今日は宿泊している剱御前小舎から立山を縦走します。別山に登り、真砂岳、富士ノ折立、大汝山、雄山を順番に登頂します。浄土山も登る予定でしたが、時間切れで断念することになります。逆ルートの場合は夏の富士山のごとく大混雑することになります。帰りのバスまで時間がある場合は、黒部ダム観光をする予定です。
まずは剱御前小舎から徒歩7分の場所で日の出を待ちました。
薬師岳がモルゲンロートで赤く染まっていました。
槍ヶ岳とその奥に穂高連峰が見えました。
剱岳
剱御前小舎に戻って朝食です。昨日は山小屋で朝ごはんを食べられなかったので、良かったです。剱御前小舎で朝ごはんをお弁当にしてもらうと、おにぎりになってしまうと、山小屋に宿泊の電話をした時に言われました。
山小屋を出発します。剣山荘に宿泊する人のほとんどが剱岳に登る人ですが、この剱御前小舎に宿泊する人のほとんどが剱岳ではなく立山に登る人でした。剱岳に登った後で宿泊する人も少数だと思います。剣山荘に泊まった時に、周囲の人に話を聞くと、剣山荘に2連泊する人が多いように感じました。私も剣山荘に2連泊する予定でした。
朝早くから雲が沸き上がってきています。剱岳が隠れてしまわないか心配です。
昔々、立山が極楽浄土に例えられるのに対し、剱岳は針山地獄と呼ばれていました。剣のように鋭い岩峰が名前の由来になっている剱岳らしい表現です。
今日は扇沢から16時10分の高速バスに乗らないといけません。室堂から扇沢までは幾つもの乗り物を乗り継がないといけません。どれだけ混雑し、どれだけ各乗り物の乗車待ち時間が発生するか未知数です。予定としては室堂に13時半までに到着することにします。
標高2,874mある別山の南峰に到着しました。ここでザックを降ろし、徒歩7分の所にある別山の北峰に向かいます。
標高2,880mある別山の北峰に到着しましたが、ガスってしまい、剱岳も立山も見えなくなりました。時刻は朝7時前です。昨日の同時間帯では、そろそろ剱岳の山頂にたどり着く頃です。今日が剱岳の登山日だったら、山頂からの展望が皆無で絶望してたかもしれません。
南峰に戻ってくる頃には立山の姿は再び見えてきましたが、剱岳は見えませんでした。真砂岳へ向かいます。別山の北峰は日本百高山37位になります。
登山道はとても歩きやすく、危険もありませんでした。真砂岳の近くには内蔵助山荘がありますが、予約の際には予約金の振り込みが必須で、いかなる理由でも振り込んだ予約金は返金不可のシステムになっていました。北アルプスに限らず、予約金やキャンセル料のシステムが導入された山小屋は一定数あるため、予約や計画変更のハードルが以前より高くなってしまいました。
それ故に、剣山荘から剱御前小舎に宿泊変更を直前でさせていただいたことは、感謝しかありません。剱御前小舎に空きがあり、助かりました。
登山道から別山を振り返ってみると、迫力がありました。下界は猛暑・酷暑ですが、ここは残雪もあり、風が吹けば涼しいです。ただし、暑がりな私はハンディファンを絶えず活用しています。取っ手を首元に差し込んで、首に風が来るようにしています。
標高2,861mある真砂岳に到着しました。日本百高山43位です。日本百高山の最後尾(100位)にあたる新蛇抜山は標高2,667mになります。標高3,000m以上ある峰は21座しかありません。その21位は聖岳で、20位が立山になります。
チングルマです。ここから立山に突入します。立山の1座目になる富士ノ折立までは急登が続きます。
室堂にあるミクリガ池とミドリガ池は無風によって湖面に山が綺麗に映っていることでしょう。新型コロナウイルス感染症の流行によって、withコロナの風潮の今、山小屋の値段が跳ね上がってしまいました。燕岳がある燕山荘はコロナ前は1万円だった宿泊料は、現在は1万5千円。室堂や立山、剱岳の山小屋も燕山荘ほどではないですが、値上がっています。同じ北アルプスという山域でも値上げ幅が異なります。
