自然の観光地では、多くの観光客が訪れます。それによる自然破壊を最小限にとどめるために木道が設置され、歩ける場所を限定しています。ハイシーズンは木道が渋滞することもありますが、スムーズに行き来えきるように木道は二本並んでいます。けれど木道は右側通行なのか左側通行なのか、よく分かっていないで歩いている人がほとんどで、それが時にトラブルの原因になります。
山や観光地ごとにルールやマナーが決められていることも多く、今回は尾瀬と上高地の木道ルールを紹介します。また実際にあった木道トラブルも一緒にお伝えします。
尾瀬の木道は基本的に右側通行です。追い越し時や対向者がいない状態での写真撮影、左側の木道を歩いた方が安全な時など左側通行が禁止ではありません。ただし、左側から対向者が向かって来た場合、右側通行の原則から、左側を歩いている時は自ら右側に移動するのが常識になります。
実際のトラブル例としては、自分が右側通行を歩いている時に、対向者が右側通行をしていないため、かち合うことがあります。尾瀬の木道は場所によっては濡れているととても滑ることもあります。実際には二本並んでいる木道で対向者を避けるために右側から左側へ移動した瞬間に滑って転倒したことがあります。そんな過去があり、朝露で木道が濡れていて、この時は右側の木道を譲りませんでした。相手は私の目の前に数秒立ち止まり、その後で相手がどいたのですが、振り返ると中指を立てた指を頭上に上げていました。
尾瀬の歩荷さんは右側しか歩きませんが、かち合った時、相手がどんな対応するのか気になる事案でした。
次のトラブルは他の人の事例です。同様に木道を右側通行していたら、右側通行をしていない対向者とかち合い、相手に「山は左側通行。山は登り優先。知らないんですか?」と言われてしまいました。相手の知っている山では木道は左側通行かもしれませんが、尾瀬では木道は右側通行が正解です。また「山は登り優先。」において、一見正しいことを言っているように思いますが、間違いです。すれ違う時に危険が伴う場合や、すれ違い事態が困難な時に、登りの人に率先して譲りましょうというルールです。木道は二本並んでいる場合、互いに右側通行をしていれば、道を譲り合う必要性は生まれません。
上高地の木道は左側通行の人が多く、それが暗黙の了解のように思っている人もいます。ただし明確なルールとして存在しているわけではなく、右側通行派の人もいます。
対向者とかち合いそうな時は、心が寛容でゆとりがある自分から木道を変更するのが良いように思います。ただし、木道が濡れていると木道変更時に滑って怪我をすることもあります。同じ方向へ前を行く人がいたら、その人と同じ木道を歩くのがおすすめです。