初めての南アルプスで北岳と間ノ岳を目指すも台風で強制下山 1日目
ルート
登山を始めて2年目が終わろうとします。まだ南アルプスに行った事がなかったので、日本で2番目に高い山である北岳と3番目の間ノ岳に登ろうと思います。
登山口である広河原へのバスの始発は日の出前の4:35です。一昔前はバス停がある甲府駅の廊下とかでバスが来るまで野宿していた登山者が結構いたようですが、調べてみると最近はいないようです。
今回は甲府プリンスホテル朝日館に前泊しました。朝早くチェックアウトするため無料の朝食サービスには間に合いません。
甲府駅のバス停に始発時間の1時間前に行くと、同じグループであろう4人程のリュックと1人がレジャーシートを置いて寝てました。40分前になると徐々に列ができ始めてました。
それでもバス2台が用意され、全員座る事が出来ました。乗車時間は2時間でくねくね曲がった山の中を通るため立って乗車はないようですが、他の登山者からの話では例外もあるようです。
乗車時に料金を支払いバスに揺られる事2時間、広河原で下車しました。仙丈ヶ岳や甲斐駒ヶ岳に行く場合は、更にここからバスに乗り換えだと考えると登山開始までが長いですね。
広河原から北岳山荘に向けて登山開始です。広河原からも見える背の高い山が北岳です。ガスでほぼ見えてないですね。
今回は初日に雪渓を通って北岳山荘に宿泊し、2日目に間ノ岳へ登り北岳を通って北岳肩ノ小屋で宿泊。3日目に景色を楽しみながら下山予定でした。なぜ2日間の日程になってしまったのかは後々話します。
まずは野呂川の橋を渡り広河原山荘へ向かいます。そこからが登りが開始します。
登山開始場所だけあって同じ時間帯にバスで降りた登山客が団子状態になって登っています。自分のペースで歩けないし、団子のペースが遅くて躓きそうだし、人の頭が目の前にあって圧迫感しかないので急行電車になって抜かしました。道が狭すぎずに抜かせる場所があるのはありがたいです。
一人で登山に来ている人はだいたい同様に団子を抜かしていきます。還暦過ぎた女性はとっても速かったです。登山って年齢ではなく、登る頻度が大事だったりしますね。
団体登山をする人って人によって歩幅が違うと思うのですが、せっかちさんはどうやって躓きを予防しているのか疑問です。ペースを落としているのに、それでも団体の中でペースが速いって事ありがち。更にペース落とすとぎこちない歩き方になって、躓いたり、前の人の足を踏まないように頑張って躓いたり。
団子に出くわす度につくづく団体登山は出来ない性格だと感じます。
団子の話はそれくらいにしておいて、前にも後ろにも人で詰まらない場所まで来たら、自分のペースで登り始めます。
急に発生した台風が近づいており、3日目くらいが危なそうなのですが、その影響なのか山の景色は雲で隠れています。台風が発生する前は晴れの予報でした。
行きは沢の横を通過する大樺沢ルートですが、大雨が降ったら増水して怖いです。
橋を渡る場所が数か所あります。
後ろを振り返ると鳳凰三山が見えるルートらしいのですが、もうちょっと標高が高くないと見えないのか、この山が鳳凰三山の一部なのか良く分かってません。結局ガスって、せっかく見えた山の一部も見えなくなりました。
広河原から北岳山荘までは距離は6km行きませんが、標高差は1,500mはあります。
時々、木々の向こうに発生しているガスが雪渓に見えて、大樺沢二俣にもう到着!って思いながら、大樺沢二俣はまだまだ先でした。
一部雪渓になっている場所で熟年夫婦に出会いました。今日登り始めたけれど、天気が悪いので下山するそうです。嗚呼、やっぱり下山したくなるほど今回展望を期待できないよね。前泊までしたし... 命の危険はなさそうなので登ります。(翌朝少しだけ景色が見れました。)
本格的に雪渓が出てきましたが、雪渓歩きのルートはまだです。実は初の雪渓歩きを楽しみにして、ここに来ています。ネット情報ではまだ軽アイゼンが必要と書いてあったので出発直前に軽アイゼンを購入してます。
これで丹沢とか冬の低山も出来ると思うので、今からエビの尻尾が楽しみです。
大樺沢二俣までは雪渓の上を歩くことなく脇の登山道を歩きました。
大樺沢二俣に到着し、ここで朝食とトイレ休憩です。小屋はなくてもトイレが置いてあるのは女性にとっては嬉しいと思います。
