今日は尾瀬ヶ原を通って山ノ鼻から至仏山を登り、鳩待峠へ下山します。尾瀬の中心部にある見晴の弥四郎小屋に宿泊しています。日の出時刻よりも前に、山小屋を出発しました。湿原には白い霧が発生しており、至仏山の姿は見えませんでした。
今日はオゼソウやホソバヒナウスユキソウ、シブツアサツキ、ジョウエツキバナノコマノツメ、ウラベニダイモンジソウなど見たい植物があります。至仏山や谷川岳で見ることができる蛇紋岩固有種が幾つも咲いている時期です。事前にどんな植物が存在するのか調べてきました。
ノビタキの幼鳥
今日は帰宅日になっており、尾瀬戸倉バス停から高速バスに乗る必要があります。植物撮影に時間がかかることもあり、コースタイム通りに歩けないため、最終バスを予約しています。また午後から雨の予報であるため、早朝から歩き始めている次第です。本当は山小屋で朝ごはんを食べていくのが理想ですが、断念しました。
オオマルバノホロシ
暗すぎず、明るすぎずのため、植物探しをしながら歩いていきます。
日の出時刻をとっくに過ぎていますが、雲が多くて太陽が姿を出していませんでした。誰も見かけない木道を歩き続け、竜宮小屋を通過し、尾瀬ヶ原にある牛首の方まで来ると、ようやく太陽が雲から姿を見せ始めました。
燧ケ岳と太陽が雲で飾られ、幻想的な景色でした。
本当は晴天が良かったのですが、これはこれで尾瀬らしいのかも。
朝焼けで黄金色に輝く尾瀬の湿原が白い霧で四方が閉ざされていました。白い虹を期待してしまいました。
今回は尾瀬に来るにあたって失敗をしています。それは訪問時期です。1週間前に訪れる予定が、何を勘違いしたのか1週間後の予約をしてしまいました。特に夜行バスは予約開始した瞬間に予約を入れていたため、やってしまいました。理想は1週間前ではなく、10~12日前の訪問のように感じます。見たかった植物があれこれありますが、時期的に見れなかった植物が多い登山となりました。
今年は他の地域で何度か植物探しをしています。統計するとカンアオイ属、テンナンショウ属、クモキリソウ属の山野草を見かける機会が多いように思います。尾瀬では、それらの属に対応した植物としてミクニサイシン、ヒロハテンナンショウ、フガクスズムシソウが存在します。
オオウバユリ
ノアザミ
山ノ鼻に到着したら宿を出発する前に調理しておいたアルファ米で朝食にしました。今日は午後から雨確実なのに、多くの登山者が既に集結していました。今なら、雨が降り出す前に登頂できそうですが、これからやって来る登山者は悲惨なことになりそうです。
至仏山に向かって急登を進んでいきます。クルマユリが咲いていました。
朝は登山道からの展望は絶望的だと推測していましたが、何とか燧ケ岳と尾瀬の池塘を見渡すことができました。
コバノトンボソウ
クロヅル
鎖場がありましたが、鎖はほぼ使わずに通過できます。
イワシモツケ
ミネウスユキソウ
ホソバコゴメグサ
登山道の後半は木道が沢山出てきます。雨が降る予報だなんて机上の空論かと思ってしまいそうですが、鳩待峠の方には雲とガスで何も景色が見えません。
イワイチョウ
シブツアサツキ
至仏山の名前が付いており、至仏山から尾瀬ヶ原を背景に撮影したいと思っていた植物です。シブツアサツキは白馬岳にあるシロウマアサツキの変種(蛇紋岩変化形)とされてきましたが、現在は同種と考えられ、シノニム扱いです。ただ、変種扱いとする考えも残っています。
タカネアオヤギソウ
タカネシュロソウ
イブキジャコウソウ
葉っぱをさすって匂いを嗅いでみると、ハッカのような匂いがする植物です。
鳩待峠から尾瀬ヶ原の方へ雲とガスが移動して来て、山頂に到着する前に景色がなくなってしまいました。これが最後の景色になりました。
タカネナデシコ
ジョウシュウアズマギク
ミヤマウイキョウ
ホソバツメクサ
ベニイタドリ
エゾウサギギク
タテヤマリンドウ
ホソバノキソチドリ
標高2,228mある至仏山に登頂しました。日本百名山の1座です。誰もいないように思うかもしれませんが、結構な混雑率です。
タカネトウウチソウ
ウラベニダイモンジソウ
ハクサンシャクナゲの白花
ジョウエツキバナノコマノツメ
いつ雨が降ってもおかしくない状況です。雨が降り出すまでは、太陽がない代わりに、植物の撮影にうってつけの天気です。時間と晴天があればオヤマ沢田代から悪沢岳までピストンして登頂したかったのですが、そんな余裕はなさそうです。
タカネシオガマ
ホソバヒナウスユキソウ
コケモモ
小至仏山までやって来ました。鳩待峠へ下山します。
エゾシオガマ
途中で大雨になってしまい、傘を差しながら急いで樹林帯まで逃げました。土砂降りの中で至仏山を目指しながら登ってくるクラブツーリズムの団体を2チーム見かけました。鳩待峠から小至仏山を経由して至仏山をピストンする日帰り登山で、料金は29,900円でした。至仏山は花の百名山でありながら、花を撮影する時間も取れない団体縛りが、ツアー御一行を見ていて印象的でした。
オゼソウは咲き終えているかと思いながら、まだ咲いていました。尾瀬の名前が付いていますが、谷川岳と北海道の天塩山にも自生しています。世界的に見ても珍しい植物です。
鳩待峠から登山タクシーで尾瀬戸倉バス停まで行き、高速バスに乗って帰宅しました。
ショウキランの咲き残りです。
ショウキランの結実した姿も咲き残りがあった場所とは別の場所で見かけました。以前ショウキランを見かけた場所では、今年は出現していませんでした。
コアニチドリ
オゼノサワトンボ