思親山は山梨の南部町にある山梨百名山の1つで、天子山地に属しています。佐野峠に駐車場がありますが、今回は内船駅から歩いて登ります。東海自然歩道の一部になっており、井出駅や寄畑駅から登ることも可能です。カタクリとカイコバイモと言った山野草を鑑賞するのと、富士山を見るのが目的です。
まずは内船駅から電車でやって来て、内船寺にやって来ました。寺社仏閣と言ったら、着生ランが梅の木などにくっ付いていないか確認してしまいます。参道石段にある鳥居には、笠木がないのはなぜでしょうか。
今回の登山地図です。一般的な標準タイムはゆっくりめに設定してあるのか、車で来なくても早く登頂できると思います。
ツチグリと呼ばれるキノコを見つけました。南部町は何度か足を運んでいますが、土着植物が多いように感じます。ちなみに、あそこにあの植物があったのに、見ないでしまった物が幾つかあります。事前の下調べは十分にした気になって、全く出来ていなかったことは、常日頃です。
内船寺の桜は満開でした。今日、電車に乗っている時も、身延線から見える景色に桜が幾つも咲き誇っていました。
林道歩きをしていきます。前日の雨と汗をかくような気温のため、ヤマビルが活動しているかもしれません。ディート入りのヒル忌避剤を持参しています。結果的にヒルを見かけることはありませんでしたが、今月はヒルの活動時期に該当します。
ヤブレガサがいました。小さい時が一番綺麗な姿だと人間の欲目で思ってしまう植物です。それ故に花はまだ見たことがないですが、花には香りがあります。湿った地面に杉の落ち葉が多いと、他にも何か山野草がいるのではと期待してしまいます。
ナガバノスミレサイシンが咲いていました。スミレは同定が苦手です。ぱっと見て分かるのはエイザンスミレとタカオスミレくらい何て思っていたら、その自然交雑種であるハグロスワスミレが存在したりして、同定はお手上げです。ちなみに、「距」という言葉はスミレで知ったような気がしますが、昔の記憶は覚えておらず。
佐野峠に続いている車道は、車がすれ違うことが困難な区間が多いため、車で来るのは勇気が要ります。それでも車を何台か見かけました。歩行者の私でさえ、車を避けるのに苦労しました。避け過ぎると、ヒルがくっ付きそうですし。
アカネスミレです。茜色の菫であることが名前の由来ですが、アカネ色していません。青信号は、青色なのか緑色なのか。青汁はなぜ緑色なのか。色の不思議は私にとっては奇々怪々です。
コシダです。シダよりも粘菌やキノコの方が興味があるのですが、シダ植物を僅かばかりお勉強しています。そんなこと言いながら、今年は丹沢でアカイカタケに出会いたいとぼやいています。
富士山が見える佐野峠に到着しました。車は数台が停まっています。トイレもあり、地図の看板もあり、熊出現の標識もあります。
思親山の山頂まではあと少しです。傾斜はそこまでなく、比較的歩きやすいです。
バイケイソウを見つけました。食べたら駄目な植物です。
開花しているカタクリを見つけました。他にもニリンソウがありましたが、時期が早いため蕾すらありませんでした。
思親山の標高は1,030mですが、道中では標高1,040m程の地点があり、多少のアップダウンを繰り返しました。思親山の山頂は周辺の最高地点ではないようでした。
山梨百名山である思親山に登頂できました。ベンチがあるので、おやつ休憩にしました。広くて、開けているため、ヘリコプターでも呼べそうです。これで100座あるうちの17座目でした。50座くらいは目指したいところですが、長い時間が必要になりそうです。
山頂からの富士山です。下山は井出駅まで歩いて、と言いたいところですが、ヘリコプターを手配して無事に帰りました。(遅めのエイプリルフールです。)
今回出会った山野草の中には、キクザキイチゲがいました。太陽がないと花が開いてくれないので、ちょっと閉じ気味です。
そしてこちらが一番会いたかった植物です。杉の葉に隠れていたのは、カイコバイモでした。特定第一種国内希少野生動植物種に指定されており、採取は禁止されています。実は他県で出会ったことがあったのですが、その時は、おば様の団体がスクラムを組んで壁になり、カイコバイモの撮影に夢中になっていました。時間をあけて再訪するも、依然と壁になっており、撮影を諦めたことがあります。無事に観察できました。