円覚寺の紅葉

鎌倉の紅葉が見頃になったので、円覚寺や明月院といった鎌倉の紅葉お寺巡りハイキングに来ました。今回は鎌倉アルプスを歩き、鎌倉市内最高峰かつ最高地点の大平山と横浜市最高地点である天園を登頂します。知る人ぞ知る紅葉の名所である獅子舞の谷も訪れます。そして山頂から富士山の景色がある衣張山も踏破するプチ登山の計画です。

天園は関東百名山に選ばれており、大平山と天園、衣張山の合計3座は神奈川県の山(分県登山ガイド・合計54座)に選ばれています。また天園の近くには横浜市最高峰の大丸山があったり、鎌倉を代表する5つの寺院(鎌倉五山)など、鎌倉は自由に山や寺を組み合わせて観光やハイキングを楽しめる場所です。

まずは北鎌倉駅で下車して、円覚寺に向かいました。

円覚寺にある大方丈の裏庭

円覚寺は鎌倉五山の第二位であり、大方丈の裏庭には池と紅葉がありました。また前庭には、鎌倉時代の臨済宗の僧である「無学祖元」が植えたとされるビャクシンがあります。敷地が広すぎて適当に見物していたら、選仏場など色々見逃したものがありました。

明月院の悟りの窓

お次は明月院に行きました。まず最初に、本堂にある「悟りの窓」の撮影を待つ観光客の行列に並びます。窓の中には観光客が絶えず映り込み、撮影者の誰もが、窓枠内に人がいなくなったタイミングで撮影をします。悟りならぬ「邪念の窓」だと思います。

明月院の庭園にある紅葉

窓の向こう側にあった庭園に入ります。紅葉と花菖蒲が咲く時期のみ庭園が公開されます。アジサイ寺とも呼ばれる明月院は、アジサイが咲く時期になると紅葉の時期とは比べ物にならない程の観光客でごった返すイメージがあります。

建長寺

鎌倉五山の第一位である建長寺に向かいました。鎌倉はバスや電車を使わず、徒歩のみであちらこちらの観光名所に行けるため、今日は全行程徒歩です。

法堂の天井画にある「雲龍図」は、随分と綺麗な状態で保存されていると思っていたら、2003年に、創建750年記念事業として描かれた現代絵画でした。円覚寺にも雲龍図がありますが、円覚寺の龍は3本爪に対して建長寺の龍は5本爪です。昔の中国では龍の爪の本数は地位を意味し、皇帝だけが五本爪の龍を使用できました。日本で5本爪の龍が描かれている寺は、ここ建長寺や京都の天龍寺など限られています。

建長寺の紅葉

黄色いツワブキと赤い紅葉

鎌倉アルプス(天園ハイキングコース)は六国見山森林公園が端の入り口になっていますが、今回は建長寺の奥にある鎌倉二十四地蔵霊場・第十一番札所から入ります。イチョウの黄葉がピークです。鎌倉は京都など他の紅葉の名所と比べて、規模は大きくありません。けれど鎌倉は紅葉スポットが多く、日当たりの良さや標高差などで、紅葉の見頃の時期は寺や場所ごとに差があります。

建長寺の半僧坊

鎌倉アルプスの入り口手前にある建長寺の半僧坊まで無数の階段を上って来ました。参道石段には12体の天狗像が紅葉をバックに街や建長寺を見守っているように設置されています。

アルプスを歩き始めてすぐ山頂に到着します。勝上山の周辺からは建長寺の境内が良く見えました。

少し歩いた別の場所では、湘南の海がある由比ヶ浜から鶴岡八幡宮に通じる参道の、若宮大路を見下ろせました。参道に人混みが少ないように感じたのは、昼食の時間なので食事処に人が流れているのか、または小町通り人が集まっていそうです。

登山道は足が悪くても何とか歩けるようになっているためか、足が悪そうなご高齢の婦人が、介助されながら歩いている光景がありました。全国各地にあるご当地アルプスの中で、難易度はものすごく低いと思います。

鎌倉アルプス

岩を削って作られたようなトレイルコースに苔が付き、木の根が張り出し、古道っぽさを感じさせます。そんな雰囲気が鎌倉アルプスの特徴だと思います。鎌倉の各寺院の境内にも削られた岩や苔、根が多く、町全体が統一された世界観です。

大平山

鎌倉市内最高峰(最高地点)の大平山に到着しました。標高は159.2mあります。

山頂直下は広場になっており、そこで昼食にします。この先には天園公衆便所があります。左手にはゴルフ場(鎌倉カントリークラブ)があり、隅っこの方の練習場では、フェンス越しの登山者にじろじろ見られながらプレイしていました。

天園

横浜市最高地点である天園に到着しました。標高は159.4mあります。鎌倉アルプスは鎌倉市と横浜市の市境にあるため、鎌倉と横浜を行ったり来たりしています。横浜市最高地点は、トレイルコースから少し寄り道する必要があり、知らないと通過してしまいます。最高地点の看板が目印です。

ちなみに横浜市最高峰である大丸山は、標高は156.8mあります。天園から金沢の方へ稜線を進んでいくと到着できます。神奈川県の山(分県登山ガイド)にも選ばれています。

天園休憩所

天園休憩所(かまくら茶屋)は土日でも休業していました。ここが十字路のようになっており、今まで歩いてきた道、大丸山へ行く道、瑞泉寺へ行く道、獅子舞の谷へ行く道に分かれています。今から向かうのは獅子舞の谷です。

獅子舞の谷

獅子舞の谷に到着しました。鎌倉の寺院は紅葉の見頃でしたが、ここはもう1週間後が見頃のようです。

昔は知る人ぞ知る紅葉の穴場のようでしたが、今は結構知名度が上がって観光客が多くいました。獅子岩と呼ばれる獅子に見える岩もあります。

鎌倉宮

天園ハイキングコース獅子舞谷口まで下山したら、町中を歩きます。衣張山の登山口である平成巡礼道を目指します。道中には永福寺跡や鎌倉宮、荏柄天神社があるため、寄り道していきます。

風が吹き、イチョウの葉は落ち、見上げる私の髪を風がさらう。そんな情景でございました。

鎌倉市内を流れる滑川には大量のモミジ(カエデ)が色づいていました。どんな寺社の紅葉スポットよりも道端の紅葉が凄かった件。

平成巡礼道から登山道を進みます。景色は様変わりして、どこかのジャングルのようです。なのに肌寒いです。

衣張山

標高121mある衣張山に到着しました。夏場は木々が生い茂って展望が隠れてしまいそうです。

富士山が綺麗に見えました。建長寺の半僧坊にある富士見台(富士山の展望所)だと富士山が僅かにして見えなかったので、今日初めて富士山をちゃんと見た気がします。

平成巡礼道とは逆の、巡礼古道・衣張山・浄明寺方面口に向かって下山します。

名越切通を経由して鎌倉駅に向かおうと思っていたのですが、遅い時間に心霊スポットかもしれない名越切通を通るのは控えようと思い、道路を歩いて鎌倉駅を目指すことにしました。無事に駅まで到着したら、今回はここで完結となります。

日程表