朝ごはんを食べていると八本歯のコルから雪渓を通って来た一人の女性がこれから登る男性グループに雪渓はガスってて視界が悪く迷子になるからとても危険だと話しているのが聞こえました。
これから行こうとしていたルートなので一気に不安になります。注意が必要ではなく、とても危険だと初めての南アルプスだし心が揺らぎました。
一人だけの意見に左右されるのは危険なので、後から雪渓を降りてきた男性に質問すると、踏み跡があるので迷う場所はないようです。また雪渓歩きは少しだけで済むようです。
これから登る男性グループは雪渓を通らないルートを選択したようです。しかし何組か雪渓を通って降りてきた人がいたので、雪渓を通って行こうと思います。視界が悪いので雪渓上の落石の音には注意です。
目の前の雪の上を渡れば、雪渓がある左俣コースです。八本歯のコルを目指します。
歩き始めると、雪渓の上を歩く必要がない事がすぐに分かりました。<雪渓の端にある道をひたすら歩き続けます。
ヨツバシオガマを発見。よく見てみると花の形が鳥の頭部に似ています。ハクサンチドリの鳥の頭部みたいな形をした花とどっちが好みだろう?私はヨツバシオガマかな。
こちらはミヤマハナシノブ?分かりやすい個性がないと花はまだまだ分かりません。
雪渓の上を降りてくる人と出会いました。傾斜がそんなにないためか、慣れているのかアイゼンなしでした。
ルートを少し間違えたようで、本来ならほぼ横歩きの5m程の雪渓歩きで済んだ所を通過するだけでよかったのが、登りで10m程の雪渓歩きが必要になってしまいました。キックステップで進んでいたのですが、結構雪が硬いため、初雪渓なので軽アイゼンを装備します。
さっきの雪渓の上を降りてくる人が通った道以外にルートがあったようです。
(軽アイゼンを使ってみたい気持ちと汚れを落とす手間どっちを取ろうか迷いました。)
目の前の雪に囲まれた大陸に着陸すれば軽アイゼンの出番は終了です。雪渓の上をひたすら歩くのをイメージしていたので、ちょっと物足りない感じです。
渡渉する場所がありましたが、水量はなく気になる事はありません。
すれ違った登山者から話を聞くと、ここは手前の矢印の通りに雪渓を通って進むとよろしくないから、無視して奥の矢印に従い岩場を通った方が良いとの事。詳しい話は聞きませんでしたが、大変な目にあったと愚痴ってました。他の人も岩場を通っていますね。
雪渓が終わると今度は急登の梯子が連続で出現します。ちょっと梯子の角度が変な事になっていますが、危険性はありませんでした。
岩場の急登と異なり足が疲れないで標高を上げられているかもしれません。
7月の終わりにシャクナゲを発見しました。小振りな花で可愛らしいです。おやつ休憩をしていると、岩が転がっている音が断続的にしていました。見えない場所の雪渓で岩が降っているんでしょう。
八本歯のコルに到着しました。ここからは今までより勾配が緩やかな登山になります。
ようやく稜線に出たって実感がする場所です。
天気が良ければ素晴らしい景色だと思うのですが、ガスってても幻想的です。
8月もシャクナゲをまだ楽しめそうですね。天城山とか低山だと5~6月に満開を迎える認識です。標高が100m上がると気温は0.6℃下がると言われますが、花の見頃の時期でそれを実感。
山荘まで最後の頑張り所、ガレ場が出てきました。今から雪渓を通って下山する登山者と話をすると、台風で広河原からの林道が封鎖になるから宿泊予定だったけれど今日下山すると言ってました。
えええ~。帰り道が封鎖された事なかったので、想像していませんでした。ただ予定は下山は明日でなく明後日なので、台風の通過を待つ事も可能です。とりあえずは山小屋で情報を仕入れないといけないですね。
今下山していった人たちは日帰りで広河原から北岳に登って帰るのでしょうか?
ガスっていた空から少し青空が見えてきました。
辺りを見回してみると、なんと北岳山荘が見えます。あれ?北岳山荘よりも標高高い場所にいるよ。って、分岐を見逃して北岳へ続く道を歩いてました。
元の道を引き返そうか迷いましたが、せっかくここまで来たので、北岳の山頂を目指す事にしました。それから北岳山荘に行っても時間的に大丈夫です。ただ、お昼ご飯は抜きですね。
池山吊尾根分岐に到着しました。山頂まであと20分です。
ミヤマシオガマが咲いていました。背丈が低いため個体が集合すると森の中で踊るバレリーナのようです。(独特の感性...)
