ルート
日本にある北アルプスを初めて登山します。今まで登山といったら3時間で登り下りが出来る低山ハイキングくらいです。今回登山をするにあたり色々調べました。それまで日本にアルプスと呼ばれる山域がある事を知らなければ、日本百名山と言う言葉も知りませんでした。それらに登った事もありません。
そんな私が初アルプスかつ初日本百名山として笠ヶ岳を選んだ理由は初心者向きだからです。
鎖場などなく登山技術は不要です。体力勝負の山で水場が登山口しかなく長丁場という事で、体力と水不足だけが心配です。なので水は多く持っていく予定で、体力は事前に近場の山に登っておく事にしました。おかげで筋肉痛が治ったばかりです。
また日本のアルプスで人気があるのが北アルプスで、また笠ヶ岳が新・花の百名山であるとネットで知ったからです。天気悪くても高山植物の花が色々観れたら良いよね。また雷鳥も見てみたかったです。
行きは3列バス、帰りは4列バスにしました。行きは3列と4列バス共に満席でした。帰りの4列バスはスカスカで2席使用できたので、良い選択でした。
それにしても、3列バスの1列席はとても快適。カーテンでプライバシー保護可能なんですね。
新穂高温泉に到着しました。少しは寝れました。既に建物のバックに壮大な山が立ち並んでいます。あの山のどれかが笠ヶ岳なのでしょうか?
今日の天気は曇り時々晴れという事で、午後から曇りそうな予感。山の絶景を尾根から拝見するまで天気がくずれないでいてくれるでしょうか?急ぎたい気持ちと急いで歩けなくならないか心配な気持ちが葛藤します。
出発地点から山頂までの標高差は1,792mあるらしいのですが、正直ピンときてません。また本日のコースである笠新道は日本屈指の急登という事で、標高差を実感しやすいのでしょうか?それは直ぐに山の絶景を拝める事を示唆するのか、直ぐに筋肉疲労に直面する事を意味するのか?
登山届をここで記入して提出します。事前に作成してきたので、提出してすぐに出発です。
新穂高温泉から笠ヶ岳山頂までの登りのコースタイム予想は7時間30分かかるみたいです。という事は現在05:35なので、休憩時間含めずに笠ヶ岳山荘到着予定時間が13:05。写真撮影や飲食時間、小休憩の時間を含めると15:00までには到着できたら良いですね。
ただ持久力はある方ですが、正直自分の体力が未知数かつ工程管理もぶっつけ本番、感覚頼りです。
新穂高温泉から笠新道登山口まで約1時間の林道ハイキング。それにしてもリュックがとても重たいです。水場が登山口しかないので、どれだけ水を持ってくれば良いか分からず、3750ML(650ML×お茶5本、500ML×ミルクティー1本)を持ってきました。事前にネットで正しいリュックの詰め方を調べてきましたが、重いったらありゃしない。テント泊用の道具がないだけでも楽なはずなんですけれども、日ごろの運動不足を実感。
そんな私はカウチポテト族です。思い付きで急きょ登山をするものではないですね。
林道脇の川。朝日がまだ高く登っていない状態ですが、とても青くて綺麗でした。
小股で歩いています。普段はせっかちで大股で早歩き。人を追い抜かさないと気が済まない性分ですが、体力温存のために小股で歩いています。
06:29に笠新道登山口に到着しました。標準コースタイムとほぼ変わらないペースです。コースタイムってそんなに早いペースでなくて良いんだと知った次第です。
ここが唯一の水場なので、少し減ったお茶に水をつぎ足します。では、ここから急登の長旅へ出発。
ネットでは30分に5分だか、50分に10分だかの休憩を取るように書いてありましたが、私はちょくちょく10~15分ごとに1~2分の小休憩を取りました。
リュックを降ろし、喉が渇こうが渇かなくてもとりあえず水分補給。おかげで足や体が疲れても直ぐに元通りになり、歩行スピードを落とすことなく進んで行きます。
ただ次の目的地である杓子平は笠新道登山口からのコースタイムは4時間20分。今のペースが速いのか遅いのか分からずただ進みます。
07:15に標高差1,700mに到着。45分で標高330m登ったみたいです。持参したおにぎり3つを3回の朝食休憩に分けて食べます。3回目の朝食休憩は09:00頃でした。
視界が開けた場所が所々出てきました。焼岳が見えます。またヘリコプターの音が2回に分けて聞こえました。
07:30に標高差1,800mに到着。まだ1,000m以上も登らないといけないです。
様々な花が少しずつ見られるようになってきました。
アカバナシモツケソウ。初めましての花です。
ここだけ崩落していました。
山の麓が遠くに見えます。あんな場所から歩いて来たとは思えないです。
写真になる一枚でした。
今登っている山の頂上が見えてきました。つまり、そこはまだ終わりじゃないって事ですね。
08:22に標高差2,100mに到着。今まで木々の中を登ってきましたが、ここまで来ると周囲の眺めは抜群です。天気はまだ晴れたままです。
逆光ですが、それもまた神秘的です。一番右の山が登山者憧れの槍ヶ岳。
ここから穂高ロープウェイが見えます。見上げる角度ではなく、若干見下ろす感じが標高の高さを実感させてくれます。
ここに来るまでが凄く長かった気がしますが、こまめな休憩のおかげで足と体力は大丈夫そうです。
