今回登山する山は金時山です。キントキヒゴタイやシラヒゲソウといった秋の山野草を見に行きます。また箱根湿生花園ではジョウロウホトトギス等の珍しい植物が開花しているため、そちらも合わせて訪れます。別日に訪れた近隣の場所で見つけた植物や変形菌、キノコも一緒に紹介します。
まずは金時登山口バス停へやって来ました。ここから金時山へ登っていきます。老若男女問わず登山者が歩いているため、迷うことはなく、登山道は整備されており、初心者向きの山です。
登山口から山頂までの標高差は550m程です。急登はなく、山頂までの標準タイムは2時間5分ですが、山野草を探しながらゆっくり登ります。途中で景色が開ける場所があり、大涌谷や仙石原すすき草原、箱根外輪山が良く見える展望がありました。
金時山の山頂に到着しました。富士山は雲で隠れていました。前回登った時は外国人の観光客が沢山いたのですが、今日は日本人が多めでした。相変わらずの大混雑です。ここで昼食を食べたら下山します。
金時山で出会った植物を紹介します。まずはお目当てであったキントキヒゴタイです。金時山の名前が付いています。
こちらは既に開花が終了しているタンザワヒゴタイです。名前の通り丹沢山塊にも自生しています。本当は、まだ咲き残りがあったようですが、出会うことはなく残念な結果でした。
クサボタンは咲き終えて綿毛の状態になっていました。
シラヒゲソウは咲き残りの状態です。以前、丹沢では11月になっても咲いていました。開花期間が長い植物だと思います。
イワシャジンは花が輪生するツリガネニンジンに似ていますが、輪生しないのが特徴です。他に類似植物であるソバナは萼裂片が披針形で幅があるのに対し、イワシャジンは萼裂片が線形で幅がありません。
ダイモンジソウです。今の時期はジンジソウが咲きますが、上部の花弁がスペードの形をしてかつ黄色の斑点があるジンジソウに対し、ダイモンジソウは上部の花弁が細長くて斑点はありません。
キントキシロヨメナ
シロヨメナ
リュウノウギク
ハコネトリカブト(ヤマトリカブト)
オヤマボクチと蜻蛉
センブリ
アキノキリンソウ
オトコエシ
キッコウハグマが群生していました。
トンボソウの結実した姿です。オオバノトンボソウも箱根で見かけますが、トンボソウと同じ場所で見かけたことはまだありません。
テングノメシガイの仲間です。10種類以上似た仲間がおり、肉眼では同定できないので、顕微鏡が必要です。
ここからは箱根湿生花園での植物になります。金時山を下山した後、バスを使わずに徒歩で行きました。まずはジョウロウホトトギスです。今まで自然の中で見たことある類似植物は、サガミジョウロウホトトギスとスルガジョウロウホトトギスのみです。
こちらは紀伊山地に自生するキイジョウロウホトトギスです。
キバナホトトギスのカラス葉もありました。この時期になると毎年これらが特別展示されます。いつか自然の中で自生している姿を見てみたいです。
キバナノツキヌキホトトギス
シロバナキバナノツキヌキホトトギス
ここからは別日に出会ったものを紹介いたします。まずは変形菌のシロウツボホコリです。変形菌や粘菌は、変形体を何度か見かけたことありましたが、子実体を見つけたのは初めてでした。
ナンバンハコベは既に結実していましたが、先残りがいました。
ベニチャワンタケモドキは沢山発生しており、色的にも見かけるとすぐに認識できるキノコです。
金時山を登った時にアケボノソウの自生地を訪れたのですが、なんと1本も生えておらず絶滅していました。違う自生地へ行くには時間的に間に合いそうにありません。箱根湿生花園でも見れますが、出来れば野生の姿が良いのです。今年は別の自生地で下見をしていたので、その場所でリベンジをすることになりました。アサギマダラが花の蜜を吸いに訪れていました。
アケボノソウと蜻蛉
狭い範囲でハコネシダを見つけました。見た瞬間、ホウライシダに似ているシダがあると思い、調べたら箱根の名前が付く植物でした。日本海側では絶滅危惧種になっているようです。同属であるクジャクシダ等も見かけています。
ハコネコメツツジは紅葉していました。