振り返って真砂岳を見ると、遠くに剱岳が姿を見せてくれました。しかし基本的に姿を隠しており、時折顔を出すような気象でした。
立山カルデラと呼ばれることもあるようですが、確かに火山噴火でできた巨大な凹地の地形をしていました。
標高2,999mある富士ノ折立に到着しました。剱岳と同じ標高になります。富士ノ折立から大汝山、雄山までは厳しいアップダウンはありません。目の前に見える大汝山へ進みます。
立山最高峰の大汝山では、撮影待ちの渋滞になっていました。しかも他の人の撮影を手伝っている時は剱岳がちゃんと見えていたのに、自分の番が来た時に限って、剱岳が隠れてしまいます。クラブツーリズムの団体が来て、更に混雑していました。誰もいなくなるのと、剱岳が姿を見せる両方の条件がそろうまで暫く待機していました。
大汝山は標高3,015mあり、日本百高山20位です。日本百名山29座目の登頂になりました。ちなみに記念すべき1座目は北アルプスの笠ヶ岳で、珍しい山選んだと思われることが多々あります。
黒部湖と黒部ダムが見えました。日本二百名山に選ばれている針ノ木岳が見えました。
今日は黒部ダムへ下山します。昼食は室堂で食べようか、扇沢で食べようか特に決めていなかったのですが、黒部ダムレストハウスで食べることになります。
標高3,003mある雄山に到着しました。大汝山からやってくる登山者だけでなく、室堂から一ノ越経由で登ってくる人もおり、混雑していました。
雄山神社峰本社があり、御朱印をもらえます。日本で一番標高が高い御朱印かと思いきや、富士山がありましたね。
雄山の山頂へ参拝しに行きます。山頂の祭殿は石の下に1m以上の柱が埋まっており、頑丈なんだそうです。頂上の石は登拝者が河原から拾った小石に願いを書き祈願成就のためにここに奉納したものです。
祈祷
今回は雷鳥に出会うことは叶いませんでしたが、イワヒバリは何度も見かけました。剣山荘の側でホシガラスの声を聞くも、姿は認識できませんでした。
イワヒバリと針ノ木岳です。参拝を終えると、急にガスってきました。
一ノ越山荘へ下山します。登りと下りで道が分けてあります。登りは学校登山の団体もいたため、大渋滞で身動きが取れない感じでした。対照的に、下りはガラガラだったので、スムーズに下山できました。下り専用路を逆走して登っていく人は1人しかいなかったので、日本人らしいと思いました。
目の前にそびえる山は浄土山です。そこまで登りたかったのですが、景色はどんどん悪化していき、体力や時間の制限も気になります。今回は断念することにしました。一ノ越山荘で休憩した後、室堂へ下山します。
室堂までは整備された石畳になっており、危険のない道でした。
今日はまだ植物の紹介をしていなかったので、ヒメクワガタを紹介します。高山植物であり、日本固有種です。今回の剱岳・立山登山で見たかった植物の1つになります。
室堂から立山トンネルトロリーバス、立山ロープウェイに乗って黒部平へ向かいます。
黒部平からは黒部ケーブルカーに乗ります。
今年は、山の目標としては剱岳を登頂することでした。天気に恵まれて本当に良かったです。もし再訪することがあれば、カニのハサミがある早月尾根を登ってみたいと思います。今回は剱岳と立山の日本百名山2座だけでなく、剱御前や別山北峰、真砂岳を含めた日本百高山5座も踏破したことになります。
黒部ダムに到着したら、ひとまず昼食にしました。放水した先に虹が架かっていました。
黒部ダムレストハウスでアーチダムカレーを注文しました。お腹空いているのに、疲労であまり食欲がないような。けれど美味しくいただきました。
黒部ダムの観光放水を見てから、扇沢に移動し、高速バスで帰宅しました。バスは1人2席使え、充電も可能だったので、極楽でした。しかも立ち寄るサービスエリアがコンビニのある梓川SAであり、夕食に困ることもありませんでした。