そろそろ杓子平に到着する頃でしょうか?といっても杓子平がどんな所か知らずに登ってます。標識がある事を願ってます。
岩の上を歩いて進むことが多いのですが、結構な大きさの岩が沢山あります。両手も使って登る場所もりました。
コオニユリ。初めましての花です。
登って来た登山道を振り返ると結構な人の量です。ここまで10人くらい追い抜きをしていますが、それ以上いますね。
イモ洗い状態の中に混じるのが嫌いなので、追い抜かれないようにしたいのが本音。
09:34に杓子平に到着。笠新道登山口から3時間5分かかりました。コースタイムは4時間20分なので、結構な速度で登って来たみたいです。
せっかく追い抜いたのに追い越されるのが嫌なので、少しずつスピードが速くなっていったのかもしれません。それに追い抜きそうな距離になると追い抜かさずにはいられない。
杓子平という標識はなかったですが、大きな休憩所のような場所になっていたので、ここだと理解しました。目の前に広がる景色がたまらないです。登山で見てみたかった景色がこれ!っていう図星の景色です。
真ん中の一番高い場所が笠ヶ岳なのは自ずと理解しました。
笠ヶ岳のすぐ右に笠ヶ岳山荘が見えます。って事は、そこまで歩くって事ですね。まだまだ距離がありそうだけど、急登はもうないのかな?って安易な思考に至っていました。(まだまだ急登がある事など知るはずもなく。)
先程後ろを登っていた人々が杓子平に到着し、休憩を始めたので出発する事にしました。
イモ洗い状態は登山をする上で安心感を得られるかもしれないけれど、やっぱり好みじゃない。自分のスピードで歩けないし。
なので杓子平での休憩時間は10分ちょっとくらいです。
歩きながらも何度も立ち止まっては写真をパシャパシャしてしまいます。
チングルマの穂が風に揺れています。
This is the お花畑って感じがする一枚。山をバックに主役はお花の構図が好きなのです。山の壮大な景色と高山植物、どちらも譲れません。
杓子平を離れた場所から撮影してみました。
Let's move on!
岩がゴロゴロの登りは結構きついです。焦ることなかれ。ちょこちょこ休憩を忘れずに挿みながらも進んでいきます。
個人的には杓子平までの急登よりも、こっちの方が大変でした。体力が確実に少しずつ減っています。
すぐ後ろにいた人も立ち止まる程見た目以上のきつさでした。
杓子平が遠くに見えるようになりましたが、まだ登りは続き、笠新道分岐はまだ見えません。
雷鳥がいそうな雰囲気ですが、見つけられませんでした。
岩場に咲く花は生命力が強いのでしょうか?高山植物は小ぶりな花が多いですね。
注意して歩かないと正しい道を見失いそうです。実際2回ほど×印が付いている道へ行ってしまいました。
笠新道分岐まであとちょっとの場所で鳥を発見しました。イワヒバリでした。高山の草原や岩場、山岳地などに生息しているんだとか。
11:22に笠新道分岐に到着。ここまで、どこまでも登りでした。おかげさまでただ今の標高は2,760m。山荘との標高差は60mくらいです。ここからは尾根に突入。
人生初の尾根。ちょっとした憧れがありました。尾根って歩道どうなっているの?っていう疑問もありました。尾根って登山ぽい。
これはもしや...まさか...
せっかくこれから写真撮りまくろうと思っているのに。
既に写真撮りまくってるやろ!
天気が曇って来ました。
オイラを慰めてくれ、名もなき花よ!分かってはいたのさ。覚悟はしてたさ。
ただ、初めての本格登山だからきっと天気も我に味方してくれて、意味不明な理由で天気予報無視しちゃって、ずっと晴れっぱなしだよねって思ってる能天気な人間がここにいたのさ!
オイラはただ、下界をズームアップで写真を撮る事で、天気から目を背けていたのさ。こういう場所歩くとなったら躊躇うよ。
杓子平で撮影した写真と比べても全然雰囲気が違いますね。さらに高い場所にいる感じが伝わってくる景色でした。
抜戸岩という名前が付いた岩が尾根にありました。ここにも雷鳥の目撃情報が!
隊長!血眼になって探しましたが雷鳥見つかりません!
なんだかチングルマの穂を異様に撮影しまくっている私。知らぬ間に惚れてしまったのかも?
笠ヶ岳山荘の目の前までやって来ましたが、曇ってて山荘が見えません。
12:51に笠ヶ岳山荘に到着しました。しばらくここでくつろぎながら、持参した昼食用のおにぎり3つを頂きます。ここまで7時間16分。あっという間だったけれど長かっただぁ~。
寝床は2人で1枚の布団って案内されました。実際は10人部屋に14人だったので、1人1枚の布団を使えるか使えないかのスペースでした。
笠ヶ岳山荘から笠ヶ岳山頂へ目指します。天気はもうお手上げ状態の曇りなので、山頂からの景色は既に諦めていますが、行かずには下山できない。
無事に下山できますように!明日筋肉痛になりませんように!帰りのバス時間に間に合いますように!寝坊しませんように!雨が降りませんように!
(灬╹ω╹灬)感謝も忘れちゃいかん!
標高2,897mの山頂に到着しました!笠ヶ岳山荘からあっという間の距離です。
17:00から夕食でした。今日は到着順で3チームに分かれました。17:00は一番早い一巡目。
笠ヶ岳山荘から見た少しだけ雲が薄くなった景色。それではおやすみなさい。