ツクバキンラン

ツクバキンランとは、キンランがペロリア化した品種で、普通のキンランの花にある唇弁が花被片に変化しています。唇弁を持たないため、唇弁にある赤褐色の隆起線や距も存在しません。茨城県筑波山麓で最初に発見されたことが名前の由来になっている多年草です。普通のキンランは蕊柱の向軸側に柱頭を持ちますが、ツクバキンランは蕊柱の先端に柱頭を持ちます。

唇弁があるキンランの集団の中に、ツクバキンランの個体が混ざっている場所とツクバキンランだけの個体群が生育する場所、どちらも存在します。茨城県だけでなく東京都や栃木県、千葉県など関東周辺に分布しています。

キンラン属のペロリア化した種はツクバキンランの他に、ギンランがペロリア化したヤビツギンランや、クゲヌマランがペロリア化したホシガタクゲヌマランが知られています。

基本情報

和名:漢字
筑波金蘭
学名
Cephalanthera falcata f. conformis
分類:目
キジカクシ目 Asparagales
分類:科
ラン科 Orchidaceae
分類:属
キンラン属 Cephalanthera
分類:種
ツクバキンラン C. falcata f. conformis
花期
4~5月
分布
茨城県を中心とした関東
分布地
不明
その他

詳細情報

ツクバキンランの花
隆起線が見当たらない花
ツクバキンラン
距が見当たらない蕾と花

開花は唇弁がキンランと同様に太陽光が必要です。しかし蕾の状態でも距の有無で個体がツクバキンランかどうか判別ができます。

ツクバキンラン

キンランの品種としてツクバキンランが発表されたのは2014年です。