近鉄四日市駅

今回登る山は鈴鹿山脈にある入道ヶ岳です。シロバナネコノメソウやフクジュソウ、ヒメカンアオイなどの植物の花を見に来ました。二本松尾根コースや北尾根コースなど複数の登山ルートがある中で、井戸谷コースで登頂を目指します。鈴鹿セブンマウンテンの1座であり、北の頭からは鎌ヶ岳や御在所岳の景色があります。

今回は公共交通機関のバスを使って訪れます。行きは近鉄四日市駅から三重交通バスに乗って登山口の最寄りバス停である椿大神社で下車します。本数が少ないため、帰りは1時間に1本ある鈴鹿市コミュニティバスを使用する予定です。

椿大神社

バスはJRの四日市駅が始発バス停になっており、近鉄四日市駅はその後に停車します。バスが登山者で混雑し、近鉄四日市駅からバスに乗車すると座れないかもしれないと考え、JRの駅から乗る予定でした。ただ、近鉄よりもJRの駅に行くのが手間だったので、車内で立ちを覚悟して近鉄の駅でバスを待っていたら、やって来たバスの車内はガラガラでした。

ほとんどの人が車で登山口まで行き、入道ヶ岳に登るのだと理解しました。椿大神社で下車したら、井戸谷コースの入り口である椿渓谷キャンプ場入口駐車場へ向かいます。

井戸谷コース

トイレに立ち寄ったら出発します。左に行けば二本松尾根コース、右に行けば井戸谷コースです。右に行きました。

歩き始めて雨がパラパラと降って来ました。天気予報は曇りから雨となっていました。下界では曇りでも、山頂では雨の可能性が高いです。

樹林帯の中に入れば、雨が降っているのか分からなくなりました。登山道は整備されており、子供も通過しているほど難しくありません。井戸谷コースは様々な山野草の花に出会えるため、こんな天気でも多くの登山者が訪れていました。

片側が切れ落ちた道はゆっくり歩けば問題ありません。今回は花の写真を色々撮影しているだけで、花について色々尋ねられることが多かったです。撮影した花の写真を見せられて、1枚1枚花の名前を質問されたことも。私はこの山は初めてで、どこに何の花が咲いているのか詳しくないし、花も知識がない素人なのです。

例えば、フクジュソウの群生地が登山道から逸れた場所にあるのに気が付かず、大勢の登山者が群生地の方から降りてくるため、山頂への登山道だと思って道を逸れてしまいました。群生地の先に道がないことに疑問を抱き、GPSをチェックしたところ、登山道を外れていることに気が付きました。

今日の一番の目的はシロバナネコノメソウを観ることです。事前の下調べによると、標高別に4つのポイントで咲いており、そこで見ることができるそうです。私は関東や東北などで見ることができる、変種のハナネコノメしか見たことがなかったです。花粉の色がシロバナネコノメソウは白色なのに対し、ハナネコノメは黄色と異なるため、興味がありました。

入道ヶ岳への山頂に近づくと、森林限界を抜けたかのような開放的な場所になります。ガスっていなければ、どれだけ良かったことでしょうか。暑かったら、ヤマビルが大量に出没したであろう湿度です。この山にもヒルは存在します。

入道ヶ岳頂上部はお鉢回りのように周回コースになっています。今回は反時計回り進んでいきます。

まずは北の頭に到着しました。展望の良い場所ですが、あるのはサイレントヒルのように霧で包まれた世界でした。北尾根コースで下山する場合は、こちらからです。

ぐるりと回ていると、椿大神社奥宮が見えてきました。ここでは毎年、入道ヶ嶽山頂奥宮春季大祭や入道ヶ嶽山頂奥宮秋季大祭が実施され、白い服装で参加が可能です。

入道ヶ岳

鈴鹿セブンマウンテンであり、標高906mある入道ヶ岳に登頂しました。木々の隙間で雨宿りしながら昼食を食べたら下山しました。

ヤマネコノメソウ

今回の登山で出逢った植物を紹介します。まずはヤマネコノメソウです。

次はニッコウネコノメです。萼裂片がよく開くため、閉じがちなヨゴレネコノメと似て非なる姿が分かります。山野草素人の私には、ネコノメソウ属は種類が豊富で見た目も互いに似ており、同定が難しいです。

