今回登山するのは丹沢の塔ノ岳です。数日前に雪が降り、だいぶ積雪したようです。霧氷に出会えるかは不明ですが、山頂から白く染まった丹沢山塊の景色を見るのが目的です。
まずは渋沢駅からバスに乗り、大倉バス停で下車します。ヤビツ峠はバスが運休のため、大倉尾根をピストンする予定です。時間があれば日本百名山である丹沢山へ足を延ばすか、三角沢ノ頭(寿岳)を登頂するか考えていました。
登山開始すると、開店準備中の観音茶屋に到着しました。「牛乳プリン」が有名でしたが、現在は販売終了し、代わりに「コーヒーあん」が売られています。
観音茶屋より上の登山道では早く雪が残っていました。怖いのは融雪による泥はねと、凍結してスケートリンクのように滑りやすくなった場所です。幸いにも、花立山荘の手前までチェーンスパイクを装着する必要はありませんでした。気を付けないといけないのは、登りより下山がスリップしやすいことです。雪がなく濡れているだけでも良く転倒することで有名な堀山の家の直下では、帰路で転んでいる人を見かけました。
多くの人が登っている中で、顔の周囲にハエが飛んでいるような音が聞こえました。WIFIが飛んでいるのかと思い、目で見えないWIFIを振り払おうとすると、目の前をドローンが飛んでいきました。危機一髪でした。
大倉尾根よりも向こう側に見えている表尾根の方が積雪がすごいようです。もし表尾根を歩くなら、大倉バス停から三ノ塔尾根を登るのが良いと思います。その方が早く稜線に到着できます。またここと違って、登山者の数は僅かだと思います。
花立山荘で休憩です。野外にあるベンチの数と比較して登山者の数が多いため、絶えず満席でした。ここから雪の量が増えていきます。
今日は富士山が見えない天気でした。基本的に雲が多い日でしたが、時折、太陽が姿を見せると、日光が雪に反射してものすごく眩しく、目に悪影響でした。紫外線にさらされ、角膜の表面が傷ついてしまう雪目にならないためにも、サングラスはあった方が良さそうです。
大山と雪と木。何気に好きな景色でした。
今回歩いたルートの中で一番良かった展望はこちらです。山頂でもなく、丹沢山へ向かう稜線でもなく、大倉尾根で出会いました。丹沢の山深さが分かる景色でした。
塔ノ岳の山頂に到着し、昼食休憩になります。誰も人がいないように見えますが、実は人でいっぱいです。写真を加工して人を消したわけでもありません。
雪で作ったダルマとの相席になりました。ダルマや、後で見かける雪のアヒルは、実は中年男性が作っていたと目撃証言があります。
今日は蛭ヶ岳山荘やみやま山荘に宿泊する人が多そうです。時間の関係で、日高までしか歩くことができなかったのですが、宿泊予定者が塔ノ岳から丹沢山への主稜線を歩いていく姿を見かけました。
塔ノ岳から日高を通過して、時計を見るとタイムアップとなり、ここで引き返しました。
日高の看板には雪で作られたアヒルが何匹もいました。三角沢ノ頭(寿岳)の方へ少し立ち寄ろうとしましたが、積雪が深く、誰もラッセルしていなかったため、断念しました。
丹沢主稜線から見た塔ノ岳です。拘留孫仏(狗留尊仏)の石祠に立ち寄ろうかと考えましたが、次回の課題とします。
塔ノ岳に戻り、大倉尾根で下山を開始します。人はほとんどいませんでした。金冷シを過ぎた当たりで、ピンク色の携帯電話とライターが落ちてました。落とし物の携帯電話を拾ったのは今年になって2回目です。今まで生きてきた人生の中でも2回目です。別に落とし物に気が付いても見て見ぬ振りしてきたわけではありません。
落とし物を拾って下山していると、所有者の男性二人組が探しに登って来ました。交番まで届けることなく解決でした。無事に大倉バス停に下山し、今回の登山は終了になります。
今回出会った植物はカントウカンアオイです。この時期はまだ花が見られます。カエンタケが生えていたことがある別の場所にもカントウカンアオイが存在していたのですが、2年前を最後に、消えてしまったと思います。他にも山野草の定期巡視をしながら、盗掘や登山整備による刈りで、特定の山野草の全ての株が消えてしまった場所に過去の栄華を思い出すのでした。