今回の丹沢登山は、秋に咲く山野草のウメバチソウとセンブリを見ることが目的です。そして誰ともすれ違うことのない水沢資材運搬路と二ノ塔尾根を歩きます。表尾根を少しだけ歩き三ノ塔を本日の山頂とし、日本武尊の足跡に立ち寄ったり、普段の丹沢縦走登山とは異なる内容になっています。
まずは秦野駅からヤビツ峠行きのバスに乗ります。始発バスと次発バスの間には3台の臨時バスが増便されており、臨時バスの座席を確保してヤビツ峠に向かいました。紅葉の時期でもないのに、100人以上のバス待ち行列が発生していました。
ヤビツ峠から二ノ塔へ向かいます。富士見橋からはヤマビル避けスプレーを足元にしてから登山道を歩きます。結果的にはヤマビルを見かけませんでしたが、長尾尾根ではまだ活動していたようなので、気は抜けません。秋の山野草であるホトトギスが咲いていました。
林道交差点に到着したら、大勢が向かう二ノ塔へ道は行かずに、水沢資材運搬路を進みます。こちらは二ノ塔へは行かずに三ノ塔へ直接向かう道です。前にも後ろにも多くの登山者がいると疲れてしまうため、誰もいない林道歩きを選びました。結果的に、業者以外は誰とも出会いませんでした。「登山道ではありません。」と看板に書かれていれば、そりゃそうですね。
マツカゼソウが咲いていました。この時期なら至る場所で見かけます。今回は久しぶりの登山であり、歩行はゆっくりめです。実はヤビツ峠から歩き始めること以外は、ほぼノープランです。塔ノ岳まで歩くのか、未踏の春嶽山を経由して大山を歩くのか、大山北尾根にするのか、ヨモギ平を散策するのか未定でした。花の目的であるセンブリは比較的どこでも見れそうだし、ウメバチソウは通った場所で咲いていたら良いねくらいの気持ちです。
平坦な道をくねくね何度も曲がりながら歩いていきます。距離的には二ノ塔経由の一般登山道を歩いた方が三ノ塔へ早く到着できると思います。今年の丹沢はオオバノトンボソウに期待が持てそうだと春に思ったのですが、結局見に行くことなく終わってしまいました。
アズマヤマアザミ
モノレールの起点に到着しました。林道はまだまだ続いていますが、林道歩きはここまでです。
モノレールに沿って登っていきます。バリエーションルート扱いのようですが、一般登山道と同じ感覚で歩けます。モノレールが設置できるような場所なので、四つん這いで登ったり、崖があったりなんてことがないことは想像できます。また、地図アプリで等高線の幅は確認します。幅は狭くなかったので大丈夫です。
左手に二ノ塔が見えてきました。
ヨモギ平の方から伸びるモノレールとこちらのモノレールの合流点に到着しました。三ノ塔までは目の前です。
三ノ塔にあるお地蔵さんがある場所の横に出ました。虎ロープが設置されている場所から出現です。
塔ノ岳へ行くには遅い時間になってしまったため、三ノ塔でのんびりお昼ご飯にして、誰ともすれ違わないであろう二ノ塔尾根で下山することにしました。途中で、日本武尊の足跡に立ち寄って来ます。
ツマグロヒョウモン
アキアカネ
二ノ塔で休憩したら、二ノ塔尾根を下ります。
駐車場がある菩提峠へ繋がっている登山コースでは定期的に登山者とすれ違ったり追い越されたりしました。しかし葛葉ノ泉へ下山する区間は誰とも出会わないことになります。
二ノ塔尾根から見た三ノ塔です。今日はシロヤシオの葉が紅葉を始めていました。
日本武尊の足跡に立ち寄ります。
足跡らしき場所は水たまりになっており、ボウフラの繁殖場になっていました。
アキノキリンソウ
誰とも出会わない二ノ塔尾根では、利用者が乏しすぎるのか、浮石だらけで滑りました。
車道に到着しました。葛葉ノ泉までは車道を歩いてげざんすることにしました。落石や土砂崩れのある道でしたが、浮石で転倒するリスクはなさそうです。
今日のゴールは菩提バス停です。そこからバスに乗って帰ります。バス停までの歩いた距離は15km、累積標高さは登りが881m、下りは1,430mになります。
途中でモミジガサが咲いていました。この見た目の花はカニコウモリしか知らなかったので、カニコウモリだと無条件で思ってました。丹沢にはイカリソウと一緒に自生するヤブレガサの群生地があるのですが、ヤブレガサも同じような花だとは気が付きませんでした。ヤブレガサは早春の小さな葉を傘に見立てた姿が愛嬌あります。
表丹沢野外活動センターを通過し、菩提バス停に到着しました。バスに乗って渋沢駅へ着き、電車で無事に帰宅しました。
ここからは今日の登山で出会った植物の紹介です。まずはヤマミズです。最初はネコノメソウの仲間かと思い、葉が対生なのか互生なのか観察してしまいました。
次はテンニンソウです。植物のシモバシラと同様に、冬になると氷の華を作るため、寒い日に再訪しようかと思います。
ヤマトリカブトです。丹沢には見た目がそっくりな花としてカワチブシが存在しますが、ヤマトリカブトの花柄の毛が屈毛なのに対して、カワチブシの花柄は無毛です。またカワチブシは丹沢の標高1,400m以上の場所に自生している傾向があります。神奈川県内にはツクバトリカブトが存在していますが、丘陵地の自生しており丹沢にはいないと思います。箱根に自生するハコネトリカブトは、分類上はヤマトリカブトと同じと扱われています。
ヤマトウバナ
ダイモンジソウです。ジンジソウやホシザキユキノシタなど、似たような植物が沢山ありすぎて、沼が深すぎて広すぎます。
フジアザミ
センブリは沢山見つけましたが、その中でこれが一番群生していました。
リンドウ
ウメバチソウを初めて見ました。北アルプスでコウメバチソウは見たことがあったのですが、記憶を頼りに見比べてみるも、違いが分かりませんでした。
キバナアキギリ
セキヤノアキチョウジです。花がケシ科キケマン属の植物ケマンに似ていると思うのですが、シソ科ヤマハッカ属なので全く異なる植物です。
ヤブマメ
ヌスビトハギ