セッコク

セッコクとは、棒状のバルブを無数に伸ばす着生蘭で、白くて芳香性の花を春に咲かせます。秋に狂い咲きすることもあります。常緑の多年草であり、毎年バルブを増やしていきます。1年目のバルブには細い楕円形の葉を節ごとに付けます。花は2~3年目のバルブに付けます。バルブは数年間生き続けます。

山地の樹上や岩上で生育しており、園芸採取されたものは寺社仏閣や民家の庭木で見かけます。また園芸品種や個体選別によって、多様な花色やバルブが短い達磨セッコク、斑入り葉などの個体が存在し、長生蘭と呼ばれています。

セッコクの名前が付く類似植物として、キバナノセッコクやオキナワセッコク、リュウキュウセッコクが日本に自生しています。

基本情報

和名:漢字
石斛
学名
Dendrobium moniliforme(L.) Sw.
分類:目
キジカクシ目 Asparagales
分類:科
ラン科 Orchidaceae
分類:属
セッコク属 Dendrobium
分類:種
セッコク D. moniliforme
花期
4~6月, 9~10月
分布
岩手県以南~九州
分布地
高尾山
その他

詳細情報

セッコクの花
セッコクの大株
高尾山に自生するセッコク
5月29日(高尾山)

セッコクは乾燥や寒さに強い植物です。バルブ(偽鱗茎)は「矢」と呼ばれ、古いバルブを水苔の中に埋めて腋芽を出させる矢伏せや高芽を取り分けるなど、増殖や株分けが簡単です。自生地では、台風などで樹上から落下していることがあります。

セッコク

草丈は5~30cm程あり、1つのバルブに花は普通1~3個付きます。萼片と側花弁の長さは1~4cmあり、唇弁の長さは2.5~4cmです。短い距があります。

セッコク
セッコクの大株
セッコク
5月29日(高尾山)

育て方

水苔に植えることも可能ですが、ヘゴ板や樹木に水苔と一緒に着生させる方がお勧めです。またバークチップや鹿沼土などに植えても育つため、地上生もあります。植え込み材料が乾いてから水を与え、肥料は不要です。ハダニの被害を避けるため、葉にも直接水を与えます。軒下なら一年中屋外でも大丈夫です。

結実したセッコク
結実したセッコク(11月21日)
セッコク
4月8日(鹿児島)