登山を何度か経験し、山小屋に宿泊するようになると、目に付くのは、山小屋に隣接したテント場です。いつかは山小屋泊でなく、テント泊で山を登ってみたい気持ちが出てくるかもしれません。
テント装備のザックを担いでいる登山者は、一目見ただけで分かりますし、かっこよく見えたりします。テント泊が出来ると、登山の幅が広がるだけでなく、山小屋泊では難しいプライベート空間の確保や、宿泊にかかる出費も抑えられます。
けれど、テント装備を入れたザックは重たいし、どんなテント装備を購入すれば良いのか分からず、テント泊デビューに二の足を踏んでしまう事もあります。そこでテント泊デビューでやらかした失敗や進歩した事などを紹介したいと思います。

初めてのテント泊に選んだ場所

初めてテント泊をしたのは、常念小屋(常念岳)と燕山荘(燕岳)のテント場です。2泊3日で縦走登山になります。選んだポイントは、①山小屋の隣にテント場がある事、②テント泊の人でも山小屋で食事ができる事です。
常念小屋(常念岳)のテント場
燕山荘(燕岳)のテント場
①テント場が山小屋の隣にあるのは、たいていのテント場なら条件はクリアすると思います。例えば槍ヶ岳へ行くルート上にある槍沢ロッヂのテント場は、山小屋からテント場まで30分の距離があります。
②テント泊の人でも山小屋で食事ができるが、一番大事なポイントだと思います。山小屋で3食食べられれば、食器や食料、鍋やカセットボンベなど持参する必要はありません。テント泊装備がなるべく少なく出来ます。
常念小屋の夕食
燕山荘の夕食
夕食と朝食を山小屋で食べるテント泊をする場合、常念小屋だと1人1泊6000円、燕山荘だと1人1泊4800円、山小屋泊よりも安くなります。

初めてのテント泊装備

テント泊未経験の2人でテント泊登山を実施しました。その時、共有するテントと相手が使用するシェラフはこちらが担いでます。なので55Lのザックにはシェラフが2個入ってます。
初めてのテント泊で使ったザック
山に宿泊するから見られたモルゲンロート
「テント」
メーカー:Naturehike, 用途:2人用, 重量:1.7kg, 値段:19,900円(現在はもっと安い)
「ザック」
メーカー:HAWK GEAR(ホークギア), 容量:55L, 値段:4,980円
「シェラフ(寝袋)」
メーカー:モンベル(mont-bell), 種類:ダウンハガー800 #2, 重量:735g, 値段:31,320円
「シュラフカバー」
メーカー:oxtos(オクトス), 重量:280g
「ジャバラ」
メーカー:キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG), 長さ:56×182cm, 値段:1,927円
「LEDランタン」
メーカー:YZMZTA, 値段:1,980円
上記装備以外には、山小屋泊の装備と変わりません。衣類、雨具、地図、登山計画書、カメラ、トレッキングポール、帽子、タオル、ショルダーバッグ(ザックとは別)、水(ペットボトル)、お菓子、お金

初めてのテント泊での失敗

山でのテントの組み立てを、本番で失敗するのは入山する前から分かっていたので、家で1回だけ練習をしています。山でいざテントを設営しようと思ったら、やり方が分からない。けれど山の中だからネットが繋がらず、やり方が分からないまま、なんて事になりかねません。
家ではペグ打ちが出来ないので、ポールとインナーテントのみ、組み立てをやりました。これが失敗の原因になってしまいます。
初めてのテント設営(常念小屋)①②
翌日のテント設営(燕山荘)③
初めてのテント設営の写真を見てください。失敗①は、フライシートが表裏逆になっています。そして失敗②は、フライシートがしわしわで、ペグもピンと張れていません。
暴風雨とかではなかったので、テントが飛ばされたり破損する事はありませんでした。しかし夜になって昼間と違い風が出てきた時、フライシートが必要以上に音をたてる結果になってしまいました。別の人のテントが隣接してたら、騒音によって迷惑になっていたかもしれません。
失敗③は翌日のテント設営の時です。フライシートは表裏正しくし、なるべくしわを作らないように頑張ってます。(それでもまだしわがあります。)
問題だったのは設営場所です。テント場がほぼ満杯に近く、空いている場所は傾斜がありました。そのため、テント内で寝ていると、傾斜によって体がテントの端に転がり落ちていく結果になりました。
テント場が早目の到着が大事です。ただ燕山荘のテント場は、中房温泉から登ってくる方が早く到着できます。常念小屋から向かうと、どうしても売れ残りの場所しか空いてません。テント場が満杯で、山小屋泊に案内されるよりはマシかもしれませんが。
2人テントを1人での使用なら快適
失敗④はテントのサイズです。2人で使用する際、2人用のテントを使うと、どうしても荷物の置き場が狭く、窮屈になります。出来れば「使用人数+1」サイズのテントが、快適空間のためには必要です。

コンパネ争奪戦、秋の涸沢カールの陣

コンパネとはコンクリートパネルの略で、ゴツゴツした岩場のテント場で大活躍する便利アイテムです。テントの下に敷く板です。砂地や土の上でなく、石の上にテントを設営する場合、そのままテントを設営すると石によってテントが痛みます。ジャバラを敷いても足つぼマットの上で過ごす事になります。テントの下にコンパネを敷けば、そんな不快感とはおさらばできます。
涸沢カールのテント場
混雑期のテントはもっと多い。
コンパネはテント場でレンタル出来ますが、枚数が限られています。特に紅葉真っ盛りの涸沢カールでは、コンパネが売り切れてしまいます。足つぼマットの上で寝るはめにならないように、午前中の到着や、シルバーウイークの中日の到着は避けたいと思います。
設営許可証の数と比べ、コンパネの数は少ない。

ジャバラを使用して失敗

ジャバラを持っていく時は、ザックに外付けしています。けれど、登山用の夜行バスに乗るために都内の電車を乗り継ぐ時、ジャバラは結構邪魔になってしまいます。また、登山中、細い道を歩くと、ジャバラが植物を傷つけ、植物によってジャバラが痛みます。
そのため、現在はジャバラの幅を1/6程、短くカットして使用しています。
幅を短くカットしたじゃばら
じゃばらの代わりにエアーマットを使用
ジャバラを使用していると、想像してたよりも快適ではありません。床の上で寝るのとあまり変わりなく、寝返りはしづらいし、体全体が凝る不快感です。
エアーマットならザックの中に収納可能であり、ふかふかの寝床が確保できるます。後片付けは面倒ですが、ザックに収納スペースがあるなら、エアーマットを使うようになりました。

テント設営での進歩

初めてのテント設営
初回テント設営から1年後