ミヤマクロユリ

ミヤマクロユリとは、暗紫褐色に黄色の網目模様がある花を茎頂に1~3個咲かせる高山植物です。高山帯の明るい草地に生育しています。花被片は6個あり、長さ2~3cmの長楕円形で基部に腺体があります。花は横向きや、やや下向きです。草丈は10~30cmある多年草です。独特の臭いでハエを呼び寄せて受粉をします。

ミヤマクロユリは染色体が2倍体で結実しますが、類似植物のエゾクロユリは3倍体で不稔です。花柱は3裂します。雄花と花柱がある両性花が存在する雄性両全性同株で、地下部にある鱗茎の大きさによってどっちの花を付けるか左右されます。

葉は光沢のない披針形で、3~5枚ずつ2~3段に輪生します。

基本情報

和名:漢字
深山黒百合
学名
Fritillaria camtschatcensis (L.) Ker Gawl. var. keisukei Makino
分類:目
ユリ目 Liliales
分類:科
ユリ科 Liliaceae
分類:属
バイモ属 Fritillaria
分類:種
ミヤマクロユリ F. camtschatcensis var. keisukei
花期
6~8月
分布
北海道~中部地方以北
分布地
北アルプス, 中央アルプス, 南アルプス, 白山, 月山
その他

詳細情報

ミヤマクロユリ

千畳敷カール(7月31日)はミヤマクロユリの群生地として知られています。

ミヤマクロユリの雄花
雄花, 弓折岳(8月4日)
ミヤマクロユリの両性花
両性花, 白馬岳(7月21日)

果実は3稜がある倒卵形の蒴果で上向きに付、羽を持った種子が沢山入っています。発芽率が低く、地下の鱗茎が分裂して数を増やしていく栄養繁殖で増えていきます。

ミヤマクロユリ

双六小屋の周辺(8月2日)