初めましての花、ミヤマオダマキです。ガーデニングで使用されるのは西洋オダマキですが、オダマキと言う植物を今まで見た事ありませんでした。
ハクサンイチゲが咲いています。北岳固有種であるキタダケソウに似ている花ですが、キタダケソウは梅雨の時期なので今は咲き終えて見る事は出来ません。
コイワカガミです。イワカガミと違って葉っぱがギザギザしていません。景色は残念なので、せめて花見登山でもしましょう。
山頂までの20分がとても長く感じます。天気が良ければ山頂がどこにあって、もうすぐ到着と分かったりしますが、忍耐の時間です。
3,193mの北岳山頂に到着です。初日に登るとは思っていませんでしたが、意外と登れてしまうものです。少し休憩したら北岳山荘へ向かうため道を引き返します。
時々ガスが部分的に途切れて見える景色が少しの慰めです。
そういえば、北岳山荘では雷鳥を保護しており、雷鳥が見られます。まだ雷鳥を見たことがなく、100年後には絶滅してしまうであろう種なので見たい気持ちが強いです。
雷鳥の天敵は愛くるしいオコジョなのですが、オコジョはもともと雷鳥と同じ高山帯に生息する生物です。しかし温暖化の影響で、高山帯にいないはずのテン等の動物が出現し、雷鳥を襲っています。また森林限界も温暖化によって変化しており、雷鳥が隠れるハイマツが減ってしまいます。
登山の大きな魅力といったら森林限界を超えた場所から見る景色なので、温暖化の影響で森林限界が将来消えてしまうのはとても残念です。
池山吊尾根分岐まで戻ってきました。北岳山荘へ続くこの稜線は北岳と間ノ岳を結ぶ標高3,000mにもなる稜線です。
イワヒバリがいました。高山帯の登山では必ず出会える鳥です。今回も漏れずに発見しました。
ケルンがありました。今日のようにガスった時に迷子にならないためのピラミッド型につみあげて作った道標です。ただここは1本道の分かりやすい稜線なので、無雪期では活躍しなさそうです。記念碑としての意味合いが強いのでしょうか。
ケルンで思いでしたのが、とある某有名登山サイトで間ノ岳の標高が3,190mから3,191mになって標高3,190mの奥穂高岳より標高が高くなった記事がありましたね。エイプリルフールの記事だったけれど、嘘と分からない題名と内容だったために騒ぎと炎上を起こし記事が修正された記憶が蘇ります。
仮に山頂にケルンのように石を積んで標高として認定されないです。
天気が悪化し雨が降り出した時に、なんとか北岳山荘に到着しました。受付の人に雷鳥の事を聞くと、雷鳥は保護している職員と一緒に外でお散歩中との事です。17時には保護策の中に雷鳥が入れられてしまうので夕飯前に見に行きます。
職員がいる場所まで行くと、雨と雷鳥の保護色で分かりにくいですが、確かに雷鳥がいました!ずっと見たかったので感激です。
雛と一緒にお散歩しています。雨で良く分からないのが残念。どんな顔をしているのでしょうか。
雨が強かったので山荘に戻りました。10人部屋に8人が宿泊です。
談話室にくつろぎに行くとクラブツーリズムの団体がいました。一緒にいたガイドは青いターバンを頭に巻いている今村量紀さんでした。登山番組に出演しており、青いターバンが印象的で覚えていました。実は去年の涸沢カールを下山中にもクラブツーリズムの団体をガイドしているのを見かけていました。その時も青いターバンを身に着けてました。
談話室にいると、小屋のスタッフから明日の12時に、林道が封鎖されて登山バスが通行できなくなると連絡がありました。時刻表を見ると12時出発する下山用の登山バスはなく、あるのは9時と11時発です。つまり11時までに広河原に到着しないといけません。
その次の日は林道が封鎖されるか不明だが、台風の影響で林道に木が倒れたり、雨だったりすると林道が封鎖されたままになったりするようです。どうしよう...
明日どうしようかとても迷いながら部屋に戻ります。他の部屋は結構混んでるかと思って扉が開いていた大部屋を見たら、未使用でした。この部屋も使えば、お隣を気にせず寝れるゆとりが生まれそうですが、部屋の掃除など仕事量が増えてしまいますね。
夕食の時に、スタッフから明日の登山バスに乗れるように朝食時間を30分早めて4時から食べれるようにしますと連絡がありました。
夕飯は味噌煮のお魚がとっても美味しかったです。
同じ部屋に泊まった登山者の中には明後日下山予定の人もいましたが、明日帰ろうか迷っていました。最終的にはみんな明日下山する方向になりました。明後日も一日林道封鎖だと困ってしまいますね。
夕食後、小屋周辺を散歩しているとハクサンチドリが咲いていました。
登山の旅
海外の旅
国内の旅