけ咲きます。葉は茎を抱くため平開しません。

立山では白いリンドウはタテヤマリンドウ、青いリンドウはミヤマリンドウであることがほとんどです。ただ、尾瀬に自生しているタテヤマリンドウは青い花です。花の色で種を見分けることはできません。

トウヤクリンドウ

トウヤクリンドウ

剱御前小舎

剱御前小舎に到着したら、長かった登りは終了します。あとは標高差300mを下るだけです。標高500mも登ったのに、悲しくなります。

剱御前小舎からは剣山荘へ直接向かう道と、剱澤小屋や剱沢キャンプ場を経由して剣山荘へ向かう道(剣沢経由ルート)があります。今日は直接向かう道を進みます。残雪がありますが、アイゼンは不要です。より優しいルートである剱澤小屋経由の道は、ここに戻って立山を縦走する時に使う予定です。色んな登山道を歩きたいのが本音です。

イワツメクサ

ミヤマアキノキリンソウ

イワギキョウです。チシマギキョウと違って毛がありません。

ヨツバシオガマ

ヨツバシオガマの結実した姿は、果実のような宝石のようなものが茎にくっ付いていました。

クモマグサ

チングルマの果穂

ミヤマタネツケバナ

短距離の雪渓が2ヶ所程残っていました。またガレ場もありました。

ハクサンフウロ

右下に剱澤小屋、そして左手には今までガスってて姿が見えなかった剱岳が出現してくれました。一般登山道の難易度を比較すると、剱岳は西穂高岳や前穂高岳、奥穂高岳、槍ヶ岳よりも難易度があると言われています。翌日登るのが楽しみです。

アオノツガザクラ

ハクサンボウフウ

剣山荘と剱岳

剣山荘が見えてきました。稜線上にない山小屋のため、水が豊富であり、温水シャワーが設置されています。感激です。

午後3時過ぎに剣山荘に到着しました。雨や雷が発生せず良かったです。ちなみに、夜間はひっきりなしに雷が発生して、窓の外が明るかったです。

蚕棚の下段が今夜の寝床になります。コロナ対策の名残なのか、ビニールカーテンで仕切られていました。夜間の消灯時間前に、同室の他の登山者が部屋の電気を消したのですが、その後戻ってきた同室の女性が、「勝手に消してんじゃねえよ。」とヤクザ口調の言葉を吐き捨てながら電気を点けていました。びっくりでした。

剱岳Tシャツ

剱岳Tシャツが売っており、同行者からプレゼントしてもらいました。同行者も買っていました。登山を始めた頃は半袖Tシャツばかり着用していましたが、今では日焼け防止のために長袖しか着ていません。山小屋Tシャツは長袖を販売していることは珍しいため、ずっと欲しいと思っていました。

ちなみに剱澤小屋でも剱岳Tシャツを売っていますが、ネット販売をしているため、全く欲しくありません。山小屋に訪れないと購入できないプレミアム感が大事です。ネット販売しているTシャツは、着用しているのを見かけても、山小屋があるその山に登ったのか判断できかねます。山でよく見かける燕山荘のTシャツを見かけても、ネット販売されてて、燕岳に登ったのか話の口実にしにくいです。燕山荘のTシャツは訪れたことがなく、もらいものだったりすることも聞きます。

同行者は同室の隣の寝床の人と仲良くなり、同じバンダナを買おうとしていましたので、プレゼントしました。あれもこれも欲しくなりますよね。昔は登山バッジを集めていましたが、ネットでも買えてしまうこともあり、収集を止めています。

剣山荘の夕食

夕食は2回目でした。すごく遅く到着した人用に3回目もありました。魚の唐揚げや鯖の塩焼き、メンチカツ、マッシュポテトなど、どれも美味しかったです。お米は不味くありませんでしたが、翌日宿泊した剱御前小舎の方がより美味しかった印象です。総合的に美味しかったです。

朝ごはんはお弁当を頼んでいます。剱御前小舎のお弁当はおにぎりですが、剣山荘のお弁当はおかずが多い本当のお弁当になります。明日は午後から天気が悪くなりそうなので、翌日は夜明け前から剱岳へ登り始めます。

くろゆりのコル

くろゆりのコルで夕陽を眺めようとしましたが、生憎の天気でした。山小屋では圏外でも、この稜線まで来ればインターネットが可能でした。