天城縦走登山口バス停

今回登山する山は天城山です。植物とキノコを探しに来ました。アマギシャクナゲや紅葉の時期は、多くの登山者で賑わいますが、時期をずらすと展望に乏しい低山のため、静かな登山ができます。天城峠や八丁池は時間の関係でお預けになり、万三郎岳と万二郎岳を踏破する周回コースになりました。

まずは伊東駅から始発バスに乗り、天城縦走登山口バス停へ向かいます。混雑期でなければ南伊東駅の側にある宮川バス停から乗車した方が、電車とバスの合計運賃は安くなります。

天城縦走登山口バス停でバスを下車したら、万二郎岳を目指します。その後に万三郎岳を登ります。周回コースを時計回りに進み、天城縦走登山口バス停へ下山します。伊豆半島にある天城山は年平均降水量が日本平均の2.5倍と雨が多い地域です。そのため苔が多く、苔むした岩は滑りやすく転倒に注意が必要です。

ミヤマウズラ

今回出会った植物の紹介です。まずはミヤマウズラです。花の時期が短いですが、ちょうど見頃でした。黄色い鼻水を垂らしたように見えましたが、花粉塊になります。ラン科植物はミヤマウズラを含めて4種類見かけました。

オトメアオイ

こちらはオトメアオイだと思います。実はアマギカンアオイを探しに来ました。時期的にぎりぎり花が咲いているかもと淡い期待をしましたが、アマギカンアオイそのものを見かけませんでした。綺麗な花を見るなら5月頭だと思うので、その頃またリベンジしたいと思います。

苔むした木を見つけると、何か着生していないか見上げてしまいます。天城山らしい景色でした。

登山道はウクライナの国旗と同じ色の目印を幾つも見かけました。ロシアのウクライナ侵攻で、ウクライナ人の平和を訴えているかのようでした。人間の都合の良い解釈ですね。実際は、そんな意味合いはなく、ただの登山道としての目印です。

ツルリンドウ

万二郎岳

標高12,99mある万二郎岳に到着しました。今日は愛鷹連峰や富士山など、ここより北部は雨雲が多い天気予報でした。それに対し、ここは雨が降らないため、ここでも目的の花は見れるからと訪れた次第です。

ヒオドシチョウが自分の周りを飛んでいたので、じっとしていたらとまってくれました。蝶や蛾はどちらかというと苦手です。以前、八重山諸島で見たオオゴマダラの金色に輝く蛹はとても美しかった記憶があります。金の蛹とは、日本にも珍しい昆虫がいるのだと思いました。

万三郎岳

万三郎岳を目指します。

シロヨメナ

アキノキリンソウ

ヒメシャラ

ヒメシャラの木は6~7月が開花時期になります。

アセビのトンネルを通過します。ここら辺までは、比較的簡単な登山道で、とても歩きやすかったです。

階段がありましたが、この道ではなく隣の道を歩いて来ました。今まで大勢の人が色んな場所を歩いたためか、複数の登山道が出来上がり、並列し、交錯していました。元々存在していた登山道は比較的歩きやすいですが、それ以外は歩きにくいです。どうやら、昔からある登山道とは別のルートを歩いていたようです。

スギタケモドキだと思いますが、キノコに関しては素人なので自信ありません。

樹皮が灰白色ということは、ブナでしょうか。草花を知るには、その自生地に生息する樹木も必要があります。苦手です。

アマギシャクナゲ

アマギシャクナゲのトンネルです。天城山は花の百名山に選ばれており、花に興味なくても天城固有種のシャクナゲは知名度があるのではないでしょうか。花の百名山に選定された理由の花はヒメシャラになります。

名前不明のキノコです。今日は意図せず、ずっと前から見たかったキノコに出会えることになります。そのキノコは一番最後に紹介いたします。ちなみにいつか見てみたいキノコには、発光するヤコウタケやキツネノサカズキ、青色のソライロタケ、緑色のワカクサタケなどです。

標高1,405mある万三郎岳で昼食にします。

ムラサキフウセンタケだと思います。様々な色のキノコに出会えたら、楽しいと思います。

登山道では初島が見えました。手前に見える建物はホテルハーヴェスト 天城高原です。

天狗の止まり木のような樹木を見つけました。実は、伊豆には万太郎(達磨山)と万二郎、万三郎と呼ばれる天狗の三兄弟が住んでいたという伝説があります。それが今回登った山の山頂名になっています。達磨山は天城山から離れていますが、西伊豆にあります。樹木の枝分かれしているY字の所に天狗がいる気がしました。

良く分からないことを言って不思議ちゃんに入り浸っていたせいか、迷子事案が発生しました。ここは左から右へ通過してしまいました。ちゃんと道が続いていましたが、そっちはルート外になります。周囲に溶け込んで見えない虎ロープと色褪せて存在感を消し去った紙に気が付かずに進んでしまいました。

別の角度で見ると、下のルートは誤りで、上に行かないといけません。幸いにも、進んだ先で道が消えていたため間違いに気が付き引き返して、正しい登山道に気が付けました。多分、他にも多くの人が道を間違えて、その踏み跡が道を作り、更に多くの人を惑わしているのだと思います。

写真の中に、先ほどの虎ロープと色褪せて読めなくなった注意書きの紙が存在するのですが、気が付いたでしょうか。近寄らないと認識できないかもしれません。

ちなみに登山道は昔に整備された後、放置されているためか、かなり荒れています。初めて天城山を登ったのが4年前ですが、その時は歩きやすく、今回道を間違えた場所も、間違えていません。荒廃が進行する道が嫌な人は、周回せずに万三郎岳から万二郎岳へ来た道を引き返して下山した方が良いです。

天城山は環境省の沼津管理官事務所に席をおくアクティブ・レンジャーが登山道を整備していると思いますが、把握はしているけれど、対応不要レベルという認識なのだと思います。(天城シャクナゲコース危険箇所マップが存在し、丸太階段の崩れなど記載あります。)気を付けて歩けば大丈夫ですが、丸太階段は崩れ荒れて歩きにくいから、より歩きやすいコース外を歩く人が増え、植生踏みつけや本来の登山道に並行し交差する新たな道が幾つもできている始末となっています。対応急務だと思いました。

ここは木の階段が危険なので、崖側の道を歩きます。天城山では、木や岩が良く滑ります。色々考えさせられる天城山を天城縦走登山口バス停まで無事に下山し、バスに乗って帰りました。

クチベニタケ

最後に、今日一番見れて嬉しかったキノコは、このクチベニタケです。1ヶ所でしか見ませんでした。絶滅危惧種ではありませんが、そのユニークな見た目と名前は以前から気になる存在でした。

日程表