ニッコウネコノメ

ニッコウネコノメは今回出会った3種類のネコノメソウ属植物の中で、一番数が少ないように思いました。分布域が広いわりに、偶然出会う機会がなかなかないです。

ずっと出会いたかったシロバナネコノメソウに初対面です。赤い葯の中には白い花粉が入っており、それが銀色に輝いて見えました。

近畿地方より西にしか存在日本固有種で、近畿地方より東には花粉が黄色バージョンのハナネコノメが存在しています。東に住む者にとって白い花粉は憧れで、西に住む者にとって黄色い花粉は憧れかもしれません。

シロバナネコノメソウ

ハナネコノメは葯が赤色なだけでなく、オレンジ色や黄色などバリエーションが豊富です。ですがシロバナネコノメソウの場合、そんな話を聞かないのですが、様々な色の葯が実際に存在するのでしょうか。

チャルメルソウ

チャルメルソウが咲き始めていました。葉っぱは至る所に沢山存在していたので、群生地のように思います。

ジロボウエンゴサク

ジロボウエンゴサクを見つけました。こちらはヤマエンゴサクやキンキエンゴサクなど姿が似ているキケマン属が色々存在します。山野草は一般的にどれも好きですが、科や大きさや、生態によって好きの度合いが大きく異なります。腐生植物や寄生植物、ラン科植物、絶滅危惧種なら好きの度合いが強いので、覚えが少しは良いです。しかしそれ以外だと、なかなか同定のポイントや植物の正確な名前など覚えが悪いです。

ミノコバイモはまだ葉っぱの状態でした。1個体だけ左側に咲いていたと聞いたのですが、場所が分からなかったです。

ミノコバイモ

ミノコバイモの蕾です。あと一週間後に来れば良かったのですが、予定が合わずでした。

コシノコバイモやカイコバイモ、ホソバコバイモ、アワコバイモなど地域によって様々なコバイモがあります。山野草を全て見ようと思ったら、お金と時間が幾らあっても足りなさそうです。登山も日本百名山全て踏破しようとしたら、びっくり値段ですし、趣味は恐ろしいですね。

フクジュソウ

フクジュソウは終盤で、花が地面に散っている個体が一定数存在しました。

キクザキイチゲ

キクザキイチゲ

ヒメカンアオイ

ヒメカンアオイが新鮮な状態で開花していました。鈴鹿山脈なので、スズカカンアオイかと思いきや、花弁のような部分が短かったのでヒメカンアオイと分かりました。

実は今回は鈴鹿山脈ではなく、徳島県へモモイロカンアオイを見に行こうと計画していました。なかなか夜行バスのお値段がお高めだったのと、同行者がそこまでカンアオイ属に興味がなかったので、却下されました。ネコノメソウ属もあまり興味がないようですが、山と腐生植物が好きなのは共通です。バリエーションルートを歩かせると怒られます。

椿大神社

椿大神社へ下山してきました。帰りのバスまで時間があったので、神社を散策します。

帰りは三重交通バスに乗って近鉄四日市駅まで行き、そこから電車で名古屋まで戻る予定でした。登山を開始する前に鈴鹿市コミュニティバスの存在を知り、本数も多く、運賃も全区間一律で安く、加佐登駅で下車すれば電車1本で名古屋まで行けます。

加佐登駅

他に乗客が誰もいない鈴鹿市コミュニティバスに乗って、貸し切りのまま加佐登駅で下車しました。名古屋駅で下車します。

酉しみずの名古屋コーチン親子丼

名古屋駅近くの大名古屋ビルにある「酉しみず」で名古屋コーチン親子丼を食べて今日の旅は終了になります。名古屋でしか食べられないご当地ものかと思ったら、そうではなく東京や神奈川でも食べれるようでした。

日程表