他の植物が育たないような高山帯の砂礫地に自生する多年草です。厳しい環境で可愛らしくピンク色の花を咲かせる小さな植物であり「高山植物の女王」と呼ばれています。花は馬の顔に似ており、駒草という名前になりました。
全草が有毒で、北海道の大雪山にのみ分布するウスバキチョウの幼虫がコマクサを食べることで知られています。
ピンク色の花が一般的に知られていますが、地域によって白花や赤花個体もあります。花は約2~3㎝ですが、根は砂礫の中に長く伸び、50cm以上の長い根を張って厳しい環境に適応しています。葉は根生葉で白い粉を帯びています。
9月頃になると草紅葉を始め、花が枯れると蒴果になり、黒い種子を作ります。
基本情報
分布地
木曽駒ヶ岳、横岳、乗鞍岳、白馬岳、燕岳、蔵王連峰、草津白根山、御嶽山、秋田駒ヶ岳
植物
北海道から中央アルプスまで生育していますが、南アルプスは絶滅しています。甲斐駒ヶ岳に群生地がありました。

箱根湿生花園(6月9日)

唐松岳(8月26日)

六甲高山植物園(6月20日)

燕岳(9月23日)
コマクサは登山者にとっても人気があり、知名度のある花です。北アルプスにある燕岳は登山者にとって登りやすい山であり、コマクサの自生地として認識されています。
白いコマクサ
横岳にはウルップソウと共に多くのコマクサが自生しており、そのほとんどがピンク色の花です。その中で僅かに白花が咲いています。

南八ヶ岳の横岳

白馬五竜高山植物園