シテンクモキリ

シテンクモキリとは、2008年に新種として発表されたクモキリソウに似た多年草です。唇弁の基部にある溝に紫褐色の斑点があり、唇弁の紫点が名前の由来になっています。側花弁や側萼片、背萼片が紫色を帯びています。花柄子房は個体によって紫色を帯びますが、クモキリソウと同様に全草が緑色の個体も存在します。フガクスズムシソウやジガバチソウにも似ています。

草丈は10~25cmあり、どちらかと言うと明るい林床に自生しています。日本固有種です。茎は無毛で、花を4~14個ほど咲かせる総状花序です。

クモキリソウは唇弁が大きくカーブして巻き込むのに対し、シテンクモキリの唇弁のカーブは緩やかです。

基本情報

和名:漢字
紫点雲切
学名
Liparis purpureovittata Tsutsumi, Yukawa et M.Kato
分類:目
キジカクシ目 Asparagales
分類:科
ラン科 Orchidaceae
分類:属
クモキリソウ属 Liparis
分類:種
シテンクモキリ L. purpureovittata
花期
6月下旬~7月上旬
赤リスト
環境省カテゴリ:なし
群馬県:絶滅危惧IA類(CR)
富山県:絶滅危惧II類(VU)
分布
北海道, 東北, 中部, 四国
分布地
栂池自然園, 高峰高原, 池の平湿原
その他

詳細情報

シテンクモキリ

遺伝子解析や研究によって、新種として「シテンクモキリ」の名前が付けられました。しかしそれ以前から、各地でその存在が認識されており、「フガククモキリ」や「アズミクモキリ」「ナンブクモキリ」「チクマジガバチ」などと呼ばれていました。

シテンクモキリ
テンクモキリ
緑色の花柄子房は180°ねじれます。
シテンクモキリ
シテンクモキリ
7月11日
シテンクモキリの花
7月18日
シテンクモキリの葉

シテンクモキリの葉は2枚あり、卵形で縁が波打っています。