ホソバヒナウスユキソウ

ホソバヒナウスユキソウとは、基本種であるミヤマウスユキソウよりも葉が細い変種の高山植物で、至仏山や谷川岳の蛇紋岩地帯にしか生育していない多年草の日本固有種です。全体に白い綿毛があり、草丈は5~20cmです。茎頂に頭花を4~10個付け、その周りを花弁に見える苞葉があり、白い綿毛を密生させています。

ミヤマウスユキソウ(別名ヒナウスユキソウ)との区別方法は、無花茎の根出葉の幅が1~2.5mmだとホソバヒナウスユキソウであり、幅が2~4mmだとミヤマウスユキソウです。分布地が被ることはないため、自生地でも判断できます。

根生葉は広線形~線状倒披針形であり、長さ3~4cmです。綿毛は花や茎など他の部位より僅かです。互生する茎葉は線形~広線形で1.5cm程です。

基本情報

和名:漢字
細葉雛薄雪草
学名
Leontopodium fauriei var. angustifolium
分類:目
キク目 Asterales
分類:科
キク科 Asteraceae
分類:属
ウスユキソウ属 Leontopodium
分類:種
ホソバヒナウスユキソウ L. fauriei var. angustifolium
花期
7月
赤リスト
環境省カテゴリ:絶滅危惧II類(VU)
群馬県:準絶滅危惧(NT)
新潟県:絶滅危惧II類(VU)
分布
群馬県, 新潟県
分布地
至仏山, 谷川岳
その他

詳細情報

ホソバヒナウスユキソウの花
ホソバヒナウスユキソウ
咲き終わり

ヨーロッパに存在するエーデルワイスに似ています。最初の数年間は毎年、無花茎だけを伸ばして花を付けません。無花茎は地中に埋もれて地下茎となります。

ホソバヒナウスユキソウ

厳しい環境に適応・進化した蛇紋岩変性植物の1つであり。同じ自生地には同様にそこに適応した高山植物がいます。

ホソバヒナウスユキソウの無花茎の根出葉
無花茎の根出葉
ホソバヒナウスユキソウ
至仏山(7月22日)

類似植物として、早池峰山に自生するハヤチネウスユキソウや北アルプス八方尾根自生するハッポウスユキソウ、千島列島に自生するチシマウスユキソウなどが日本に存在します。