尾瀬の大清水 class=

今回登山するのは尾瀬にある至仏山です。日帰りではなく1泊2日にすることで初心者や体力がなくても十分登頂できるコースタイムに設定しています。もう1泊追加して燧ヶ岳へ登る計画も視野に入れていましたが、ハードな登山になるため断念しました。至仏山には蛇紋岩固有種が多く存在するため、高山植物探しの旅でもあります。

まずは夜行バスで大清水バス停に到着しました。夜明け前であるため、明るくなるまで待機です。今日の目的地は尾瀬の中心部にある見晴です。尾瀬沼を経由して弥四郎小屋(彌四郎小屋)まで歩いたら、そこで宿泊です。

登山地図

登山地図

三平峠

明るくなったら、出発します。一ノ瀬休憩所までは低公害車両の乗合バスを使わずに歩きます。植物探しの基本は徒歩です。そこから木道メインの登山道になり、三平峠(尾瀬峠)までやって来ました。

そこから尾瀬沼まではスリップ多発区間になります。以前、ここを通過した時は、転ぶと分かりながら合計10回は滑っています。そこで、滑り止めスパイクを装着します。チェーンアイゼンと違って、木道をなるべく痛めない道具です。慣れないと歩く時に違和感がありますが、全く滑りませんでした。

タニギキョウ

今回持参した登山道具には、お湯を沸かす道具が一式あります。山頂で使う予定はないため、ガスボンベは高山帯用ではありません。ちなみにOD缶は値段が高いため使ったことがありません。標高2,996mある奥穂高岳山荘の外のベンチでは、CB缶を使いました。それでも問題なしでした。

三平下(尾瀬沼山荘)に到着すると、ガスっていました。尾瀬に生息するトンボは約40種類います。このトンボはアキアカネでしょうか。

イチヤクソウ

イチヤクソウ

尾瀬沼ビジターセンターまで来たら、尾瀬沼のビュースポットに立ち寄ります。燧ケ岳が見え、無風なら逆さ燧ケ岳が湖面に映るはずですが、残念な結果になりました。

大江湿原のニッコウキスゲ

大江湿原ではニッコウキスゲが僅かしかありませんでした。数が少ない外れ年です。ハクサンチドリは既に終了していました。

ゴゼンタチバナ

トキソウ

トキソウ

尾瀬沼の外周を進み、弥四郎小屋を目指します。ガスって小雨っぽかった天気は、何とか晴れてくれました。雲が多いですが、贅沢は言えません。

ミズバショウ

斑入りミズバショウ

燧ヶ岳

燧ヶ岳がやっと姿を見せてくれました。

ホロムイソウ

ホロムイソウ

キンコウカ

キンコウカ

ナガバノモウセンゴケの花

ナガバノモウセンゴケの花が咲いていました。ナガバノモウセンゴケは北海道と尾瀬にしか自生していない絶滅危惧種です。

尾瀬沼

沼尻平にある休憩所で一休みです。尾瀬沼の景色で、一番好きな場所です。角度的に燧ケ岳が映らないですが、桟橋の先端で黄昏たくなります。水面には大量の魚が泳いでいました。

弥四郎小屋

白砂峠を通過し、見晴に到着しました。ここには弥四郎小屋、檜枝岐小屋、尾瀬小屋、原の小屋、燧小屋、第二長蔵小屋があり、山小屋激戦区です。

1泊2食付で弥四郎小屋を選びました。選んだ理由は特にありません。個室が空いてて、キャンセル料なし、以前泊まった宿以外の条件を希望していました。以前泊まった尾瀬小屋以外は、全ての条件に当てはまったと思います。ちなみにビールの値段が一番高いのが弥四郎小屋です。宿泊料金も他より高かった印象です。

個室は別館にありました。お風呂の開始時間まで植物散策に出かけ、お風呂に入ったら夕飯の時間になるまで植物散策に出かけました。お風呂は、湯舟や石鹸、温かいシャワーがありました。

ハッチョウトンボ

ハッチョウトンボを発見しました。日本で一番小さいトンボと言われ、体長2cmです。世界的にも小さいです。

サワラン

夕飯時になったので、そろそろ山小屋へ戻ります。誰もいないことを確認したら、ステップを刻みながら独唱しながら自由を謳歌します。そういえば、尾瀬沼ビジターセンターで休憩していた時、「夏が来れば思い出す。はるかな尾瀬」と歌っていた人がいました。

ツルコケモモ

夕食は合いびき肉の和風ハンバーグでした。甘い杏仁豆腐や酸味の効いた茄子の揚げびたし、山クラゲ等どれも美味しかったです。残念だったのはお米が不味かったのと、味噌汁の具材が薄い大根数切れのみで、かつ硬かったです。

夕食を食べ終わって外に出ると、刹那の間だけ至仏山が見えていました。それ以外は雲に隠れていました。

コバギボウシ(ミズギボウシ)

翌日の朝食はおにぎりです。早朝に山小屋を発つため、事前にもらっています。実際はアルファ米を持参しているため、昼食用です。ホスピタリティを感じる手紙がありました。

まだ食べないけれど、中身は気になります。おにぎりとお稲荷さん、甘味噌のシソ巻き、ミニソーセージでした。

外が暗くなったのでホタルの観賞会です。弱い光を放ちながら、時々飛ぶこともありましたが、基本的にじっとしていました。ちなみに光を放ちながらも、他の生物に食べられないのは毒があるかららしいです。光は雌と雄が出会うためのシグナルだけではなく、警告でもあります。

ここからは今回の登山で出逢った植物の一部を紹介していきます。まずはアリドオシランです。

キソチドリ

キソチドリ

全草が淡緑色をしたキソチドリです。サンカヨウのように水で濡れて白っぽくなったのかと思いきや、水に濡れても色が変わらない植物です。

コバノトンボソウ

コバノトンボソウ

オオヤマサギソウ

オオヤマサギソウの花は淡緑色ですが、どちらかと言うと白っぽい色でした。

ミツバオウレンです。ちなみに類似植物であるミツバノバイカオウレンは尾瀬の標高が高い場所に存在します。

エゾスズラン
ミズチドリ

ミズチドリ