今日の登山先は西丹沢にある日影山です。ブッツェ平とも呼ばれています。玄倉バス停からバリエーションルートである日影山北西尾根を使って登ります。今の時期はウスギオウレンが咲いているため、花も見る予定です。

まずは玄倉バス停へ到着したら、旧玄倉ビジターセンターの裏へ移動します。登山道の入り口になります。入山しようとしたら近くに住む住民に呼び止められました。どうやら私の格好だと北西尾根で日影山に登るのは危険だとのことでした。

ルート

ルート

「見た目はお子様ハイカー、中身は半人前登山者、その名は迷探偵〇〇〇」ですが、ザックの中にチェーンアイゼンとストックを忍ばせていることを白状し、通行証をいただきました。結果的にアイゼンの出番はありませんでした。心配してもらえるのは、ありがたいことです。

日影山は、訪れる登山者が少ないマイナーな山で、山頂に展望が皆無です。ですが稜線上には展望があります。本当は寄バス停から秦野峠を経由して日影山に登り、神縄トンネルバス停へ下山する予定でした。それだと時間的に遅くなりそうだったので、玄倉バス停から登り、神縄トンネルバス停へ下山する計画にしました。時間が短くなる分、道は不明瞭になります。

常緑樹の森を抜けると、日当たりの良い落葉樹の場所にたどり着きます。ここからが急登になります。今回の難所は序盤に始まり、序盤で終了します。ストックがあれば、なんとか進めました。あたり一面は鹿の糞だらけなので、バランスを崩して地面に手をついたら、生涯の悔いに繋がることでしょう。

富士山と丹沢湖が見えます。葉が落ちている季節ならではの景色です。夏場はヒルが出没するのか気になるところです。

鹿柵が出現しました。右に行っても柵、左に行っても柵です。ビニールテープが結ばれている柵だけが、多くの登山者が乗り越えてきたため、張りがなく、ゆるゆるです。前人に倣え右をして、乗り越えました。柵の中は鹿の食害がないため、急登のヤブ漕ぎ状態でした。

私の肌も張りがなく、ゆるゆる。水もはじかずシワ目立つ。って、誰がそんなこと言ったんじゃい。

日影山北西尾根

脚立を乗り越えると、今日の難所は終了します。

登山道は次第に雪で白く染まっていきます。誰ともすれ違うことがないため、ストレスフリーです。歌い放題、踊り放題、誰かに目撃されて赤面する心配もありません。

小さな象に目撃されていたようです。左向きの象の顔に見えた樹木でした。

ここの脚立は鹿柵が壊れているため、使用せずに進めます。

今日は新松田駅の近くにある松田山では、河津桜と菜の花が見頃を迎えて、大混雑しているはずです。まつだ桜まつりによって、新松田駅から西丹沢ビジターセンターへのバスはガラガラだと推測していたのですが、地味に混んでいました。檜洞丸や大室山へ霧氷や雪景色を見に行くのだと思いました。それ故に、玄倉バス停で下車する人はいませんでした。

日影山

雪をザクザク踏み鳴らしながら歩いていると、日影山(ブッツェ平)に到着しました。標高876.4mです。標高330mの玄倉バス停から約500mほど登ってきたことになります。秦野峠分岐点の方へ歩いていきます。

林業業者の作業道になっているためか、登山テープが沢山設置されており、起伏も緩やかで歩きやすい稜線歩きになります。

カサツムリ山

カサツムリ山に到着しました。山頂の標識はありません。いきなり出現する裸地は丹沢の高松山の方や箱根など、見晴らしの良い場所です。

伊豆諸島の大島が見えます。大島といったら山野草のオオシマシュスランを思い浮かぶのですが、大繁殖したキョンの食害によって数を減らしていると聞きます。椿まつり開催中です。

小毛坊ノ頭

小毛坊ノ頭(コケボウノ頭)を通過します。

秦野峠分岐点に到着しました。時間があったので、大野山へ行こうか、それとも神縄トンネルバス停へ下山しようか思案します。大野山へ行き、谷峨駅まで歩くと、駅到着が17時30分過ぎになります。このまま下山すると、帰りのバスがちょうど良いタイミングで来ます。下山することにしました。

ここからは一般登山道になるため、急登や痩せ尾根が存在しながらも整備されています。ちなみに先ほどの分岐点で、ようやく一人の登山者とすれ違いました。今日出会ったのは、その人だけでした。

昨日降った雪は日中の日差しでだいぶ融けてしまいましたが、北斜面は日が当たらないため、まだ雪が残ったままです。丹沢湖と玄倉集落、そして一番奥には檜洞丸や大室山、加入道山が見えていると思います。麓と山頂の両方が見られるここの景色は気に入りました。里山って良いよね。

木製の案内看板と、木に結ばれた案内、ダブルで登山者の迷子を防いでいます。登山者が全くいなくても、こういう案内を見ると難易度が低い道と理解できるので、安心します。四つん這いになって、ひいこら必死の形相で通過しないといけない道は通りたくないです。

最初で最後の鎖場を通過します。登山から下山まで合計で5時間もかからないコースでした。

神縄トンネル

神縄トンネルへ無事に下山しました。神縄トンネルバス停で帰りのバス時間を確かめると、すぐには来ません。なので神縄バス停まで歩いて、そこからバスに乗ろうと思います。他にすることもないし、バス代が100円安くなります。

歩いていると猿を発見しました。猿はジビエの中で、美味しい肉なんだとか。昔の日本人は食べていた文化がありますし、機会があれば食べてみたいです。狩猟鳥獣ではないので、一般的に市場に出回ることはないですが、アライグマとかカラスなどは狩猟鳥獣の対象だったりします。

神縄バス停から新松田駅へ向かうバスに乗って無事に下山しました。日影山は展望がない山頂から、つまらない山かもしれないと思っていましたが、稜線上には展望があり、また鹿柵を乗り越えたり、ワクワクと楽しみがある山でした。

アキノギンリョウソウ

ここからは、今日出会った植物の紹介です。まずはアキノギンリョウソウです。ギンリョウソウモドキとも呼ばれる光合成をしない腐生植物です。

ウスギオウレン

次に今日のお目当て出逢ったウスギオウレンです。

ミツマタ

ミツマタが開花し始めていました。付着した雫が寒さで氷になっており、とっても綺麗でした。今年は丹沢のミツバ岳へミツマタの群生を見るのではなく、椿丸へ行きたいです。お子様ハイカーみたいな見た目と技量で行けるだろうか。

ベニシュスラン

去年開花して結実したけど種子を放出しなかったベニシュスランを発見しました。

ムカゴネコノメソウ

標高が低い場所では既に開花しているけれど、ここではまだ開花していなかったムカゴネコノメソウです。

ムラサキオニシバリ

ムラサキオニシバリです。丹沢ではこの時期、オニシバリを至る所で見かける気がします。

丹沢から見た富士山と雪景色

ここからは、また別の日に訪れた丹沢の記録です。富士山と雪の景色です。

丹沢の氷瀑

名前のない氷瀑です。いつか同じ丹沢にあるガータゴヤ滝や早戸大滝にも行ってみたいですが、難しそう、大変そう、登山口が不便などなど、行かずに終わる気がします。

日程表