ムカデランとは、細長く伸びる茎の両側から無数の葉が互生する様子がムカデに似ており、それが名前の由来になった着生蘭です。夏に長さ1cmに満たない淡紅紫色をした花を咲かせる多年草です。茎から長く伸びる白い気根が岩や樹木に張りつきます。
花の唇弁は3裂しており、側裂片の先端が淡黄色になります。唇弁の基部には距があります。針状葉の葉は革質で、長さは6~10mm程です。葉の表面には縦に溝があり、先端はやや尖っています。
天然記念物に指定されている場所では群生していることが多く、「大石不動院ムカデラン群落」や「てんぐ岩のムカデラン」が知られています。
和名:漢字
百足蘭
学名
Pelatantheria scolopendrifolia
Sarcanthus scolopendrifolius
Sarcanthus scolopendrifolius
分類:目
キジカクシ目 Asparagales
分類:科
ラン科 Orchidaceae
分類:属
ムカデラン属 Pelatantheria
分類:種
ムカデラン P. scolopendrifolius
花期
6~8月
赤リスト
環境省カテゴリ:絶滅危惧II類(VU)
群馬県:絶滅危惧IA類(CR))
静岡県:絶滅危惧II類(VU)
群馬県:絶滅危惧IA類(CR))
静岡県:絶滅危惧II類(VU)
分布
関東地方以西~九州
分布地
大石不動院ムカデラン群落, てんぐ岩のムカデラン
その他
距が下に飛び出た蕾
花
花は茎から伸びた花柄とくっ付いており、背萼片と側花弁、側萼片、唇弁、蕊柱から成り立っています。葉は直射日光に当て続けると緑色が赤く変色します。色が変わっても問題はありません。
葉と気根
着生蘭の中では、とても育てやすく、庭木にくっつけて紐で固定するだけで着生し、放置しても育ちます。乾燥や寒さに強く、気根が伸びれば比較的早く木や石などにくっつきます。水の与えすぎは株を弱らせるため、ミズゴケに植えるより栽培が簡単です。