今回は丹沢を登山します。エビネの群生地やカヤランの群生地などを訪れました。またクロハシテンナンショウやヤマウツボ、アオフタバランなど長距離を歩いて山野草を観察します。普通は花弁が5枚しかないはずのツルシロカネソウが8枚の花弁を持っていたり、変わった植物も見かけました。
今年の丹沢で残念だと思ったのが、とあるクマガイソウの自生地が人伝に広まっており、側に生えていた準絶滅危惧種が踏まれていました。ヤマウツボが群生する場所が整備されて壊滅していました。毎年整備されているミヤマウズラの場所は、葉が見つからずです。葉が大きく開花実績もあっただけに残念でした。
まずはアオフタバランです。去年の秋に訪れた時は、枯葉に隠れて通り過ぎてしまいました。花茎は伸びている個体もいますが、夏にちゃんと咲いているのか気になります。
ヤブエビネが咲いていました。萼片と側花弁が緑色で唇弁が白色のエビネをヤブエビネと昔から呼ばれているようです。
こちらは別の場所にあるエビネです。
萼片と花弁が暗い赤褐色で舌弁が赤色なので、アカエビネと呼ばれているエビネです。様々な花色があります。
エンレイソウ
昨年は不作だったオオバノトンボソウは、今年は期待が持てそうです。幾つも見かけました。鹿に食べられないことを祈るのみです。
カヤランは見頃を過ぎていましたが、何とか咲き残りがありました。木にびっしりカヤランがくっ付いている場所では、既に終了していました。
カヤランが幾つもくっ付いている枝が落ちていました。
キンランはまだ開花していませんでした。
ギンランです。丹沢で見かけるギンランは草丈が低い個体が多いですが、こちらは背が高くて、花がなかったらキンランかと思ってしまいます。
ギンリョウソウは大量に出現する場所では見かけませんでした。それでも別の場所で僅かばかりが固まって生えていました。今年は少なめの印象です。
シロヤシオは例年よりも1週間程見頃が早かったです。
ツクバネソウ
ツボスミレが咲いていました。数々のスミレが咲き、最後に咲くスミレがツボスミレと言われています。
ツルシロカネソウです。白い萼片と黄色い花弁がそれぞれ5枚であるのが普通です。ですが花弁が8枚ありました。
ニリンソウが咲き残っていました。
ヒトツバテンナンショウは仏炎苞の内側に黒い模様があるため、同定が非常に簡単なマムシグサの仲間です。
ヒトツバテンナンショウとクロハシテンナンショウの中間型を見つけました。丹沢はどちらも存在するため、両者の自然交雑種だと思います。クロハシテンナンショウはヒトツバテンナンショウの品種扱いです。
ヒメレンゲ
フジの花が沢山咲いていました。林業業者泣かせの植物で、フジのつるが他の木に巻き付き、その木の木材としての価値が下がってしまいます。
ヤマウツボは群生地の消失で意気消沈しました。また群生するのかもしれませんが、どうなんだろう。
ヨゴレネコノメは種子を放出していました。イワネコノメを以前見かけたような気がしますが、花が咲いていないためか気が付けず。
ワチガイソウです。朝入山し、夕飯時に下山するような登山計画のため、色々な山野草を見れた反面、とても疲労が蓄積しました。完登できるか登山する前から危惧してしまいます。